ラルバ・ムジカーレ 活動日誌

アマチュア古楽アンサンブルのゆるい奮闘記。

全体表示

[ リスト ]

古文書としての楽譜

「宮廷のみやび」と銘打った展覧会で、楽譜が展示されていた。
11世紀に書かれた五絃琴譜というものだ。保存状態は良好。
邦楽のことは良く分からないので、五絃琴というのがどんな楽器なのかも知らない。
丁寧に浄書されているし、いくつもの曲が収録されているようなので、
誰かが演奏用もしくは閲覧用に筆写したものだろうか。

数字や記号の羅列から、その曲がどんなものか伺い知ることは出来ない。
酒や楽あるいは大食のタイトル文字から宴の音楽であることだけは推測できる。
クラシックの演奏家たちがバッハやモーツァルトの楽譜を音に出来るように、
千年前のこの文書を音楽として再現できる五絃琴という楽器の奏者が
存在するかも知れないと思うと、ちょっとワクワクする。

このように、展覧会に楽譜が出品されるのは珍しいことではない。
ハプスブルク家関連の展覧会ではモーツァルトの自筆譜も展示される。
ただ、日本や中国の譜面は、読み解いたり響きを想像する事はおろか、
素人が一見して、それが楽譜であるという事すら判別出来ない。

宮廷のみやび展会場の少し離れた場所には、源氏物語の筆写本も出品されていた。
文庫本サイズで美しい装丁が施されていた事を偲ばせる。旅に携行したのだろうか。
こちらは頑張れば…少なくとも活字に起こしてくれれば何とか読めそうだが、
それでも、当時の人たちの発音やイントネーションは再現できないだろう。
また、これを平成の庶民の私が辞書と首っ引きで読んだとしても、
当時の宮廷の子女たちと同じ意味内容を感じ取れるとも思い難い。
まぁ、五絃琴譜に対する理解度が 0 なのに比べればマシかも知れないが…。

今、私の手元にあるヘンデルのトリオソナタのファクシミリ譜だって、
バッハの無伴奏ヴァイオリン曲集だって、考えてみれば古文書の一種だ。
私たちはこれをどれくらい理解し、どれくらい再現しているのだろう。

閉じる コメント(5)

顔アイコン

古楽って音楽だけどかなり考古学の分野って思いますよね。楽譜はまさに古文書。このあたりが他の音楽ジャンルと決定的に違うような気がします。興味がないとまず理解できないカテゴリーという気もするし…。

2008/1/9(水) 午前 8:27 [ more_60_sonatas ]

学究的な側面ばかりが目立つと、音楽を置き忘れているという風に評価されてしまう場合もあるようですが、裏付けをハッキリさせたほうが、音楽の説得力も大きくなるだろうと私は考えています。まぁ、研究の成果を音楽にどのように活かすかが問題になってくるのでしょうけど、それもセンスの問題でしょうか。誰もバッハ自身の演奏を聴いた事ある人などいない、つまり正解など無いのですから。

2008/1/9(水) 午後 0:47 L Alba (violino)

顔アイコン

作曲当時の装飾や臨時記号の慣行や作曲者の記譜上のくせ(バッハのスラーの位置、シューベルトのアクセント記号など)までも分析してURTEXTという形で学術的に再現され清書されていますね。改訂版で新解釈・新事実を示されても、一旦耳に馴染んだ曲では奇異に感じたり逆に新鮮に感じたりします。

そのような解釈はさておいて、躍動感あふれるバッハの自筆譜を見て弾きますとインスパイヤされることが多いですね。

2008/1/9(水) 午後 10:41 [ jack_violin ]

スラー位置などの解釈は統一された見解が得られていないようですし、書かれている記号の意味や書かれていない演奏習慣についても、これから研究が進むにつれて解釈が変化していくのでしょうね。今日正しいとされている事が、明日には誤りとされてしまうのかもしれません。でも、良い演奏と正しい演奏とはまた別問題だと考えています。
バッハの自筆譜は美しいですね。ある先生は、無伴奏曲を弾く時は自筆譜を使用するようおっしゃってました。

2008/1/10(木) 午後 0:59 L Alba (violino)

顔アイコン

私のバッハも読んで、古文書です。それこそ。

2013/8/13(火) 午後 9:53 [ - ]


よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事