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通奏低音の形のひとつですが、しつこく同じ音型を繰り返すのが特徴。バロック音楽愛好家にはお馴染みのパターンですね。特に、シャコンヌ、パッサカリア、グラウンドなどと呼ばれる下降バスに乗せた変奏曲は単純ながら奥深く、心惹かれる名作も沢山あります。
9月の課題曲のひとつ "Lamanto della Ninfa" も、通奏低音パートに書かれた音符も4つだけ。イ短調・3拍子の楽曲の最下部で、「ラーー、ソーー、ファーー、ミーー」が延々と繰り返されます。典型的なラメント(ため息)の音型です。もう、これだけで泣けます。このバス音型はパッサカリアと同じなのですが、ここでの上声部はテーマの変奏ではなく、自由な旋律が乗せられています。誰あろうモンテヴェルディが書いていますから、号泣間違いなしです。
で、この楽曲での私の役割は、アーチリュートでこの4つの音を弾き続ける事。これなら初心者でも楽勝だろうって・・・いや、そうでも無いのです。リュート奏者は和音も弾かなければならないので、間違いなく指がこんがらがります。まあ、今回は幸いにも、Y先生のハープとご一緒させていただけるので、私は最低限の仕事に徹することにしましょう。今回、この曲での伴奏方2人の役割は、以下のような感じになるでしょうか。
・ハープの仕事
1) バス旋律
2) ソプラノ以外の声部の再現
3) 装飾的な表現
・アーチリュートの仕事
1) バス旋律の強化
2) 必要に応じて和声を絡める
たった4つの音でも、バス旋律の表現が充実すると音楽の世界観が大きく広がります。4つの音は、"Lamanto della Ninfa" の舞台であり、歌い手はこの上で Ninfa を演じます。音の強弱や音の表情が、舞台を照らす照明にも書割りにもなり得るのです。「ラ、ソ、ファ、ミ」4つの音符をしっかり弾くため、本番まで残りひと月ほど、しつこいくらいの、そう、"ostinato" な練習を続ける必要がありそうです。
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