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エネルギー販売大手オーストラリアン・ガス・ライト(AGL)は16日、パプアニューギニア(PNG)〜クイーンズランド(QLD)州を結ぶガスパイプライン計画(総工費約40億豪ドル)への投資を凍結する考えを明らかにした。PNGガス田の売買交渉相手である石油大手サントスへのけん制との見方がある一方、パイプライン建設の中止につながる可能性を懸念する声も上がっている。地元各紙が報じた。
AGLは、マレーシアの国営石油会社ペトロナスとともに行った基本設計業務(Front End Engineering and Design:FEED)の費用1,830万豪ドル(税引後)の評価切り下げを実施。当初25億〜30億豪ドルと見込んでいた建設費は同調査の結果、実際には35億〜40億に膨らむことが指摘されていた。
アンソニー最高経営責任者(CEO)は今回の決定について、「大きな顧客が契約の調印をだらだらと引き延ばしている」と主張。「優柔不断な態度を示されても待ってきたが、現段階では投資を止めるというところにまで達した」と話し、長期にわたり権益取得を含む売買契約を話し合ってきたサントスを事実上批判した。
AGLはPNGサザンハイランズ州ガス田の権益10%を保持し続けるもよう。ただし、最大顧客として2009年から20年にわたって約1,500ぺタジュールの天然ガス(契約額45億豪ドル)を購入する契約に関しては、先行きに暗雲が垂れ込めたとの見方が強い。
AGLは、新たな所有構造を導入しなければ、パイプライン計画の実現は難しいとの見解を提示。アンソニーCEOは、インフラファンドという形態が最も保有に適しているとの考えを示唆した。
AGLは昨年10月にインフラ部門とエネルギー部門の分社計画を発表して以来、西オーストラリア州のガス会社アリンタにすべてのインフラ事業を売却することを画策。今年4月にインフラ部門の合併などで合意したものの、アリンタはPNG〜QLD州パイプライン権益の取得を拒否していた。
■オイル・サーチは実現に自信
同パイプライン計画の参画企業は、オイル・サーチ、エクソンモービル、PNG国営ミネラル・リソーシズ・デベロップメント、新日本石油(東京都港区)の子会社である新日本石油開発、AGL。海外部分はAGLとペトロナスが50%ずつ保有していると報じられているものの、全体の比率については公表されていない。
オイル・サーチのボッテン社長は今回の発表について、「AGLが(サントスの)参画に関する早急な結論を引き出そう試みているのは明らか」とコメント。平静を保っており、プロジェクトの実現には自信を持っている様子だ。
同社は先ごろ、PNGサザンハイランドガス田開発に対する7億5,000万米ドルの融資契約を取り付けたばかり。また仮にパイプライン計画が滞った場合でも、三菱ガス化学および伊藤忠商事との供給契約交渉を進めるという選択肢が残されている。
なお、新日石広報部はNNAの取材に対し、「AGLの発表は確認している」とだけ回答。参画企業間の守秘義務により、正確な権益比率も含め、この件に関するこれ以上のコメントはできないと述べた。
(NNA) - 8月18日8時9分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060818-00000001-nna-int
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