|
2006年08月23日 オーストラリア
連邦政府は22日の閣議で、保有するテルストラ株51.8%分の売却方法を検討したものの、協議内容の発表は先送りになった。予想売却益230億豪ドルのうち100億豪ドル分が放出されるとの見方が有力だが、株価が低迷していることもあり、主要閣僚間の意見調整が難航したもようだ。各メディアが伝えた。
地元紙はテルストラ株公募第3弾(T3)の行方を決定する閣議に先立ち、連立与党の閣僚間にも意見の違いが生じていると報じていた。
内部情報筋の話によると、T3支持派のミンチン予算相(自由党)は幹事である投資銀行の勧めに従い、年内の実施を主張。政府保有分の5〜15%を市場に放出し、残りをスーパーアニュエーション(退職年金)の債務をまかなうフューチャー・ファンドに移すよう提案していたという。
一方、国民党のトラス運輸相は国営放送ABCのラジオ番組の中で、値が落ち続けているテルストラ株を慎重に扱う必要があると指摘。同相は「今の段階で政府保有株を手放しても、思うような見返りを得ることができないことは明らか」と述べ、既存株主も満足できるような方法を考慮しなければならないと述べた。
連邦政府は、1990年代前半に国営通信事業の合併によってテルストラが誕生した後も全株式を保有してきた。ハワード政権は1997年、初めてテルストラ保有株を放出。個人投資家向けは1株3.30豪ドルの値が付いた。
99年に実施されたいわゆるT2の売り出し価格は7.40豪ドル。この直後には9豪ドル前後で推移していた同社株価は最近、3豪ドル台後半に落ち込んでいた。
テルストラは21日、売上高の見通しを決算発表時の2〜2.5%増から1〜1.5%増に下方修正した。市場はこれを嫌気し、同日終値は前日比12豪セント安の3.51豪ドルに下落。翌22日も3.45豪ドルに続落し、終値としての最安値を更新した。
■「民営化は株主への裏切り」労働党
最大野党労働党のビーズリー党首は、テルストラの完全民営化を推し進めることについて、既存株主に対する裏切りだと主張している。
同党首はパースでABCの取材に対し、「テルストラ株を放出するのは、約2倍の価格で買った人々(T2購入者)への背信にほかならない」とコメント。「政府は国民に対して広範囲に及ぶ義務を負っている。テルストラの公有を保ち、国造りで適切な役割を果たすことを確実にするべき」と続けた。
同党首は、労働党が政権を取った場合、同社株価が1株5豪ドルに上昇しても売却しないと公約。その上で、テルストラが競合他社と協力してブロードバンド網の敷設を進めるための仲介役を買って出る考えを示した。
なお、ハワード首相の広報官は同株売却方法について、依然検討中と述べている。
http://nna.asia.ne.jp.edgesuite.net/freetop/top/free_aud_daily.html
|