|
最近のニュースで話題になっている鳥インフルエンザのことが気になります。中国など東南アジアへの出張が多いので心配です。これはどのような病気で、どのようにして感染するのですか ? 予防法はあるのですか ? インフルエンザの予防接種をしておけばいいのでしょうか ?
(45歳男性=会社員)
鳥居 泰宏(とりい やすひろ)
ノースブリッジ・プラザ・ファミリー・クリニック
メルボルン大学医学部卒。日本人在住者の多いシドニー北部ノースブリッジで一般開業医を始めて18年。穏やかな語り口が印象的な優しい先生として知られる。
鳥インフルエンザは正式には「Bird flu, Avian influenza」といいます。鳥の間で感染する病気で、インフルエンザAのH5N1型のウイルスが原因です。日本、中国、香港、韓国、カンボジア、ラオス、インドネシア、タイ、ベトナム、オランダ、ベルギー、ドイツで報告されています。鳥から人に感染したケースも、数は多くありませんが報告されています。
今一番恐れられているのが、人に感染したウイルスが人体の中で変異し、人から人に感染するタイプに変わってしまうことです。もしこのウイルスの感染力が高ければ、あっと言う間に世界的な流行を起こしてしまう危険もあるからです。
このウイルスは鳥の糞や体液から感染します。今まで感染した人はほとんどが、鳥を多く扱っているような人達のようです。人から人への感染例はまだ報告されていません。まだオーストラリアでは鳥も人も感染例は出ていません。海外から生きている鳥や鳥の生肉を輸入していないので、その危険はかなり低いと見られています。
もし感染例が報告されている国に行く場合は、次のような点に注意してください。
*生きている鳥(鶏、鴨、ガチョウ)が多くいる農場や市場は避けるようにする。
*鳥の生肉を扱った後はよく手を洗う。鳥の生肉とほかの生の食べ物との接触は避ける。
*鶏肉は必ず火の通ったものしか食べない。70℃で30分、あるいは80℃で1分間熱を加えればウイルスは死んでしまいます。
*卵の中にはウイルスは存在しませんが、殻は糞でよごれていることもあります。必ず調理の前に卵の殻はよく洗い落とさなければなりません。また、卵を扱った手もよく洗わなければなりません。生卵を使ったもの(マヨネーズやムース)は要注意です。
鳥インフルエンザの症状は通常のインフルエンザと変わりません。発熱、咽頭痛、咳、頭痛、節々の痛みなどです。潜伏期間は3〜10日であろうとされていますが、人間が鳥インフルエンザにかかった症例がまだ少ないのではっきりとはいえません。
この感染症に対する予防接種はまだありません。ワクチンができるのは少なくとも数カ月先になるだろうと思われます。
人間のインフルエンザ・ワクチンはこの病気に対して効果はありません。ただし海外では鳥インフルエンザの感染者は人間のインフルエンザ・ワクチンを打たれます。インフルエンザの鳥/人間のミックス・タイプの出現を防ごうとするための手段です。
一度感染した場合、特定の治療薬はありません。人間インフルエンザの時に使われる抗ウイルス薬が試用されます。バクテリアの2次感染の疑いがあれば抗生物質も使われることもあります。
http://www.nichigo.com.au/column/sodan/2004/0403_health.htm
|