アデランス、胎内の新潟事務所を11月末閉鎖2010年8月7日
かつら最大手のアデランスホールディングス(東京都新宿区)は5日、子会社のアデランスとフォンテーヌの新潟事務所(胎内市平根台1丁目)を11月末をめどに閉鎖すると発表した。社員約120人は関東圏に新しく作る商品物流センターや全国の営業店などに配置換えされる。
新潟事務所は配送や生産の管理業務を担ってきた。全国からオーダーメードのかつらの型や毛髪のサンプルが集まるが、生産はタイやフィリピンの工場で行うため、型やサンプルを成田空港まで運び、完成品も成田から新潟まで運んでいた。流通を効率良くするため、成田に近い関東圏に新しい事務所を作り、新潟事務所を閉鎖するという。
新潟事務所の社員約120人の多くは新潟県出身者だという。県外への配置転換や退職を迫られるが、同社は「個々の従業員と話し合い、対応していきたい」としている。
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キリンホールディングスが、海外投資戦略を再開した。7月26日に846億円を投じて、マレーシアやシンガポール市場で飲料最大手のフレイザー・アンド・ニーヴ(F&N)の発行済み株式14.7%を取得、第2位株主となった。
キリンは2000年代後半から約8000億円弱を投じてオーストラリア・フィリピンなどで飲料や乳業会社の大型買収を次々と進め、アジア・オセアニア地域で食品業界トップを目指していた。だが、サントリーホールディングスとの経営統合案が09年7月に急浮上。交渉入りしたことで身動きができない状態となっていた。
しかし、2月に統合交渉が破談したことで、経営資源は再び海外展開へ向けられた。
今回の提携では、キリンのスピードと大胆さが発揮された格好だ。
というのも、株式買い取り交渉が本格化したのは「最近のこと」(小林弘武常務)。しかも、水面下で交渉を続け、シンガポールの政府系投資会社が保有する株式を市場外、前取引日の終値に13%のプレミアムが乗った価格で取得した。
出資先となるF&Nには事前の合意を得ていない。マジョリティも獲得しない。キリンにとってかつてない出資劇だ。当然、詳細な資産査定もしていないし、役員を派遣できるか否かも未定。「持ち分法適用会社となるかどうかも協議中」(小林常務)という。
株式取得がなにより優先されたことを物語るが、背景にあるのはアジア市場での陣取り合戦の激化。
特にインドシナ半島は、アサヒビールが世界大手カールスバーグと提携して販売網を広げているなか、キリンには“空白地帯”だった。是が非でも橋頭堡を築く必要があったのだ。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木 豪)



