バックパッカーはカメラとともに

一眼レフとともに行く世界紀行ブログ!!

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冷たい澄みきった空気が山々を包んだ。犬の猛々しい遠吠えが静寂を破り、鳥たちが目を覚まし始める。新しい一日の到来を示唆するかのように、月はそのまばゆい輝きを失っていく。気がつけば、夜の山々を彩っていた星たちはすでにその姿を消してしまった。もうすぐ、朝がやって来る。



標高4130メートル。ヒマラヤ山脈の一部アンナプルナ連峰の麓、アンナプルナ・ベース・キャンプ。それぞれの頭文字をとって、トレッカーたちはそこをABCと呼ぶ。たどり着くのにかかった日数は5日。ガイドも荷物を運ぶポーターも雇わずに、10キロを超えるバックを自分で担ぎ、時には冷たい雨に打たれながら、ようやくここまでたどり着いた。



AM5時、体にまとわりつく山の冷気で目が覚める。寝袋をたたみ外に出てみると、まだあたりは夜の雰囲気を残していた。青く深い闇の中、空を見上げれば月が妖しい光を放っている。そっと視線を下ろしたその先には、雪を携えたヒマラヤの山々が薄白くそびえ立つ。



圧倒的な存在感。夜の闇の中にぼんやりと、しかし人間の行く手を阻むかのように、力強くたたずむ7000メートル級の山々。天高くピラミッド型にそそり立つ頂上が、その堅固さをなお一層強調している。ヒンドゥー教は北西ヒマラヤのカイラス山にシヴァ神が住むと言っているが、この荒涼とした神秘的な風景を目にすると、そう信じてしまいそうになる。



景色に目を奪われていたその時、急に空の色が変わった。薄く、そして広くかかっていた霧はどことなく姿を消し、闇の帳は紫色のグラデーションとなってヒマラヤを囲った。わずか数分後、遠く東の彼方から太陽の光が差し込み、山々の頂は赤い色をまとい始める。



まさに神の御業。一年のうちに限られたシーズンしか、そして一日のうちにほんの数分しか見ることができない風景。いつの間にか、疲れも何もかも忘れてしまう。



ABCを目指した9日間のトレッキングはなかなかきつかった。肩はバックパックの重みでとんでもない痛みを伴うようになるし、足はひどい筋肉痛になった。下りはまだいいが、登りは地獄のようにキツイ。



そんな今回のトレッキングで、一つだけ分かったこと。



長い人生を登山と考えれば、僕は今年下っているのだ。旅をしたいという自分の欲望を優先させて、現実世界から逃避したのだ。採用試験に落ちたのも、きっとその気持ちが影響したのだろう。しかし、下りも決して楽ではない。足にかかる負担は上りよりも大きいし、足を滑らせる確率も格段に上がる。一方で、下りは上りとは違った風景に出会えたりもする。



ところが、素晴らしい景色や目指すべきものは、必ず登りきった場所にあるのだろう。だからウサギとカメの話のカメのように、ゆっくりとでも確実に登りきっていったほうがいいのだろう。しかし、一度下り始めてしまった僕には、急に道を変えることはできそうにない。



だったら、思いっきり下り坂を楽しもう。登っている人たちとは違った風景や経験をしてこよう。そして、下り続けていれば、必ず上り坂にぶち当たる。そこから全力で登っていけばいい。



インドの呪いでだいぶ落ち込んでいた僕ですが、ここネパールに住むヒマラヤの神々から、新たな気力と覚悟をもらいました。今回のトレッキングとヒマラヤの景色、そしてトレッキングの最中、僕に親切にしてくれたネパールの人々に感謝。そしてこの長い文章を読んでくれた皆さんに、ネパールの神々の祝福があらんことを。





写真はABCから見た夜明け直前のアンナプルナ連峰。
まさに神々が織り成す魔法の演出。
インドの呪い、ここネパールでやっと解けた感じがします。



写真をもう一枚。朝日をまとったマチャプチャレ。標高6973メートル。
マチャプチャレとは「魚の尾」の意味。


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まず。言葉が見付かりません。憧れのヒンズーの聖地。そしてそこでラッシーさんが感じた事。涙が溢れて来ました。「神々の御業」自然の持つ神秘には到底人間はかないません。神はそこにいます。神のご加護を。。。。
To you the saving grace of God of the mountains.

2008/10/12(日) 午後 7:42 もえぎ

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思わず息を止めてしまう、澄んだ空気が伝わってくる写真です。
ネパールの神様から、体いっぱい、心いっぱいに、
気力と覚悟と勇気を受け取ってきてください。
体調回復とのこと、ホントに安心しました。
今しか出来ない素晴らしい旅、続けてください。

2008/10/12(日) 午後 8:15 [ denchi ]

真っ黒でなかなかわかりづらいけど…
旅行でも学んでいますね♪

2008/10/13(月) 午前 1:18 [ A77 ]

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ほんと神秘的な景色に出逢いましたね。
大自然は感動と共に多くの事を学ばせてくれます。
下り続ければ雪だるまのようにきっと大きくなりますよ^^

2008/10/15(水) 午前 0:26 アーキZ

○萌葱さん
本当に神秘的な光景でした。大自然が持つ偉大な力とそれを象徴する神の存在にただ人間は頭を垂れるだけですね。自然は本当に色々なことを学ばせてくれます。
ただ、極寒でした。

2008/10/19(日) 午後 4:49 Lasssssy

○denchiさん
こんにちわ。体調はもう完全に回復しました。今は元気にカトマンズの町をレンタサイクルで疾走してます。
旅は色々なことに気づかせてくれるからいいですね。帰国したらdenchiさんの旅の思い出も聞かせてください。

2008/10/19(日) 午後 4:52 Lasssssy

○アキさん
確かに、ちょこっとレタッチを間違えた感じですね。でも、本当にめちゃくちゃキレイだったんですよ。帰国したら早速日本アルプスでも行こうかな、なんて思ってしまうほどでした。

2008/10/19(日) 午後 4:54 Lasssssy

○アーキZさん
こんにちわ。
本当に自然はいいです。そして苦難を乗り越えた跡に見せてくれる神秘の姿ってのがまた憎いですよね。
大きくなれるんなら、下り続けるのもありかな(笑)

2008/10/19(日) 午後 4:56 Lasssssy


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