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生命の連鎖は絶えることなく、
この地を支え、この地に支えられ、
過去を消すことなく
現在とまだ見ぬ先々の時空へと、 ことばと真の心を継承する。 悲しみは拭われる。 喜びは結ばれる。 だからもう、重い荷は此処に預けて。 明日の朝の光が、
等しくこの地を照らす、その時までに。 ***************************************************************
あと数時間で、2012年も幕を下ろします。 体調のためもありますが例年になく静かな年末で、 穏やかな大晦日を迎えることができました。 2011年を振り返ったときは、何を差し置いても震災のことが頭によぎりましたが、
実は今年もあまり変わっていません。 2012年のREVIEWの締めくくりとして、やはり震災にまつわる思いを綴っておきたいと思います。 冒頭の1枚は、茨城県筑西市「明野ひまわりフェスティバル」。 8月下旬から9月初旬頃にかけて毎年開かれる、ひまわりの祭典。 ひまわりといえば真夏の代表格の花ですが、
少しずつ空に、風に、秋の気配が帯びている折のひまわりは、 どこか優しく、やわらかく、まるで酷暑にいたんだ地の隅々を癒すかのよう。 関東地方で最も強く、震災の影響を受けてしまった茨城県。
昨年は、直接的な痛みを受けた処でなくても花のイベントが数々中止されたにもかかわらず、 こちら筑西市では、この美しい金色の海原を私にも見せてくれました。 それだけで、どれほど励まされたことか。 このひまわり畑一円をそめる品種は「東北八重」。
今年も変わりなく、筑波山の稜線へとなびくように輝く絶景は健在。 品種園の花壇には「陸前高田のひまわり」が植えられ、 1年以上が経過しても決して後にしてしまうことなく、 花によって被災地を力づけたいという願い、思いやりにあふれた風景でした。 ↑こちらが「陸前高田のひまわり」。
続いては、2012年の旅で最も強く刻まれた風景を。 2年以上あけることなく、初夏の季節に1泊2日で足を運んでいた福島県。
本来ならば昨年の6月がそのタイミングでしたが、成しえなかったのは言うまでもありません。 ですが、私にとっての恒例のルートは、
災害の大過なく、却って被災者を受け入れ支援を続けてこられた猪苗代。 数ある観光名所にもほとんど影響なく操業されていると聞いて、 昨年末に願った2012年の最大の目標は、何が何でも此処を訪れることでした。 訪れて、様々な試練に遭っても前を向いて進もうとしている福島の、
美しい風景を見て、できるだけたくさんの買い物もして、 地元の方々の、少しでも何かの足しになればと。私にはこれくらいしかできませんが。 まったくといってよいほど、天候には恵まれませんでした。 馴染みの湖畔では雨に降られなかったことが幸いでしたが、 シングルステイも歓迎してくれるリゾートホテル・リステルのハーブ園では 土砂降りに見舞われるほどの荒天。 ↑裏磐梯の「中瀬沼探勝路」。
↑五色沼でもっとも湖水が青く広く美しい「弁天沼」。
↑リステル猪苗代が直営する「猪苗代ハーブ園」
我ながらすっきり晴れた写真が一つもないと苦笑しつつ、私には充分すぎるくらい充分。 もちろん、欲を言えばまた、2009年に訪れたときのこの写真のような、 澄んだ青空に浮かぶ山並みと水の輝きに会いたいですが。 震災復興といえば、決して忘れられないのが、茨城県水戸市「偕楽園」。
昨年の3月6日に、まだ到底見頃には程遠いとわかっていながら何故か足を運びたくなり、 4分咲きほどの梅園をそぞろ歩きながら、「来週あたりまた来よう」と。 でも、その1週間後は、ありませんでした。園内は損壊により閉鎖。 恐らく20日過ぎには最盛を迎え、三大名園と名高い回遊式の梅林は、
紅白折々の花と香りに包まれて、春を迎える喜びを整えていたことでしょう。 其処に訪れる人がほとんどなかったとしても。 昨年の秋ごろからかなり復旧が進み、ほぼ全面復旧されたこの3月に、
再びこの梅の都の最中に立ち、様々に思いを馳せたとき、 嬉しいのか、悲しいのか、喜んでいるのか、傷んでいるのか、 自分で自分の感情がよくわからなくなるほどに、心の中で激しく哭きました。 まさしく地を揺るがすような険しさで自然は牙を剥くけれど、
それと同じほどの慈愛もきっと持っていて、 言葉と心でその美しさを愛でることができる人間に向けて、 励ましを送り続けてくれているのだと。 ※偕楽園本園と常磐線を隔てた対面に位置する公園は、 春は梅、秋はコスモスが美しく、大のお気に入りの散策コース。 もちろん、秋の偕楽園といえば「萩まつり」。こちらも見応えがあります。 締めくくりは、やはりこちら。
誰に何と言われてしまおうと、此処は私にとって東京一の桜名所。
東京都江東区「亀戸中央公園」。 震災を境に私の日常から消えてしまった、9年間の桜開花定点観測地。 損傷して今は閉鎖された私の職場の、近隣にある公園です。 その前年まで、月曜から金曜まで、出勤時にも昼休みにも、
微かに木の幹や枝が紅色を帯びてくる様子から、粉雪のように地表に降り積もるその時まで、 刻一刻と移りゆく表情を当たり前のように眺め歩き、春の訪れ、至福を感じることができました。 それがどれほど奇跡の連続だったことでしょう。 春の訪れが遅かった今年は、4月7日の時点でようやく6分咲き。
翌週の半ば頃が満開だろうと思った時、 以前のようにそこに立ち会えない寂しさはありましたが
月日が心を治め、癒してくれるというのは真実。 どう待てど暮らせど、戻れることはないのだと、 1年以上が経過して、ようやくそう受け入れられるようになりました。 今年操業を開始したスカイツリー。
その姿を、職場の屋上から桜とともに眺めることは果たせなかったこと、 今も亀戸で働くことができていれば、毎晩のように美しいライトアップを、 まったく混雑を気にしない「特等席」で眺められたのかもと思うと、 やはり残念ではありますが。 昨年の4月に、この日常を失い、
今年の4月は、仕事そのものへの迷いや煩いに悩まされ、 確か一昨年のこの頃にも、職場での大きな変化に戸惑う日々で、 思えば私は3年間、心から笑って桜の花に会っていません。 だからこそ、次の4月は、本当に穏やかな思いで桜を眺めたい。
周りの状況に過剰に揺さぶられ、流され、翻弄されることなく、 自分の意思ひとつで、喜びを選び取れる強さを身につけて。 朝陽を受けて輝く、この亀戸の桜のように。
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2012年も、お世話になりました。
これまでで最も記事を残せなかった年となってしまいましたが、 たとえわずかでも、引き続き、花と花がくれる喜びを綴っていきたいと思います。 寒さのひときわ厳しい冬となりましたが、みなさまどうぞよい新年をお迎えください。 ********************************************************************
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