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№2289 製造物責任とソフトウェア

商品のソフトウェアに欠陥があった場合の責任はどのようになるだろうか
 ソフトウェアの作成は通常は請負契約であるため,請負契約に伴う法律が適用される。しかし,最近はコンピュータによって統制されている商品が一般化しているため,ソフトウェアの欠陥であっても売買契約の責任が適用されるだろう。例えば,自動車はコンピュータによって統制されているが,ソフトウェアに欠陥があったとしてもそれは商品自体の欠陥と考えられる。

請負? 売買? こんなところに注意
 この請負と売買の差はいろいろなところで差が出てくる。例えば,商品の欠陥とされた場合次のような大きな差が出る。売買となると次の条文が問題となる。
 ① 商法526条
   商法526条は商品間の取引(BtoB)で適用される。たとえ商品の欠陥があろうとも,それが売主のミスによって欠陥が生じていたとしても納入後6ヶ月以内にクリームをつけなければ一切の請求が遮断されてしまうという厳しい規定だ。契約書作成ではこの条文にいつも注意しなければならない。
 ② 製造物責任法(PL法)
   製造物に欠陥がある場合には,欠陥によって生じた損害について賠償責任を負う。これは契約関係がない場合でも責任を負う。たとえば,商品が流通して最終ユーザに欠陥によって損害,たとえばテレビが発火して火事になった場合がそうだ。この場合,「欠陥」であればよく,製造者は原則として無過失責任という厳しい責任を負う。
商品搭載のソフトウェアの欠陥はやはり商品の欠陥だろう
 ソフトウェアの欠陥であっても商品がうまく機能しなければ商品の欠陥だ。しかし,例えば,iPadを教育用教材としてセミカスタマイズし商品を売り出したらどうだろう。ソフトウエアに問題があって,iPadには欠陥はない。この場合,カスタマイズという作業上のミスというところがあって,単純に商品の欠陥とは言えない。

 東京地裁平成29年 7月14日判決は,製造物責任が争点になった事例だ。判決は売買契約の問題で処理したので直接製造物責任に触れていないが,タブレットPCに挿入されたソフトウェアの欠陥を商品の欠陥としている(2017WLJPCA07148018)。

ソフトウェアをカスタマイズしておいてくれという注文代と請負かな?
 特定のコンピュータを購入するが,あわせてソフトウェアを入れておいてくれ,買主の業務にあわせてソフトウェアを調整しておいてくれというような場合になるとさらに問題は微妙になる。

弁護士でも判断が難しい
 このようにソフトウェアと「商品の欠陥」とは難しい問題があり,こうした問題に対してはよく勉強していない弁護士だとうまく対応できない。

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