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№2290 全従業員の物心両面の幸福の追求

 京セラ創業者稲盛和夫氏を塾長にした誠和塾では機関誌に塾長講話という講演記録が冒頭に紹介されている。機関誌117号を読むと「企業統治の要諦」とあり稲盛経営学の「要諦」が紹介され,読む機会にめぐまれた。実にためになる。

企業の目的
 京セラ創業3年目,「京セラがまだ中小零細企業であったとき」一部の社員から「ボーナスはいくら以上ほしい。昇給率は毎年これ以上を約束してほしい。」と要求を突きつけられた。「吹けば飛ぶような中小企業」に生活保証などやれるべくもない。「私は愕然としました」という。

 「しかし,よくよく考えた末に,従業員の生活を守ることこそが,会社の目的であるということに思い至り」,作り上げた理念が「全従業員の物心両面の幸福を追求する」という京セラの経営理念だ。そして,「将来のことまで約束することはできないけれども,必ず皆さんが喜んでくれるようにするつもりだから,私を信用してくれ」と社員に伝えたという。

物心の「物」
 「物心両面の幸福」の中には「物」と「心」と二つある。物は給料などの待遇であり,労働の対価だ。生活水準の向上という社員の基本的ニーズは労働の根幹にかかわる考えだ。しかし,「物」は多ければよいが,限りがある。

 「物」は単純な労働の対価というものではない。その人の経歴,置かれている地位,家族の水準などいろいろな要素が入り交じっている。また,よい仕事に対する評価,結果という側面もある。

 タイガーウッズは最高のプレーをしたいと願い集中しているだろう。賞金はよいプレーの結果としてついてくる。ドラッカーは「仕事」と「仕事する」とは違うという。仕事は結果であり,仕事するとは人の行動や満足と切り離せない。

 稲盛氏は「物心」と一体的に表現し,「幸福」と表現されているのは「物」=「金」という拝金主義とは根本的に異なることを言いたいのだと思う。

物心の「心」
 当初「稲盛和夫の技術を世に問う」と創業目的を位置づけていた。しかし,「自分の技術者としての理想を捨てて」「全従業員の物心両面の幸福を追求することを経営の目的にしようと決意したのです。」

 会社は公器だ。経営者だけのものではない。社員みんな,さらには関わる人々のものだと言いたいのではないだろうか。社長は自分の我(当初の理念)を捨て,公器のために働くという決意が示されている。

 特に重要なのは「また,公器としての企業の責任を果たすために,『人類,社会の進歩発展に貢献すること』という一項加え経営理念にしました。」とのべ,組織が努力していきつく先を示すことで初めて物心両面の幸福が実現する。「金」のためだけに生きるなんてさみしいじゃないか。「物」は大切だが,それは達成の結果としてついてくるものだ。

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