菊竹清訓の建築

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オリジナルな建築家

ここまで6回にわたって記事にさせていただいた

建築家 菊竹清訓さん

すごく温厚そうなその風貌とは裏腹に

日本の建築界では狂気的なデザイン・思想で知られ

これまでで唯一、丹下氏と肩を並べた建築家であるとある雑誌で見たことがある。


それは数々の作品に込められた思いがデザインに非常に分かりやすく反映されそのたびごとに

多くの問題提起をし、その建築自身も問題となる(良くも悪くも)。

イメージ 1


それらのデザインは唯一無二。オリジナルである。

イメージ 2


もちろんどんな建築も同じものなんて存在しないが最近はやりの

無表情な建築とはかけ離れている。




じつは先日、卒業設計の審査に招かれ、学生の卒業設計を見せていただく機会を頂いた。

どれもプラン・レイアウトは素晴らしく良く出来ていたのだが、

どれも個性を感じられなかった。。。。

いわいる妹島風・SANAA風・石上風などなど(お分かりだと思いますがイメージはお任せします)

これはまるっきりのコピーでは?

と思うほどどれも同じに見えてならない。

約半数以上はこの類のもので

建築の存在感を抽象化しディテールを消したスタディ模型のままのような建築プランが目立った。


それらは建築計画が上手く盛り込まれていないものが多く

空間のみの提案に終わってしまい、動線計画などはあってないようなものばかり。

ガラス張りではない建築の

窓の配置はパラパラとランダムに配置されたものが多くこれも見たことあるSANAAのコピーなど・・・


これは今始まったことではないが理由はおそらく

簡単にそれなりにうまく見えるプランができることにあると思う。


実際のところ彼らの建築はディテールとの勝負で模型を作るように簡単にはいかない。

実現には大変な苦労がある。

学生が貴重な時間をたくさんかけて作り上げる卒業設計にしては

かけた時間ほどの収穫が薄いのではないかと思う。

こういうデザインならディテールの処理まで考え切れればかなり勉強になると思うが

ただ意匠をコピーしそのレイアウトや建築をどう曲げるかなどに終始してしまっている。

妹島さん達自身はオリジナルなのに

なんだかオリジナルでないように見えてしまっている。

プレゼンボードのレイアウト・見せ方よりも建築設計が主題であることが忘れられているように感じた。


そんなこんなをしていながらその大学の図書館で菊竹氏の作品集を手にした私は

すごく彼に惹かれたわけです。

狂気的なデザインの菊竹氏の建築がやけに愛嬌があり人間的に見えた。

それが彼に惹かれた理由のようです。



オリジナルを作り上げるのはすごく大変なことで学生にそれを求めるわけではないが

ちょっと行き過ぎじゃない?ということですね。


話はあちこちいきましたが

菊竹氏は紛れも無く

オリジナルな建築家である。

エキスポ

万博と言えば

やっぱり菊竹さん。

イメージ 1


大阪万博では丹下さんを筆頭に

メタボリズムグループは本領発揮といった形でかなり挑戦的なパビリオンを作りました。


万博終了後も菊竹さんのエキスポタワーはランドマークとして残されましたが

これも解体。残念です。

イメージ 2



立体トラスのシステムで作られ。広場の大屋根と同じく構造的に新しい試みだったものです。


時代は流れ、愛知万博ではメインプロデューサーとしてその手腕を発揮した菊竹さん。

有名なのは起伏の激しい会場をフラットにつなげた

グローバルループ

イメージ 3


これも単純な柱と床だけでなく終わりの無いループ。

そのデザインはどこか

菊竹さんの弟子・伊東さんの仙台メディアテークを思い起こさせる組柱と床。

イメージ 4




万博と言う夢の発表会に菊竹さんはピッタリな建築家です。

構想と計画

スカイハウスで一躍注目を集めた菊竹さんは

都市計画にも積極的に取り組みます

海上都市・塔状都市 1959年

これらは少ない国土と当時の人口増加を解消する都市計画として

海上都市

海上に出島でなく都市を作ってしまおうという計画で

この発表から実に16年後

沖縄海洋博でアクアポリスとして実現します。

さらに発表から40年後パリのポンピドーセンターの要請で

海上都市の模型とドローイングがコレクションに

加えられています。


塔状都市

少ない国土では都市は縦に伸びていくしかないという発想で

今の高層建築に通じるものがあります。


これらを建築誌に発表した翌年

メタボリズムグループを結成します。

いずれも当時は発想が現実離れしすぎていて実現は不可能と思われたに違いありませんが

当時の建築家たちはこういう都市計画案を続々発表していました。

磯崎さんの空中都市

黒川さんのへリックスシティ

当時の建築家の構想と計画はそれだけで作品集ができてしまうほど、真剣に計画されたものばかり。


そして菊竹さんの計画

樹上住居

樹のような高層マンションが連なり都市の森が構築されるという計画

長い年月を経て

これが実現したものが

【 ホテルソフィテル東京 1994年 】です。

イメージ 1


景観の問題でかなりの物議を巻きおこした問題作ですが

もしこれが連なって建設され一つの都市の森となったと考えると

すごく楽しくなりませんか?

建築家がいかに都市全体として建築を構想しているか良く分かると思います。


賛否両論ありますが

こんなに短命で解体されてしまったのは本当に寂しいことです。

構造技術の挑戦

今回も有名なところで

イメージ 1


1963年 出雲大社庁の舎(まだ行った事はありません)


この建築のすごいところといえば

40m以上のスパンを掛け渡したPS梁・それを支える柱。

構造から切り離された壁(今で言うカーテンウォール)

まだ様々な建設技術が発展途上だった当時

PC(プレキャストコンクリート:工場生産されたコンクリート部材)

PS(プレストレスコンクリート:PCを作る過程であらかじめ鉄筋に引張力を与えておき強度を増した部材)

これら工場生産されたコンクリート部材を組み立てる方法で作られています。

これは解体・組立ての循環を可能にするコンクリート建築としてメタボリズム思想にも当てはまります。

そして菊竹氏が日本の風土をイメージしたとされる稲を乾燥させる【稲掛け】をモチーフにデザインされた実に日本的なファサード。


出雲大社というとても歴史のある場所にこのデザインのコンクリート建築を建てた事もすごいですが、今となってはこれも溶け込んでいるところはさすが。

ここから菊竹さんの狂気的ともいえる構造技術の冒険・近未来デザイン・メタボリズムの実践が始まります。

この後発表されていく特異な建築に対する景観バッシングをもろともせず独自の世界観を作り上げた菊竹さん。

この建築が本当の意味でのデビューとなりました。

つづく・・・

柱と床と空間

【 柱は空間に場を与え、床は空間を規定する 】

先日の記事の続きです。


この理論が分かりやすく実現した建築がこれだと思います。

イメージ 1


いわずと知れた菊竹清訓氏の自邸、スカイハウスです。

1958年竣工(今から50年前の建築です)菊竹さん30歳の作品。


この頭書の理論はすごく日本的だと思います。

桂離宮のような日本建築は柱によって空間に場が与えられ、空間をさえぎるものは

柱と柱の間をつなぐ建具であり壁ではなかった。

一方西欧の建築は組積壁によって空間が規定され、床は土間が多い。

日本の場合壁が建具によって自在に可変する為、床によって空間が規定されているわけです。



このスカイハウス。

よく見ると素晴らしいディテールがたくさん詰まっていますし、この後始まったメタボリズムの思想も

存分に詰まっています。


まずはこの壁柱によって持ち上げられたスラブ、一般よりも高いピロティ(菊竹さんのピロティは高い)

その壁柱と梁・スラブの取合い。

さらにピロティとは対照的に低い天井・回廊(h=2000)

ゆるい勾配の屋根。

さらに屋内と回廊部分の連続性。



一見するとコテコテのモダニズム建築のように見えますが

よく見ると日本建築的な部分がたくさんあることに気付きます。


そしてメタボリズムな部分はというと

当時彼がムーブネットと名付けた、現在のシステムキッチン・ユニットバスが装備され

水廻り・子供部屋などは新陳代謝するように計画されています。

現在ではピロティ部分に増築がなされ計画通り新陳代謝し、

最初の画像のような特徴的なファサードは見ることができません。


イメージ 2



【 柱は空間に場を与え、床は空間を規定する 】

なるほど面白い人ですね。やはり巨匠です。


つづく・・・

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