全てはウシとチーズの為に…

農業大国フランスでスローライフを実現するのです!

ウシについて

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全2ページ

[1] [2]

[ 次のページ ]

温暖化はウシのせい?

イメージ 1

少し前の話になりますが、「ウシのゲップからメタンを減らすことの出来る飼料の開発に成功した」と言うニュースを耳にしました。
なんでも家畜牛たちのゲップが地球温暖化を促進しているとかで、その改善策をどこかの大学が研究した、とか言っていたと思います。

しかし、私は正直「おかしいんじゃない?」と思わずにいられませんでした。
まず一つ目として、牛海綿状脳症(狂牛病)であれほど人工的に加工して超自然なものを与える事への恐怖を味わったばかりなのに、懲りずに家畜への飼料に手を加えようと言うのが理解できない。
ウシが自然に摂取したモノを自然に消化した結果ゲップが出るのなら、その成分だって自然なモノ。
とある成分だけを自然な作用から減らす細工を外部から与えるなら、全くウシの体内にひずみが出ないと誰が言い切れるのだろう?

二つ目の疑問点は、注目点がずれているのではないか、ということ。
地球温暖化を引き起こし促進したのはウシたちですか?
もしウシのゲップが確かに地球温暖化を促進する一因を担っているとしても、じゃあ家畜ウシの頭数を地球環境に影響を与えるほど拡大したのは誰ですか?
我々はもっと根本的に効果的に見直せる因子が足元にいくらでもあるのではないでしょうか?
ウシたちに原因を押し付け、我々自身の不快感を与えかねない環境改善を後回しにするのはおかしいと思うのです。

私の職場には休憩室があります。
温暖な東海地方にいながらゴールデンウィーク前までは「寒い寒い」と設定温度を28℃にして暖房を炊いていました。
ところがゴールデンウィークが終わったと同時に、今度は「暑い暑い」と言って冷房をガンガンに動かしています。
個人が自分の環境への適応能力を甘やかして、環境が自分の感覚にピッタリ合うことを要求しているのです。
それでもウチの会社はISO14001取得済みの社会に認められた環境配慮型の製造業です。

どんな気持ちの良い陽気でも窓を締め切って走る車を、自転車に乗っているとよく見かけます。
エアコンを回せば回しただけ気温は上昇するしガソリンを多く消費することを知っているはずですが…。
このような車を運転している人たちは、一年中オートエアコンをオンにしていて外気が気持ちいいなんて考えることもないのでしょう。

日本国内だけでも120,000,000人が住んでいます。
そのそれぞれがいる部屋、乗っている車、乗っている電車、働いている職場、買い物中のデパートなど全ての場所でエアコンを回していたら、莫大なエネルギー消費と温暖化効率でしょう。
それだけ考えたって、ウシのゲップとすり替えて「アレはが悪因だ、まずアレからどうにかしよう」なんて本末転倒だし、焼け石に水でしょう。

「人がどうにかする」とか「他人のせいにしておけばよい」という問題じゃあない。
もっと本質に目を向けてメスを入れないといけないと思うんだけどなぁ。

開く トラックバック(1)

新展開

イメージ 1

1990年代を震撼させた狂牛病騒ぎが一つのピリオドを迎えようとしています。
1996年8月に全面禁止されたイギリス産肉牛並びに牛肉の、EU内での輸出再開が決定しました。
解禁まであと6週間ほどだそうです。

狂牛病は1982年にイギリスで初めて確認されましたが、以来10年以上にわたりイギリス政府は「人体への影響はない」として特別な対策もなく放置したことが、今日の騒ぎにまで発展してしまった大きな要因でした。
イギリス国内で狂牛病に感染したと診断されたウシは実に32,000頭を超え、また変異型クロイツフェルト=ヤコブ病の病原である可能性も高まり、1996年にイギリスは始めて狂牛病の人体への影響に「可能性がある」と発表したのでした。
その間に多くの変異型クロイツフェルト=ヤコブ病の発病者を出しました。

肉牛および牛肉の輸出はイギリス農業にとって重要な資金源の一つでした。
またこの病気の病原であると言われる肉骨粉は、「堵殺後の不要部位と家畜の屍骸の始末の手段」として狂牛病騒ぎの最中にもイギリスでは生産され続け、牛肉と肉牛の輸出が禁止された後もヨーロッパ中に平然と輸出さればら撒かれていたのでした。
そんな国内事情もあって英国政府はこれほどまでにお粗末な対応しかできず、おかげでEU中はおろか世界規模の騒ぎに発展させてしまったのです。

何十万という無関係のウシを巻き込んで殺し、沢山の牧場が一瞬にして経営の出来ない状態へと陥れられました。
また変異型クロイツフェルト=ヤコブ病に感染して既に亡くなった人々や、日々病に脳を犯され続け死を待つ人も沢山います。
病原である異常プリオンの体内での潜在期間が長いことから、これから発病し苦しむ人々も残念ながらきっといるはずです。
1980〜90年代辺りに英国滞在をしていた方には、日本では献血の権利がないと聞きます。
本当に大変な犠牲を生んだ悲劇でした。

最近アメリカで感染牛が見つかったことはまだ記憶に新しく、今回の輸出解禁は決してこの問題の終結を意味する訳じゃありません。
大切なのは拡大させないこと、確実に消滅へ向けて世界的努力を惜しまないことです。

10年間で築きあがった「イギリス牛なし」の市場に、信用もなく恐怖心すら抱かせるイギリス産牛肉並びに肉牛が入り込むことは大変難しいことでしょう。
輸出解禁だからと言って、農民たちの苦悩もまだ当分の間続くのです。

ウシ飼いの1年

イメージ 1

フランス=アルプス周辺のウシ飼いには、ちょっと特別な1年間の生活サイクルがあります。

普通のウシ飼いの家では、ウシの発情に合せていつでも受精をさせて、年間を通して子牛が生まれます。
こうすることで、搾乳・出荷量が一年中偏らないようにしているのです。
視点を変えると、彼らには一年間一日たりとも楽な日なんかないということ。

で、アルプスでは、というと?
彼らには受精シーズンがあります、乳量のピークがあります、そして出産シーズンがあります。

具体的には、寒くて外に放牧できない12月〜2月ころに全ての出産が終わるように調整しています。
私が暮らしていた牧場ではこの時期、40〜60頭ほどの子牛の出産を手伝っていました。
ウチは肉牛農家でしたから、子牛は秋口まで母親と一緒に暮らし、好き勝手に授乳させてました。

ウシは人間とほぼ同じく10ヶ月の妊娠期間があるので、2月〜3月は受精期間となります。
まだ牛舎にいればウシたちの発情は見つけやすいですが、放牧を始めた後でも彼女らを良く見ていると行動学的に発見できるのです。
日本では考えられませんが、メスの牛群にオスを一頭同居させる自然交配も普通にアリです。
それから数ヶ月間は牧場の近くで放牧させ、母ウシたちの受精状況や子牛の発育並びに健康状態などを監視します。

6月には生まれた子牛たちの選別が行われ、一部は売られていきます。
残ったウシとその子供たちは、彼女らの楽園、アルプスの山岳地帯へと運ばれ、放牧されます。
最低でも標高1,500m、2,500m級の高山地帯まで夏の間ストレスなく自由に移動し、自由に新鮮な高山植物を食べ、自由に寝るのです。
この独特な放牧形態は"Alpage(アルパージュ)"と呼ばれています。
なにしろ3〜4ヶ月間ただ放っておけば良いわけですから、ウシ飼いにとってはとても楽な時期です。
この間に牧草を刈れるだけ刈って乾草にし、冬に備えます。

山の秋は早いので、10月にはウシたちは下山し、子牛たちは母親と完全に分けられ、そして母ウシたちは次の出産に備えるのです。

これがフランス=アルプスのウシ飼いの一年。
次回は乳牛農家の生活をご紹介します、お楽しみに。

※ 目が光ってちょっと怖いですが、生まれた子供たちとその母ウシのおしり。ウシ好きにはもう天国です!

女王をご紹介

イメージ 1

イメージ 2

以前チラッとだけご紹介した女王について改めてお話しします。
彼女の名は"Valentine(ヴァランティヌ)"といいます。
この名前は「ヴァレンタイン」のフランス語版であるValentin(ヴァランタン)の女性版ですから、ちょうど今日は彼女にとって記念日です。

フランスのカレンダーには全ての日にキリスト教由来の聖人の名が割り振られていて、自分の名と同じ聖人の日を第二の誕生日のように扱う習慣があります。
2月14日はSt.Valentin(サン・ヴァランタン)という名の聖人の日で、「ヴァレンタインデー」の名はそこに由来するのです。

さて、このブログのプロフィールの画像にも使われているValentine。
人間が大好きで、まるで飼い犬のように遠くからでも我々の姿を見つけると駆け寄ってきて、撫でてもらったり我々の手をなめたりします。
彼女は"Herans(エランス)種"と呼ばれるスイス=アルプスのウシで、特徴はやや小ぶりながら体格がガッシリしていることと真っ黒であること。
この品種は乳牛としては乳量が少なく、肉牛としては小さな体のため効率がよくない。
そんな心優しくも中途半端な彼女がなぜ「女王」なのか。

実はValentineは女性たちの熱き戦い、闘牛の覇者なのです。
「闘牛なのになぜ『彼女』?」と疑問に思うかもしれません。
私の言う闘牛はスペインのそれとは全く別のモノで、戦うのは2頭のメスウシ同士だからです。

初対面のウシは本能的に頭をつき合わせて優劣を競います。
その習性を見世物にしたのが我々の闘牛であって、ウシをいかにジワジワと殺すかを美とするラテンのモノとは違います。
ちょうど相撲のような感じに力比べをし、逃げたら負け。
ウシたちも含め誰一人傷つきません。

戦うのはいつもメスだけです。
オスは気性が荒い上体格も1トンを越すのであまりに危険、興奮したらとても人間が取り押さえられるものではありません。
そのぶん迫力はありましょうが、けが人や死人が出かねないのでとても見世物には出来ません。

私の住んでいた村から、南に位置するGrenoble(グルノーブル)までの間にはChartreuse(シャルトルーズ)山塊があって、その山岳地帯の名物にしようと地域の農民が数年前からこのHerans種を積極的に育て、毎年数回闘牛大会を開いているのです。

我がValentineは地方大会である"Puisgros(ピュイグロ)大会"で女王に輝き、最も大きな大会である"St.Pierre de Chartreuse(サン・ピエール=ド=シャルトルーズ)大会"で2位という成績を修めたのです。

入賞ウシにはカウベルと飼料が副賞として寄与されます。
牧場には彼女が獲得したカウベルが誇らしげに飾ってありますが、St.Pierre de Chartreuse大会ではこの私が牧場の代表としてValentineを引いていたことから、「日本へのお土産に」と私に下さいました。

※ 日本に持ち帰った、ベルだけで20cmくらいあるカウベル。郵送料高かった…。
※ Puigros大会の風景、手前17番がValentineです。体格が違うでしょう?オジサンのTシャツや上の画像のバンダナはオフィシャルグッズ。

牛肉問題について

イメージ 1

アメリカからの輸入牛肉の中に、牛海綿状脳症に感染する可能性のある危険部位が混入していた事が発覚したのが今月20日。

当然それ以来アメリカからの輸入牛肉は一切日本の税関を通過できなくなった。
入国許可が出ない肉は、現在洋上にあるものも含めると実に2300トンにも及ぶという。
あまりに大きな数でピンとこないので、もう少し分かりやすい計算を。

ウシの体重は一頭大体900kgくらい。
頭部や背骨を含んだ危険部位・血液等の水分・不要部位の合計を全体重の40%と想定すると、枝肉として利用されるのは540kg。
2,300トンを540kgで割ると、答えは4,259頭である。

中川農相を始めとする農林水産省/厚生労働省の事前調査やアメリカの食肉加工業者の業務のずさんさが、実に4,000頭を越すウシを「ただ焼き殺す」結果を生んだ。

もちろんこの輸入業が商売である以上経済的に損得を考えるのも重要。
変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の根本的予防をおざなりにした政府にも十分責任を取ってもらいたいと思う。

でも一方でこの件でただ無駄死にに殺されたウシたちの事も少しは考えたい。
この2,300トンの中に一頭も感染したウシなんかいなかった可能性だって十分にある。
上記の計算はあくまで成牛の場合であって、全てが子牛なら頭数は飛躍的に上がる。
実際に見つかった問題の肉は子牛肉だった。

こんなことやってて良いのか?

全2ページ

[1] [2]

[ 次のページ ]


よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

CMで話題のふるさと納税サイトさとふる
毎日お礼品ランキング更新中!
2019年のふるさと納税は≪12/31まで≫
数量限定!イオンおまとめ企画
「無料お試しクーポン」か
「値引きクーポン」が必ず当たる!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事