ヤマオンナ珍道中

平成21年3月7日をもってブログを引越しました。下記記事参照の上今後ともよろしく☆

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2006.07.24〜26 京都八条口=小淵沢〜釜無川〜横岳峠〜鋸岳〜鹿の窓=(エスケープ)⇒I病院=京都

 7/24 自宅21:45⇒22:20京都駅八条口23:00⇒(高速バス車中泊)

 7/25 ⇒小淵沢ICバス停5:33→7:15釜無川出合7:30→8:25釜無川林道ゲート→9:50悪沢出合
    →11:25富士川源流分岐→12:45横岳峠→13:55鋸岳三角点14:05→14:50鋸岳第一高点
    →15時半頃 ルート外→17時半頃 二度の滑落→19時頃 正規ルート復帰→19:35周辺で幕営

    19:50 山岳会にメール送信、自宅へ現状を通話連絡
    19:55 119番通報にてレスキュー要請
    20:20 伊那消防署・長野県警と通話
     消防署より、長野県警と連絡とるよう指示がある。
     警察に歩行可能と連絡。搬送するなら北沢峠まで自力下山して欲しいとのこと。
    20:30 長野県警と通話
     上記連絡を受け、それなら自力下山・自力帰京すると連絡する。
     現在、北沢峠にバスが入ってないとお聞きする。
    20:35 自宅と通話
     北沢峠にバスが入らないため、戸台口下山予定と連絡する。
    20:50 電波状態が悪いため、夕食
    0:40 就寝

 7/26 4:30 自宅より着信
     山岳会側で長坂警察署にヘリ要請をしたとの連絡を受ける。
    4:35 長野県警より着信
     ヘリを飛ばすので、航空隊と直接連絡をとるよう指示を受ける。
    5:05 長野県警航空隊に連絡
     詳細場所と現地の気候状況を連絡。5時半フライト、6時現地入りとのこと。
    6:30 現地にて航空隊と合流
    6:45 離陸
    7:00 I病院へリポートへ着陸→救急外科搬送、処置と診察
    9:00 処置及び診察終了→救急室奥にて待機
    11:00 山岳会メンバーと合流→会計・処方
    11:30 I病院発、山岳会メンバーの車にて搬送
    16:45 自宅着

 小淵沢から既に小雨。タクシーを呼ぶつもりがつかまらない。すぐに雨は本降りに。歩いているうちに釜無川まで来てしまった。核心である稜線上での通過に時間を割きたいのでひたすら歩く。雨は強く降り続き、ゲートでは工事関係者が現在この地域に大雨注意報が出ているので待機中とのこと。
 ゲートから林道の終点まで500m毎に距離表示。工事が進んでいるようで本谷第六ダムまで林道が続いた。小淵沢からだと30km以上歩いたことになる。気がついたらすぐ上に鋸岳主稜線、ここまで独歩で来たんだ〜と実感。川沿いに建てられた工事用の新しい小屋を過ぎると登山道となり、斜面に向かう。
 ここから鋸岳三角点まで1000m以上の急登続き。高所への急坂に苦労しふらふらと登る。コルは目の前に見えるのになかなか着かず、最後はリードを見失いそのまま稜線まで上がりルート復帰。峠以降も樹林帯の急登が嫌という程続く。森林限界の高さはさすが南アルプス、鋸岳三角点も木々の中。三角点を過ぎるとハイマツ帯となり雨も止んで突然の大展望。これぞ南アだわ!稜線上の岩は強風で大部分が乾いていた。遠方は青空。これなら予定通り行けるぞと鋸岳第一高点に到着。少し広い山頂で数張可能、但し吹きっさらし。でも周辺に平坦地が全くないから張るならここしかない。
 以降は痩せ尾根の岩場とトラバースの連続。ジャンダルム周辺とルート状況は似ている。悪路とはいえマーキングはあるし落ちれば終わりだがルートそのものは悪くない。しかし小ギャップの通過はジャンダルム一帯の鎖場よりも厳しかった。ハング数箇所、足場ない上に何より岩質が悪すぎる。どれだけしっかりした岩を掴んでも右手の岩があっさり剥がれ、足場のない場所だったので、左手の鎖のみの支持となり数十センチずり落ちた。絶対鎖を離すかー!と非力な腕力で何とか止めたが、かなりヒヤリとした。
 小ギャップから暫くでポッカリ空いた鹿の窓が出現。窓の向こうには仙丈の山肌と林道。ロープが張ってあるが、ルンゼのザレ斜面のため特段使う必要なく突破。岩質もろいため全てプッシュホールドで抜ける。
【ルートミス】
 鹿の窓ルンゼ下降途中にトラバース気味に赤布とトレースを発見、そのまま右ルンゼ右岸側をトラバースで登り、最後はルンゼ中央を直登し、稜線(鹿窓〜第三高点間のコル)まで出る。ルンゼ中央部は全くルートっぽくなかったが、疑わずに登ってしまう。
【コルより東側ルンゼへの落下(1回目)】
 このコルより第三高点の巻きルートを探す。稜線東側の岩に残置ハーケンがあるが、足場なしのハング。ルートを間違えたかと思い資料を広げるが文面のみのため今ひとつわからない。突然リードが消えるのを不自然に思いつつ、巻けそうな場所まで稜線東側のザレのルンゼを下降する。しかしどこも岩が剥がれる上にハング気味。ここなら行けるかとトラバースするが、ホールドの岩が剥がれて落下(1回目)、2〜3回バウンドの後うつ伏せにずり落ちた為、手足で落下を止める。結局10m程度、雪渓最上部まで落下した。全身を打ち外傷をつくった。特に左足は血まみれになっていたが安全な場所まで移動するのが先決、岩もルンゼのザレも踏んでも掴んでもずり落ちる状態だった。なんとかコルまで這い上がり応急処置をする。手足の動作に支障はない。稜線東側からの突破ではないと確信し、登ってきた西側のルンゼを下降する。
【コル西側ルンゼからの落下(2回目)】
 改めてマーキングを探すが見当たらない。下降途中でトレースらしきものを発見、東側と比べると突破可能かと思われたためザレのルンゼを横断し岩に取り付く。やはり岩はもろい。巻くまで後数手と思われたトラバースで予期せずに落下(2回目)。ルンゼまでの高度だけで10m弱はあったと思う。4〜5回バウンドした後うつ伏せにずり落ちた為、手足で落下をとめる。計20m程度の落下。ようやく確実なマーキングのある地点まで戻ろうと決意。落下してきたザレのルンゼを登るが、左足を動かすと激痛。またまた全身を打ち外傷を負ったが、目立った所としては左腕が血まみれ、左肩の違和感、頭部・額右側が腫れて出血といったところ。先程同様踏んでも掴んでもずり落ちる状態だったので処置どころではなく、最初にトラバースしてきたトレースまで這い上がる。左足は内側に膝を入れると違和感と激痛があるため、左膝で登った。
【正規ルートへの復帰、幕営】
 身体を見回すとコンパスが割れて針が飛び、左手首につけていた時計はどこぞやに無くなり、ナイフは曲がり、デジカメは破損。左足が使い物にならないため、周辺でのビバーク及び翌日のエスケープを決意。周辺に平坦地がないためバックだと小ギャップを越える必要がある。では前進するための正規ルートはと見ればはるか下部に赤のマーキングをようやく発見。今まで四苦八苦していたルート外と比べると格段に良い(当たり前)。鹿の窓を登る気が起きず、左腕足を庇いながら正規ルートを進む。すると右手の草付きに何とか1張可能な平坦地を発見。崖途中のテラスだが囲むように木々が生えているので戸台川からの風の吹きさらしにもあわない。少々谷側に傾斜がありテントごと落ちればそれこそ戸台川まで真っ逆さま。ゴミが放置されていたため岩が割れる可能性は低いかと判断し幕営。外付のものがことごとく破損した中、ポールが折れていなかったのはラッキーだった。
 左膝の痛みがひどくテントに入るのに大苦労。入ったら今度は膝が動かせない。落ち着くと左肩・腕も痛くて伸ばしたり動かしたりできないことに気付く。身辺整理が済んだらまず明日エスケープの旨連絡。運よくテント内でも通話・メール可能だが、度々圏外になるため根気強く各方面と断続的に連絡をとる。結局、下れそうなので角兵衛沢からエスケープで一旦話が落着したため、明かりを点け怪我の処置をする。砂利が入っているが、もう1日ここで停滞する可能性があるので水は最小限に温存。出血だだ流れになっていたせいか、どれだけガスを炊いても寒くて身体が重く気分が悪い。喉も痛い気がする。夕食を作るが全く食が進まない。座ると左足からの出血が止まらないので、一旦寝て、再び起きては食べるといった事を2時間程繰り返した。その後深夜にテント外に出ようとして、左足が歩くどころではない事に気付き愕然とする。負傷直後は気が張って痛みを感じなかったのだろう。最大3日は停滞できると踏んで、翌日早朝に改めてレスキューを依頼しようかと考えて就寝した。

 痛みで寝起きを繰り返しているうちに、自宅からの着信で起床。ヘリ救助の話を聞き、詳細お話していないのに手配とって下さった判断に驚きと感謝で一杯。ヘリの到着までにテントを撤収の指示があったがそれだけで精一杯。空荷でも到底歩ける状態ではなかった。
 昨年秋の岳連遭対訓練を思い出し、出来るだけ目立つものをと黄色い袋のポール袋を振った。救助者が思うよりヘリからは認識されないらしいので根気強く振るが、木々が邪魔になる。木々の外に抜け崖の先端まで行ってようやく位置を確認して頂いた。ヘリ救助を生で見れるなんてそうそうないので(そうであって欲しい)、興味津々で一連の動作を見ていた。そのうちの1つとして、通常のカラビナはほとんどなく安環付を装着されていたこと。ザック、人の順にピックアップ。
 そのまま病院の救急室へ搬送され、あちこちの外傷を同時並行で簡易処置。痛いところはと聞かれるが、あちこち痛すぎて自分でもわからない。CTを10枚程とった後、創傷処置。傷の深い左足については、麻酔を打ち数針縫ってもらった。左足なんでこんなにぐらぐらするんだと思いながらも、それ以上に目の前の光景が現実だとは思い切れなくて呆然としていた。目を開けたらまだ鹿の窓ルンゼにいて、ひょっとしたら左足が上手く動いてしまったりして、今日はこんなにいい天気、やっと数年越し念願の初登頂、甲斐駒に行ける…って。

【事故原因】
.襦璽肇潺控擇咾修虜櫃梁弍のまずさ
 登山者が通り得ないようなトレース・トレースがなくなった時点でおかしいと思いつつ、そこで立ち止まって冷静になれなかったこと。ルート外の赤布・残置ハーケンにつられてしまったこと。もっと冷静にルートを探すべきだった。常識的に考えれば気付けるものが、冷静な判断を欠いていたとしか言いようがない。
 もし単独でなければ、無理な突破はせず冷静な判断をするメンバーがいた可能性は否定できない。
下調べ不足
 鋸岳核心部の地図を見ておきながら、印刷して持っていかなかった。実際、現地にて地図があれば危険なルート外を長時間うろうろする事はなかった。
8靴靴す堋の計画
 初日ながら歩行距離・高度ともにかなりのものであった。おまけに午前中の天候が悪く、心理的不安を抱えたままの前進だった。そのため、後半の核心部までに体力を消耗し時間的にもタイトになり、気が急いてしまった。
ぢ猟瓦良堋
 日々の走行で、両足裏アーチを傷めたまま入山した。つま先で立てない状態だったので、厳しいスタンスに乗る際左右された部分があると考える。

 山岳会及びその他各方面の皆様には本当にご心配をおかけしてしまいました。…でもやっぱり山は素敵ですね、判断を誤った登山者にはちゃあんと天罰を与えてくれるんですから。とんでもないルートミスの代償にと手痛い目に合わせて。でも命まではとらんから、来年までにしっかり技術と経験積んでまた出直して来い、って。それならばぜひそうしようと思った。

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ご無事で何よりです。山は素敵ですがやはり怖いものですね。救助されたのも冷静な判断があったからこそ。しばらくは無理されず、回復に努めてください。

2006/8/6(日) 午後 11:42 たまたろう

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おかえりなさい。骨折がなかったようで良かったですね。 また行かれるんですね〜きっと。慎重に楽しんでください。

2006/8/7(月) 午前 1:48 [ fujibayashi ]

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山が好きなんですね!命が残った事は良かったです。だけど単独行のリスク大きいです。今回のこと分析してますね。いつか準備をしっかりして、柔軟な考えを持って再挑戦してください。ザックがクッションとなり?携帯だけは破損しなかったこと、ほんと幸運でしたね。

2006/8/7(月) 午前 1:51 [ tra*l_*nspi*e ]

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山を知らない僕には映画かドラマの話のようです!でもご無事で何よりです♪

2006/8/7(月) 午後 0:11 ☆役のごるご108☆

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心にゆとりがなく、体力にも自信があったりすると、冷静な判断を鈍らせその危険性は上がりますよね。特に単独行では、長時間集中力を保ち続けることは不可能に近いと思います。自分は低山専門なのですが、やはり軽い滑落は何度かしてます。どうなのでしょう?神経質になり過ぎる方が、よいのでしょうか、難しく私には分からないです。元気に復活される事を願っています。

2006/8/8(火) 午前 0:41 [ tra*l_*nspi*e ]

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はじめまして。 11月に鋸に行く予定なので、参考にと思いブログ拝見しました。 なんかビビッてきちゃいましたよ。見なきゃよかった、な〜んて、嘘ですよ。しかし、ミスは犯しても、その後の対処はさすがと思いました。見習わなくては。これからもお互いイッパイ山登りましょうね!! http://blog.livedoor.jp/licca1966/

2006/10/24(火) 午後 2:05 lic*a19**41

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皆様、本当に温かいお言葉ありがとうございます…!今後の良い教訓になります。ほんとは、こんな事になる前に気付かなきゃいけないんですけどね。

2006/11/14(火) 午後 4:02 [ やまおんな ]

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DTです トラックバックの本人ですが、鋸岳は冬狙っていました。 なので検索で当たってビックリ。 2005年2月に尾勝谷塩沢右俣アイスの帰りこの山見てカッコえーなーと。 私はまたもや入院(凍傷)リハやってます(懲りない。・・) 言える柄じゃないですがご自愛のほどを(笑・)

2006/12/9(土) 午後 5:14 [ iceman ]

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