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産婦人科医をやっていると
どうしても避けて通れないのが
人工妊娠中絶手術です。
統計的にいくと
5回の妊娠につき1〜2回程度
自然流産か人工中絶かという確立ですから、
せっかく生命を与えられながら生まれてくることのできない命が
案外多いんだなぁ〜といつも思います。
そう思うと、生まれてきた自分の子供くらい
最後まで責任持たないとね・・・・・・・
話は変わりまして・・・・
先日、中絶手術を希望する10代の女性が
お母様と一緒に来院されました。
一度は産むつもりで受診していたのですが、
次回来院の指示から2ヶ月くらい遅れて来られていたので
途中いろいろあって、最後のところは
「やっぱり産めない」という結論になったのでしょう。
何らかの事情はあるんでしょうが、
この2ヶ月の間に子宮の中で大きな変化が起こっています。
最初は、子宮の中にちいちゃな袋がポチッと見えただけ。
まだ心拍も見えるか見えないか・・という大きさだったのが、
2ヶ月の間に人間の形をした生き物が10㌢を超える大きさになって
元気に動くようになっているのですよ〜
今回の話題になっている彼女は
すでに14週を迎えていました。
初期の中絶手術は完全に無理な週数です。
そのことを伝えると、
お母様は「14週というと2ヶ月くらいですか?」とおっしゃる。
一瞬、どう説明してよいのか戸惑いました。
いや・・・・・あの・・・・・
1ヶ月はだいたい4週ですから
すでに4ヶ月に入っていますね。
4ヶ月の半ばくらいです。
と、当たり前の説明しかできませんでしたが、
お母様をビックリさせるのには十分だったようです。
あらぁ〜〜〜ずいぶん大きいのね〜
かなり驚かれてしまいました。
出産の経験があるのに
2ヶ月放っておいたらどうなるかくらい
予想ができなかったのかなぁ・・・・・・
大きくなっているので、
中期中絶という形式での手術になり、
2泊か3泊の入院が必要になって、
都内だと出産するのと同じくらいの費用がかかります
ということを一通り説明すると、お母様は
「ちょっと〜産めるように考えた方がいいんじゃない?」
と、手のひら返したように180度方向転換を・・・・・・・
だったら、最初からその方向で考えてくださいよ。
命あるものですから
あまり軽く考えないでくださいね。
口には出しませんでしたが、
心の中でボソボソつぶやいてしまいました。
それにしても、
14週を2ヶ月と考えるのはどんな思考回路なんでしょう?
小学生でもわかりそうな単純な計算なんですがねぇ〜。
やっぱり、小学校卒業程度の学力は生きていくのに
最低限必要なのだと実感した出来事でした。
それと、
14週って言うと大きさがいまいちわからないのに
4ヶ月って言うと即座に分かるあたり、
時代の違いも感じました〜
結局どうなったのかなぁ。
結末を知る機会はあまり与えられないのです。
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