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婦人科の町医者をやっていてふと思うこと。
来院する中で本当に病気を持っている人は一握り
ということ。
たぶん、この感覚はどこの科でも同じでしょうね。
大半の人は何かしら不安を覚える症状があって、
インターネットで検索してみたらさらに不安になったと言います。
不安になったことは調べるべきなのですが、
誰が書いたかわからない情報で更に不安になるのは
どうなのかなぁ? と思います。
時には全然違う方向に自己診断して
いくら説明しても方向の修正が難しいケースもあって、
対応に苦慮することもあります。
婦人科では性病の検査もよく行いますが、
皆さんは 性病 と聞いて何を思い浮かべますか?
若い世代だと クラミジア と思う人が圧倒的に多いようです。
性病の検査で検体数が一番多いのもこれです。
輸血での感染が報道された後には
HIV の検査を希望する人が多くなりました。
中には
HIV感染者と接触があったという人もいたりして、
日本でもHIVは広がっているのだなと実感します。
性病にもいろいろなものがありますが、
最も感染率が高いのはおそらく HPV でしょう。
初めて HPV を目にした人のために・・・・・
Human(ヒト)
Papiloma(パピローマ)
Virus(ウイルス)
という名前のウイルスの頭文字をとったのが HPV
一生涯の間に女性の約80%が感染すると言われています。
かなりポピュラーな感染症と思われますが、
感染しても特に自覚症状はないため
感染したときも気が付かないし、
いつの間にか治っていることにも気が付きません。
そのようなウイルスなのですが、
ある発見から一躍注目を浴びるようになりました。
なんとこのウイルスの感染が
子宮頸がんの原因になっているのです。
ですが、ちょっと不思議に思いませんか?
感染率がこれだけ高いのに、
どうして癌になる人とならない人がいるの?
それは、
このウイルスには100種類以上の型があって、
その中のごく一部に発癌性があるからなのです。
発癌性のある種類のものはハイリスクと呼ばれていますが、
実はこのハイリスクのものに感染していても
すべての人が発癌するわけではありません。
このウイルスはとても特殊な感染の仕方をするために
うまく免疫監視機構をくぐり抜けてしまうことがあって、
感染の期間が何年にも及ぶと癌が発生すると言われています。
つまり、大半の人はウイルスに対して抗体を作ることができて
自力で撃退することができるというわけです。
うまく撃退できないまま感染が長期に続くと
癌が発生するという仕組みです。
では、こんな危険なウイルスが
どうやって感染するんでしょう?
普通に日常生活を送っていて感染することはまずありません。
感染経路はほぼ100%性行為によるものとされています。
つまりHPV感染は立派な性病で、
しかも悪くすると命にかかわる危険な感染症です。
HPVと子宮頸がんの関連性は
ワクチンの普及とともに広く知られるようになりましたが、
性病としてのイメージは薄いようです。
時々、HPVの検査をしたいと来院する方もいますが、
実は保険診療の中では
いきなりHPVの検査をすることができません。
不安に思った方はまず子宮頸がんの検査を受けてくださいね。
その結果によりHPVの検査が必要かどうかを医師が判断します。
子宮頸がんの検査を受けて
異常なし の結果であれば
HPV はいなかったと考えて良いです。
でも、どうしても不安。HPVを調べたい!
という方は、検体を郵送することにより検査できる業者がありますので
自己採取で調べてみるか、
あるいは自費診療で調べてもらうかのいずれかになります。
HPVは静かに感染する印象のウイルスですが、
HIVよりもはるかに感染率は高いので
女性にとっては最も危険な性病です。
不安に思った方は是非がん検診を受けてくださいね。
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2014年01月30日
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