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市民が図書館員になる日

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  鳥取大学国際交流委員会の援助と医学部及び附属図書館からの派遣で,平成6年10月3日から10日までイタリアの図書館を視察の機会を得た。渡伊の目的は主に大学図書館の施設を視察し,図書館員と意見を交換すること,現在は交流の浅いイタリアの図書館ともっと親交を深めることにあった。
  拙いイタリア語と,時にブロークンな英語力をもっては相手の考えも充分に理解していないかもしれないし,私の意図も思い通りに伝わっていないかもしれない。それを承知の上で見聞の一部を書きつらねたい。
出発日  (1994.10.2)関西空港出発前の緊張感
 初めての海外旅行,しかも独り旅でいささかの不安がないと言えば嘘になる。南海難波駅のCATサービスカウンターへ行った。ここで搭乗手続きを全てしてくれる,このままロンドン経由でミラノまで無事に着くのだろうか。身軽になって南海線特急ラピートβに乗る。満席だがJRより安いし快適だ。空港に着いて,文庫本を3冊買うともう時間がないので,使用料を払い「出国手続き」を済ませ47番ゲートへ慌ただしく向かう。
 11時20分搭乗開始。席はエコノミークラスJL421-68K「禁煙席」の窓際だ。期待と心細さを抱きながら新関西空港を飛び立った。(8時間遅れのロンドン時間に直す。)
 周囲はほとんど日本人で,僕を除けば皆旅慣れた様子に見える。隣の男性は建築関係の通訳・翻訳家でイギリスに行くという。英文のデザイン雑誌を読んでいた。僕は宮本輝「真夏の犬」の文庫本を取り出した。空港で慌ただしく買い込んだ3冊のうちの1冊だ。大事にゆっくりと読まないと帰りには読む物がなくなってしまう。
 (2時間後?)アナウンスで「今ロシア上空」だの教えてくれる。雲の切れ目から川が見える。どこまで行っても日が暮れない。西に向かっているから当り前か。2度の食事(機内食は魚料理の日本食だけが食えた。ビールと水割をおかわりするのがちょっと恥ずかしかったね。)や居眠り(窮屈な座席では睡眠にはならない)で13時間があっという間に過ぎた。(時計は5時間進んだだけ)蛇行するテームズ川らしきもの,落ち着いた住宅街を見下ろしていると小雨煙るロンドンのヒースロー空港に到着だ。あれだけ飛行機を怖がっていたのが嘘見たいに少しも恐怖感がなく,むしろ快適そのものだった。
 降りるとそこはすべて横文字の世界だ。日本の団体さんは出口へ,トランジット・ゲートを通り抜ける日本人は僕だけだ。ボデイチェックを受けることもなくパスした(これは当然,オフィシャル・パスポートだから)。
 2時間の後,British Airawaysに乗り換えた。機種は判らないがJALのジャンボ機に比べて貧相この上もない。エンジン音はうるさいし,主翼が震えていて,大丈夫かいなとどうにも落ち着かない。内部の塗装も色褪せている。やがてイタリア語と英語の解説でスチュワーデスが救命胴衣の着けの実演を始めた。その仕草が何だか照れ臭そうに見えたのはぼくの気のせいかな。そういえばJALではビデオで見せてくれたんだ。
 そんな心配をよそに夕暮れの滑走路を無事に飛び立った。隣は若い男女。早速に食事が来た。二人はムシャムシャ食べてるが僕はワインとハムに手を付けただけだ。さすがの僕も14時間に3食は多すぎる。すると待ち構えていたかのように男のほうが話しかけてきた。英語で「日本人か?どこへ行くのだ?」と尋ねる。日本の大学図書館員でイタリアの大学図書館を訪問するところだ,と答えた。すると自分たちはミラノに住むイタリア人(彼の名はラファエリ君)でスコットランドへのハネムーンの帰りだという。そこでこれはチャンス到来,イタリア語の練習にもってこいではないか。「努めてイタリア語を話したい。」で僕が生まれて初めて本物のイタリア人とイタリア語を話すことになった。分からない言葉には「分からない」とハッキリ言う。すると優しいイタリア人の彼はゆっくりと繰り返し,理解できない言葉は英語に変えてくれた。
 話題はスチュワーデスの品定めから(彼曰く,イギリス人スチュワーデスは評判が悪い)日本の給与はどうだ?日本の平均賃金をリラの換算を誤ってはいけないので「円」で30万円と答えておいたが,正しかったかどうか,心もとない。こんな常識はいつでも答えられるようにわきまえておかなければならない。空港には家内の兄弟が車で迎えに来ている。乗せてやりたいが荷物が多いので,としきりに恐縮する。こちらが断わるのに必死になった。最後に彼は「(公衆の面前で)財布を見せてはいけない」の注意をくれた。これを忘れたために大変な目にあうがそれは後ほど。(1994記)

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