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猫物語

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猫物語 最終章

 今日から2月。

 投票の結論を書く時期になりました。
「子育ては、本能か」という投票に参加された方、ありがとうございます。

答えは、3です。

 おそらく、どちらかというと本能的な行動と思われている方が多くあるように思いましたが、おそらく、両者のうち、多くは学習の結果ということをお伝えしたい。
 前回のレーマンの実験のように、一見赤ん坊を育てる行動は、本能的な行動ですが、そのほとんどは、実は、学習の結果だということです。
 キュウちゃんが、半年ほどでぺロぺロ舐めまわして、赤ちゃんを育てた行動は、まちがいなくキュウちゃんが、その親からされてきたのです。
 人間は、記憶を言語の体系化された形で引き出すと思いがちです。しかし、記憶とはあらゆる形で、引き出しに納められています。言語化されて映像化されたものはもちろんのこと、臭いや色や感触で、記憶されます。そうしたあらゆる記憶を引き出して、教えられたように行動を起こすのです。

 親というのは、赤ちゃんにとってすごい存在ということです。
 特に母親は。

みなさん、本当にありがとうございました。
また次のテーマを探します。

 子育ては、本能か学習の結果か、というテーマで、猫物語が等々最終の章に入ってきた。
 この問題を実験した学者がいる。
 レーマンという動物生態学者である。
 レーマンは、自然のままで、子育てが本能的な行動であるかどうかを調べようとした。
 ハトといういのは、クークー鳴きながら、道端で首から胸のあたりを膨らませているのがある。あれは、求愛のサインでもあるらしいが、レーマンの観察したジュズカケバトというのは、子育ての時に胸の周りを膨らませる。そこには、砂嚢(さのう)というものがあって、そこを刺激すると、ミルクが出てくる。それを砂嚢ミルクというのだが、ハトの赤ちゃんがそれを飲んで育つのだ。
 ジュズカケバトの赤ちゃんは、餌がほしくて、親バトの口の中に顔を突っ込んで、のど元を刺激する。そうすると、それに刺激されて、サノウというところからミルクが出始める。胸のあたりが膨らんでくるのはそのためだ。
 このミルクは、ハトは哺乳類ではないから、人間のようなお乳ではないが、栄養分の混じった、子育てに適したものだ。
 レーマンは、どのジュズカケバトも、このサノウミルクを与える行為をするのかという実験をして、子育てが本能の結果か、学習の結果かを調べようとした。
 そこで、レーマンは、ジュズカケバトを二つの群に分けた。
 一つは赤ちゃんの時に親バトには一切育てもらわない群、もう一つは、自然のまま親バトに育ててもらった群。
 つまり、親に育ててもらった群のハトは、親ののど元に首を突っ込んでサノウミルクをもらう経験をするが、もう一方はそれが全くない。
 その二つの群のハトが、自分が親になった時、サノウミルクを作って子育てをするかどうかを観察した。
 親に育ててもらった鳩もそうでない鳩も、自分が親になった時に、サノウミルクを作って子育てをしたら、動物の子育ては、本能の結果ということになる。
 親に育ててもらったことのない鳩だけが、サノウミルクを作ることができなかったら、鳩の子育ては、生まれてから後の学習の結果ということになる。
 その結果、驚くことに、親に育ててもらう経験のない鳩は、例外なく、サノウミルクを作って育てることをしなかった。
 こうして見ると、鳩の子育ては、生まれてから覚えることになる。子育てというのは、本能ではなく、学習の結果だということになる。

動物病院に行くと、先生が、
「お母さん、キュウちゃん、何匹の猫うみましたか」
 病院に着いても、ぐったりした猫が心配で、ママは人前をはばからず、涙をぼろぼろだしていた。
「4匹です」
「それで、家の方でちゃんと餌をやってくれてますか」
「餌って、キュウちゃんがくれてましたけど」
「お母さん、猫はね、せいぜい一匹か二匹しか育てられませんよ。四匹も、こ の小さな猫が育てられるなんて、どだい無理です」
 先生にさんざん叱られて、ママはキュウちゃんを寝台にさしだした。
 先生は、検査や診察をして
「子宮が滅茶滅茶ですね」と、言った。
「このままでは、キュウちゃんがもちません。子宮の摘出手術をするしかない ですが、どうしますか」
 キュウちゃんの命をそれで守れるならということで、キュウちゃんは手術室に入った。その日、5万円ほどの手術料を払って、オペ後は入院となった。
 この話を、仕事から帰ってきた私に話してくれたママは、
「動物病院の先生も先生よね」と、言うのである。
「どうして」
「だって、猫が4匹も一人では育てられないというのなら、初めからそう教え てくれればよいのに」
「え、そんなこと聞いてなかったのか」
「先生はね、最初は、親が育てるから、後で家の人が手を貸してあげてくださ い、とは言ってたわ。それで、乳離れする頃になったら、私たちで餌をやろ うと思っていた。初めから人間が手助けしなさいなんて、一言もいわなかっ た。わかっていればこんなんことにならなかったのに」
 キュウちゃんの親代わりになったママの手には、子猫が人工乳を吸えるようなスポイトが握られていた。それで少しずつミルクを与える。猫専用の人工乳を購入したが、溶解度が悪く、人間の人工乳を買ってきて、それを与えていた。
 ママや子どもたちの差し出すスポイトを、子猫たちはうまそうに吸いついていた。
 次の日病院に行くと、やや元気を取り戻したキュウちゃんがいた。
 早い処置のおかげで、キュウちゃんの命は助かった。
 二日ほど入院して、後は通院、毎日一本1万円の注射を二十日間続けた。
 キュウちゃんの子どもたちにとっては、最も信頼すべき親から離れて生きなくてはならなくなった。
 ミイコはこれ幸いと、自分の気に入った子猫を連れ出しては、別室でペロペロとなめていた。

猫物語 夜中の怪

 野良猫は養育環境が劣悪のため、何匹かの猫のうち、気にいった猫だけを選択して育てるそうである。その数せいぜい2匹。だから、幾匹かの猫のうち、その二匹だけが体が大きく育つので、選ばれた猫がわかる。
 キュウちゃんは、どの猫も同じような体で成長しているので、公平に、おっぱいをあげ、公平にペロペロ愛撫を与え、公平にかわいがったのがわかる。
 子猫たちがまだ乳離れをしてないある真夜中のことである。
 私は、ベッドに仰向けで寝ていると、なにか気配がして、目が覚めた。
 寝室の暗闇の中に、黒い影がボート見える。その黒い塊が、すすり泣くような声を出して、揺れ動いている。私は起きぬけで頭が鮮明になっていないので、状況が理解できていない。何かが私の横にいる。そして、確かに、泣いているいのだ。
「おい、どうしたんだ」
 ベッドの横で泣いているのは、ママであった。
「なにか、あったのか」
 こんな夜中に泣いているなんて、田舎に急なことが起こったに違いない。電話の音には気付かなかったが、だれかが亡くなったんだろう。しかし、私の方はすでに両親とも他界してるし、ママさんの母親は、私の家に住んでいる。だとしたら私の兄弟?
「おい、どうしたんだ」
 この言葉に、ママさんは急に大きな声で泣き始めた。
「キュウちゃんが、キュウちゃんが、死んじゃうよ」
 ママの腕の中には、ぐったりとしたキュウちゃんが、抱きかかえられていた。
「私をね、ペロッと舐める猫がいて、目が覚めたの。そしたらキュウちゃんが私の横にぐったりして・・・・」
 キュウちゃんの異変に気が動転しているママは、その後の言葉が続かない。いつもはピンク色にぬれている鼻の頭が、すっかり乾いて、血色が全くない。体をぐったりと横たえたまま、ママの腕に抱かれている。
 キュウちゃんに何かあったのだ。
「今は動きようがないのだから、朝一番で動物病院に連れていくしかないよ」
 ママは、その言葉にしたがって、キュウちゃんを抱きながら、朝の来るのを待った。
 当時通勤に二時間余かけていた私は、そのままぐっすり寝込んでしまった。 キュウちゃんの居た押し入れは、和室で、その間に、居間があり、ドアーをはさんで、洋室、その前を通って、私たちの寝室がある。キュウちゃんのすぐ隣の北側の部屋やもう一つ隣の息子らの部屋の方がはるかに近いのに、助けてくれるのはママだということがわかっていたらしい。よたよたの体で、ようやくママの傍に来たのである。
 朝が明けて、キュウちゃんは病院に運ばれた。

 キュウちゃんは、どの猫も区別することなく、公平に育てた。だから、どの子猫も同じような大きさで育った。キュウちゃんの上げた足の間に挟まって、4匹の猫は、キュウちゃんの乳にかぶりついていた。
 これを邪魔する猫がいた。
 ミイコである。
 ミイコはキュウちゃんの目を盗んでは、子猫を一匹自分の犯されない空間に連れて行ってしまうのだ。
 ミイコも雌猫、だから、子猫がかわいいのである。
 キュウちゃんに邪魔されないように、別室に運んでペロペロなめている。
 キュウちゃんは、ミイコが舐めまわして飽きた頃を見計らって、こっそり取り返す。しばらくすると、またミイコがやってきて、赤ちゃんを奪って行く。 そんな繰り返しで、多少キュウちゃんも疲労を感じていったかもしれない。
「もうミイコ、キュウちゃんの赤ちゃん返してあげなさい!」
と、ママさんは叱っていたが、ミイコがママの叱責で、子猫さらいをやめる様子は全くなかった。
 これに対して、キュウちゃんは、その場で怒るということもなく、ミイコの隙を狙って奪い返すだけである。子猫の首をくわえて、そっと、自分の子育て空間の押し入れに戻す。
 ミイコも雌猫で、赤ちゃんを育てる母親でありたいと思ったのだろう。ブサイクチロの恋人になるようなへりくだりはしない気位の高い猫だから、自分では産めない。しかし、どこかに、雌の気性を持っていて、かわいくてしかたなかったのだ。
 キュウちゃんが、押し入れに移動したのは、子猫の視覚的問題に加えて、押し入れという空間が、比較的子どもを保護する安全地帯であったかもしれない。
 とにかく、4匹の赤ちゃんを自分一人で育てねばならない人間でいえば思春期くらいのキュウちゃんにとって、子育てはそれこそ命がけだったに違いない。
 寝食を忘れるかのように、時間があれば子猫に寄り添い、子育てを続けた。 キュウちゃんのおっぱいにかぶりついている子猫が、乳を飲みやすいように片足を上げたままにして、空腹を感じた時は、傍らにある餌を食べていた。
この様子を見ていた私は、キュウちゃんに脱帽。しかし・・・

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