歩んだ道と歩む道

さてと、DOする??(´・ω・`)

BLADERS小説

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自作オリジナルストーリー小説です
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着いて早々目に入ったのは、入り口付近の広場にあった飲み水が湧き出ている噴水だった。

ディンは疾風の如く速さで噴水へと走って行き、側に鎖で繋がれていたブリキのコップを使って水を飲んだ

「水うめぇ!俺生きてるんだよな!?な!!」

「ああ、間違いなく生きてるよ、俺にも一杯くれ」

と言って手を差し出した俺に対して、ディンは空のコップを渡してきた

「おい、お前だけずるいだろ」

「こういう事は自分でやるべきだぜぇ、マジ半端ないから」

何がだよ・・・

そう思いながら水をくみ、飲んだ

「・・・驚いたな・・・水ってこんなに美味しかったのか」

本当に驚いた、ちょっとした感想を覚えたくらいだ

「それにしても妙だなぁ」

「何がだ?」

「こんな砂漠の街に、どうしてわき水なんかあるんだ?それにすげぇ栄えてるみたいだし」

「・・・お前、本気で言ってるのか?」

「え?だって砂漠のど真ん中にあるだろ?この街」

「ここは港街だぞ」

「はぁ?んじゃあ船で・・・あ・・・」

最初に言ったとおり、砂漠の街ビスタードは砂漠と海に挟まれている、それだけでなくこのビスタードは大陸同士を繋ぐ大事な街だ

その大きな理由の一つに、ビスタードがある大陸“ディザートナイツ”には空港がない

作れば良いと言えば簡単だが、それが出来たらとっくに存在している

ディザートナイツは大陸の80%が砂漠、または険しい山だ

その中には世界遺産として定められている、ディスカバリーポイントが多く点在する

コレを聞いて察して貰えるように、下手に大掛かりな物が作れない

それなのに街が栄えてる理由は、街の場所と成り立ちだ

この街は他国との需要と供給を最も大事とする、その為各国から貨物船が多く

港の市場は昼でも夜でも賑やかだ

「坊や達、ビスタードは初めてかい?」

話しかけてきたのは、噴水近くでオリーブオイルを売っていた人なつっこそうなおばさんだった

女性に対して失礼で適切ではない言葉だと思うけど、逞しい印象を見受けられる

「はい、仕事で来たんです」

そう言った俺の顔を見て、彼女は不思議そうにこう言った

「仕事?そんなに若いのに、いったい何の仕事だい?」

「僕達、BLADER志願候補生なんです」

「ああ!アカデミー生かい!懐かしいねぇ」

彼女は暖かい眼差しで俺とディンを交互に見た

「あの、懐かしいって?」

ディンが訪ねると、彼女は思い出し笑いを交えて答えた

「3年前だったかね、坊や達くらいの歳の東洋人が二人、仕事だって言って来た事があってね、その子達もアカデミー生だったのよ」

3年前に東洋人二人?まさか

「おばさん、その東洋人って、神羅人と日出人じゃ?」

俺の問いかけにおばさんは驚いていた

「ええ、そうよ、知ってるのかい?」

「おい優樹、3年前に候補生だった日出人って」

「ああ・・・」

胸が引き裂かれそうだったのと同時に、思いがけない所で出会えた嬉しい事実でもあった

兄さんもこの街に来ていたんだ

「坊や達、泊まるとこあるのかい?」

「いや、まだ着いたばっかで決まってないんだ、おばちゃんどっか良い宿屋知らない?」

「だったら家においで、色々と話を聞かせておくれよ」

おばさんはまた人なつっこい笑顔で招いてくれた、とりあえず今日の宿は確保だ

「どうもありがとうございます。けど俺たち、これから依頼人の元に向かうので、後程伺わせていただきます」

そう言い終えた瞬間、おばさんは大きな声で笑い出した

何か変な事、俺言ったか?

「いやぁ面白いねぇ、BLADERってのはみんなそうなのかい?」

お腹をおさえ、笑い泣きで出た涙を拭きながら、不思議そうに見つめていた俺たちにそう聞いてきた

「いやね、おんなじだなぁって思ってさ、3年前来た候補生の子達も、まずは依頼人に挨拶してからまた来ますって」

同じと言われた

兄さんも、同じ事したんだな

・・・やばい・・・これはかなり恥ずかしい・・・

「たぶん、みんな一緒だよ、割と真面目な人間ばっかりだから。それじゃおばちゃん、俺達ちゃちゃっと行ってちゃちゃっと戻ってくるから」

「ああ良いよ、あたしは日が落ちるまでここにいるから、もしいなかったら“アルタイル”って酒場があるから、そっちにおいで、ビスタード名物サボテンステーキをご馳走するよ」

サボテンステーキ・・・

「おい!聞いたか?優樹、サボテンステーキだってよ!言ったろ?ほんとにあるんだって!」

こいつの言う事だからただの戯れ言かと思っていたが、まさか本当に実在するとは・・・

俺は軽く頭を抱えながら、世の中の計り知れない馬鹿さ加減と侮っちゃならない思う気持ちからこみ上げる笑いを堪えていた

「それじゃあおばさん、また後で、楽しみにしてます」

少し気持ちを落ち着かせてそう言った俺は

とは言っても、まだにやけていたと思うが

軽く手を振りながらそのまま後ろに2歩下がり、その場から少しずつ離れた

1秒遅れで、ディンも俺の後に続いた

「大丈夫か?お前」

心配そうにディンは俺に尋ねてきた

「なにが?」

「その・・・お前の兄さんの話」

「ああ、それか」

ディンが心配してくれてる理由は、俺の兄さんの話が出たからだ

俺は気が付かなかったんだけど、ある時期、俺は兄さんの話を聞いた時の俺は、どうやらいつもと違うらしい

悲しい顔をしていたり、気がつくと涙がこぼれていたり、情緒不安定ってのはこういう事を言うんだろうな

だけど、いつまでもそうじゃない、だから今は

「大丈夫だ、あの時とは違って、今の俺は兄さんと同じ轍の上に立ってる」

「そうか、なんだよ、俺お節介みたいじゃんか」

そう言ってディンは軽くふてくされた振りをして、快晴の空に浮かぶ太陽を眩しそうに覗いた

俺はそれが少し可笑しくて、少し笑った

「お前は常に十分お節介だよ、大根役者が」

「うるせぇ、だったら慣れないこと俺にさせんな」

言葉とは裏腹に、ディンはニカリと笑って返した、だがすぐに表情を厳しくする

「けど一つ訂正しろ」

「?」

理解出来てない俺の肩を掴み、ディンは俺を睨みつける

「さっき言った言葉だ」

「何をだよ」

「同じ轍じゃない」

「は?」

「同じ土俵でも、同じ轍は踏んでない、そう言ってるんだ」

「ちょ、おい」

「お前はお前の兄貴と同じとこに行きたいのか?その為にここにいるのか?」

「それは違う」

「なら訂正しろ」

肩から胸ぐらへと移動し、相変わらず睨んでくる

「さっきのは死にに行く奴の台詞だ、俺はそんな奴を相棒に選んだつもりはないし、チームのリーダーに推薦したつもりもない」 

「・・・悪かった」

そうか、俺は言葉を間違えたのか、難しいな、言葉って

「訂正する」

俺はそう言いながら、手を払いディンを睨みつけた

「俺は死なない、戦場や闘いの場は、俺の死に場所じゃない」

「当たり前だ、この大馬鹿野郎」

そう言ってディンは元進んでいた方向に歩み始めた

「おい待てディン」

俺はそれを引き留めた

「礼なんかいらねぇからな」

「アホ、依頼人との約束場所はそっちじゃない」

「・・・・お前を選んだの、もしかしたら失敗だったかもなおふっ!!!」

気にしないでくれ

蹴っただけだ

もちろん笑顔だぜ

「腹減ったな・・・」

「そうだな・・・」

俺たちは今、砂漠のど真ん中にいた

何故砂漠にいるのかは・・・今は説明する力すらないので、街についてからにしてくれ

「しかもこの炎天下・・・きつい」

「・・・お前だけだと思うな」

「街、まだかよぉ」

やばい、喋るのもきつくなって来た

「くそ、サボテンすらみあたらねぇ、砂使って土鍋を錬成して焼いて喰おうと思ったのに」

サボテンって食えるのか?とも思いつつ

「焼くにしても、火がないぞ」

「あるだろ」

「は?」

「おまえがいるじゃないか」

「・・・・土鍋作ってみてくれないか」

俺は笑顔を作りこいつに言ったやった

「お!?なんだなんだ!?サボテンでも見つかったか!?」

「いいから作れ」

「よし!ちっと待ってろ」

そう言ってこいつは砂の上に筆で円を描き、筆を持ったまま掌を円に向かって叩き込む

その瞬間プラズマがほとばしり、そこには小さめの土鍋が現れる

現れるや否やすかさず俺はその土鍋を手に取り

この失礼なヤツの後頭部を殴りつけた

「俺はブラスターじゃない」

土鍋は見事に割れ、相棒は顔面を砂に埋めている

「行くぞ、こっから先問答は無用だ、今度は盛大に燃やすぞ」

若干のびている相棒を乱暴に立たせ、再度俺たちは歩みを進めた

いい加減何も語らないのも問題なので、自己紹介もかねて説明しようと思う

俺は“界優樹”BLADERS ACADEMYのBLADER志願生、炎術師

そして俺の相棒は“ディン・ストライフ”同じくBLADER志願生で、錬金術師

今俺たちは、BLADERの最終試験の最中にある

試験内容は、最下級のEランク任務から上級のSランク任務の与えられた任務を

1年間、難なく成功させる事

決して難しい事じゃない、だが簡単でもない

ここで言う成功とは、任務の成功ではないからだ

生きる事、それが目的だ、いくら試験といえ任務は任務、命の保証は出来ない

だが不思議な事に、過去に志願生の戦死は1度しかない

それが俺の兄さん“界鏡樹”

どうして兄さんは死んだのか、兄さんは何者かと戦闘に敗れたと聞かされた

別に仇討ちをしたいわけじゃない、本当だ

絶対死なないと信じてた自慢の兄が殺された

兄さんは何を見てこの世界に身を投じたのか

そして、目標に届くその一歩手前で兄さんは・・・ごめん、私情だ

話を任務内容に戻そう

今回の任務はCランク任務、命の危険性はないと聞かされた

内容は要人警護

詳しくは現場で説明するとの事なので、俺たちはそこに向かってるところだ

ただ現場がある土地に問題があって、砂漠と海に挟まれた“ビスタード”と言う名の町だ

俺としては海で行きたかった、だが相棒のディンが極度の船酔い体質で、なくなく諦めることになった

仕方がない事なんだ

以前任務で船を使った時、現地に着いてから1週間ダウン

おかげで俺は、単身任務をこなすはめとなった

ディンはその後、ACADEMYで始末書の嵐だったそうだ

「ディン、見えたぞ」

「あ?」

数分程歩いた後、見えてきた

砂漠の街“ビスタード”だ

「なぁ優樹」

「ん?」

「サボテンは食えるんだぞ」

「・・・・そうなのか」

何のことだ?と思ったが、笑顔でそれに応じてやった

頼むから、誰かこいつを永久に黙らせてくれ

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