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『若冲が来てくれました プライスコレクション 江戸絵画の美と生命』 福島県立美術館 9月23日まで開催 被災地3県を巡回するこの展覧会も今日で終わりました。 最後の開催地である福島県立美術館は、観客動員数15万人を突破したそうです。 3県合計するとどのくらいのお客さんが来られたのでしょうか。 おそらく、新記録だと思います。 それだけ、みんなが待っていました。 誰もが明るく生きる希望を持つための光りを! 珠玉の作品群に加えて 多くの人が被災地の美術館を訪れてくれたこと、 大いなる力を与えてくれました。 そういうわたくしも、2回行きました。 1回目は7月下旬の平日に、2回目は9月最初の日曜日でした。 勿論、同行のメンバーは異なりますが。 1回目は、開催早々だったのですごく空いていました。 人気の展覧会は早めに行くことが鉄則だと思います。 2回目は、予想通り、駐車場も待ち、会場入りも数分外で待つような、ちょっとした混雑ぶりでした。 この企画は、2年前の3.11直後に開催が決まったそうです。 プライス夫妻は、被災地にこの絵を届けたかったのです。 ≪花も木も動物もみんな生きている(鳥獣花木図屏風)≫ 伊藤若冲 タイトルが面白いでしょ。 「とにかく、観て!感じて!そして、楽しんで!」 プライス夫妻の温かい心が伝わってきました。 正式名はキャプションに収まっています。 すべて、子どもたちを意識した会場作りになっていました。 セクション毎のテーマも図録も、会場も、すべて、子どもたちを意識しています。 今回の展覧会は、2006年の夏に東京国立博物館平成館で開催された≪プライスコレクション 「若冲と江戸絵画」≫とほぼ同じ規模で行われました。 7年前、わたしは若冲を知らなくて、「わかおき」なんて呼んでたんですよね。 そのバカさ加減が懐かしいです(笑) 展示作品が7年前と8割ぐらいが同じということですが、わたしは、上記の屏風以外、全く記憶に残っていません。 一体、それはどうしたことなのか! おそらく当時は、覚えたての画家の名前を確認しただけだったのでしょう。 まだ、作品を観る余裕がなかったのです。 今回は、残りの2割を補うように国内の賛助出品作品が加わり、チケット代800円という安さで開催されました。 若冲は、約4分の1の作品数ですが、他の画家たちも見ごたえ十分でした。 特に鈴木其一、長沢芦雪、森狙仙は良かったですね。 今度こそは記憶に残るでしょう。 酒井抱一の四季12カ月の抒情溢れる繊細な花々もうっとりしました。 一番上の画像は、長沢芦雪の≪白象黒牛図屏風≫、下段左から、酒井抱一≪12か月花鳥図から8月≫、森狙仙≪猿図≫、長沢芦雪≪牡丹孔雀図屏風≫です。 森狙仙の≪猿図≫は、蜂と猿の目線を繋ぐ直線と、猿の柔らかな質感の対比が印象に残りました。 長沢芦雪は、人を繰ったような作品が多いですが、孔雀図は、師円山応挙の模写ということもあり、神妙な面持ちで描いた印象を受けました。 いつもの大胆な描線とは違い、「ちょっと抑えて描けばこのくらい軽いもんよ!」ぐらいのメッセージが隠れていそうなほど細密な孔雀図でした。 ≪貝図≫ 鈴木其一 彼の代表作ではありませんが、江戸に在りながらのデザイン性の高さは十分に伝わると思います。 酒井抱一の弟子で、師匠に従い、琳派の画風を学んでいましたが、師が亡くなると琳派から離れ、自分独自の世界を追求しました。 クリアな色彩と斬新な構図、的確な写実性で、最近注目を浴びてますよね。 若冲の部屋は、最後でした。 いよいよ、真打登場!ちょっと緊張しましたね。 若冲、久しぶりですもの。 プライス夫妻がおっしゃるとおり、「若冲は生命に溢れ、いつも新しい!」 確かにわたしもそのように感じました。 だからこそ、いつも素直に素早く吸い込まれてしまいます。若冲マジックに! ≪伏見人形図≫ 伊藤若冲 京都の伏見稲荷の土産物として親しまれた土人形を、若冲は40年近く描きつづけました。ほのぼのとしたあたたかみのある作風は、若冲のもうひとつの魅力とも言えます。しかし、伏見人形には、別な意味が込められていたのかもしれません。MIHO MUSEUMの『若冲ワンダーランド』で購入した図録の中に、若冲が社会に立ち向かったという内容の研究論文がありました。裕福な問屋に生まれた若冲が、絵三昧の生活のみで生きてきたのではなく、家業の大事には先頭に立ち、その危機回避に奔走したとのことです。そして、伏見人形にも奉行の暴政と戦い、獄死した伏見町民の思いが込められているのではないかとの記述も読みました。伏見人形は7人。獄死した町民も7人。単なる偶然でしょうか。晩年、伏見に住んでいた若冲が彼らの鎮魂のために絵を描いたと思えば、≪伏見人形図≫もまた違った観点から観ることができるのではないでしょうか。 2回目は、ラッキーな出会いがありました! なんと、プライス夫妻のサイン会が行われていました。 図録はこの前買っちゃったので、知り合いに頼まれたポスターにサインしていただきました。 「なんて運がいいんだ、こいつは!」と、少々苦々しい気持ちもありましたけどね。 プライスさんは、本当にお優しいおじいさまという風で、奥さまのエツコさんは、しっかりした方でした。 記念写真にも気軽に応じておられました。 江戸絵画の自由さ、しなかやさ、華麗さ、そして、パンチの利いた風刺、力強く繊細な描線、明るい色彩、江戸時代のおおらかな気質と奔放な創造性が広がる世界のなんと素晴らしいことか! 自分も日本人であること、ちょっぴりほこらしげになりましたよ。 ☆よろしければ↓の記事もどうぞm(__)m [http://blogs.yahoo.co.jp/les_fleurs3106/54194691.html] 京都で会った伊藤若冲 8か月ぶりのブログ再開となりました。
またどこかでこけるかもしれませんが、マイペースで書いていきたいと思います。 どうぞ、よろしくお願いいたしますm(__)m |
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全く知らない方だったので、勉強になりました!
また、楽しみにしていますので、マイペースでアップして下さいね!
ナイス
2013/9/23(月) 午後 11:40
来場者数15万人は凄いですね。
伊藤若冲のビッグネームも威力もあるのでしょうが
何と言っても復興支援の気持ちが動員数に反映していますね。
若冲の絵は迫真性が凡百の絵師とは比べ物にならないぐらい
違います。
2013/9/24(火) 午前 11:29
お忙しいなか貴重な記事ありがとう!
こんなに人を感動させる展覧会に行けなかったので、とっても嬉しいです。そしてプライス夫妻の志にも感謝ですね
なつかしいな〜、ワカオキの記事(笑)
おはずかしながら、長沢芦雪と鈴木其一間違えて読んでました。
なんて読んでたか絶対に秘密です汗
さてさて、若冲ですが、ファインバーグでは奇想派とか分類されてましたが、たしかに西洋受けするような斬新さですね
もっとよく知りたいと思ってます。
その土人形のご指摘とか、そんな気もしてきました。あのフジタの子供の誕生日の絵も12人なんです。カトリック的ですよね。
とか、つい話がそれてしまいました。
元気でマイペース、よろしくです。m(__)m
2013/9/24(火) 午後 0:57 [ ひろmahler=^・^= ]
お帰りなさい。
わかおき仲間(笑)がいて嬉しいです。
貴重な鶏さんアップありがとうございます。
おもわずスケッチブックと鉛筆をとって、へたくそなスケッチしてしまいました。
数年の間に、若沖ファンがどれだけ増えた事か。
プライス夫妻とこの素晴らしい記事に感謝。
2013/9/24(火) 午後 1:25
☆アンダンテさま
こんばんは〜♪
早速のご訪問ありがとうございます(*^。^*)
わたしはアンダンテさまの宮城行きに触発されて、絶対行こうと決めてました。結局は福島になりましたけど。
わたしもゆったりとベンチに腰かけたまま観ることができました。
おっしゃるとおり、とても分かりやすく親しみやすい展示でしたね。
会場に入った途端、なんてやさしく楽しい展覧会なんだろうと感激しました。プライス夫妻の篤い心に沿う素晴らしい企画でした。
「興福寺 仏頭展」にプライス夫妻もいらしてたのですね。ほのぼのとしてらしたでしょ。
トラバもうれしいです!アンダンテさまのところで、また新たな感動に浸りたいと思います(^_-)-☆
2013/9/24(火) 午後 11:42
☆イヴさま
こんばんは〜♪
早速コメントをいただき、ありがとうございます(*^。^*)
上野でやった展覧会とほぼ同規模のものでしたから、ホント見応え十分でした。
鈴木其一は酒井抱一の弟子だったから、どうしても琳派のイメージが強かったのですが、墨でさらっと描いたような作品がとても新鮮で良かったです(^_-)-☆
2013/9/25(水) 午前 0:10
おはようございます。
すばらしい!若冲展。
残念ながら見ておりません。
先日のNHK放映で楽しませていただきました。
≪伏見人形図≫は、面白い構図だと思っていましたが、
哀しいお話も有るんですね。なんといっても、動物の詳細な描写、
素晴らしいですね。生命そのものを感じます。
プライス夫妻のサイン、ナイスですね!
2013/9/25(水) 午前 9:38
若冲の動物の絵はいいですよね。
わたしが若冲に惹かれたのは、鶏の絵を見たのがきっかけでした。
鶏の絵はリアルに生々しく描かれていますが、ほかの絵画はゆるふわ系に可愛らしく描かれているものもあって、若冲は面白いですよね(*^^*)
2013/9/25(水) 午後 10:49 [ Kumica ]
☆LIBRAさま
こんばんは〜♪
お久しぶりです。コメントをいただきありがとうございます(*^。^*)
はい、マイペースで書いていきたいと思います。
わたしもLIBRAさまのようにおいしいお店をあちこち探索したいですね(^_-)-☆
2013/9/25(水) 午後 11:28
☆みかんジュースさま
こんばんは〜♪
すっかりご無沙汰してましたのに、早速のご訪問ありがとうございます(*^。^*)
そうなんですよね。15万人は都内でも大ヒットの部類ですもの。
素晴らしい江戸絵画を通して、皆の心がひとつに溶け合いました。
感動で心がいっぱいになりました。
若冲の絵にみなぎる緊張感は他にはないですね。若冲パワーは素晴らしいです(^_-)-☆
2013/9/25(水) 午後 11:50
☆ひろさま
こんばんは〜♪
わたしを起こしてくれてありがとう(*^。^*)
ブログって離れるとますますさぼり癖がのさばっちゃうんですよね。
わかおき、ってマジで言ってたのに、今回は周りに「じゃくちゅう、来日するのも今回で最後かもよ!」なんて知ったかぶりで吹聴してました(笑)
伏見人形図に反応していただいで嬉しいです。見方を変えるのも必要ですよね。
フジタの子供たちは12人ですか。良いことを聞きました!
観る楽しみが増えましたよ。
江戸絵画は楽しいですね。江戸時代は身分にかかわらず、芸事に親しんだから、さまざまな文化人が出てきたのでしょう。
今回は十分堪能できました(^_-)-☆
2013/9/26(木) 午前 0:10
☆夢アリスさま
こんばんは〜♪
お久しぶりです。コメントをうれしく拝見しました。ありがとうございます(*^。^*)
若冲ファン、確実に広がっていますね。特に今回は子供たちが多く来場してましたから、後世に繋がりますよね。
思わずスケッチ!鉛筆にも力がこもったのではありませんか?
きっとパワーももらったでしょうね(^_-)-☆
2013/9/27(金) 午前 0:30
☆からはなさま
こんにちは〜♪
コメント&ナイス☆ありがとうございます(*^。^*)
お返事が遅れまして申し訳ありません。
久々の若冲展でしたが、やはり迫力とみなぎる緊張感が素晴らしかったです。こんなに素晴らしい画家が、国内でずうっと忘れ去られていたというのが不思議ですね。コレクションをされていたプライスさんの功績はホントに大きいですが、それらを何度も国内で展示してくださる志に深い感動と感謝の念を抱きました。
誰にでも親しめる展示方式だったので、この展覧会は多くの方の記憶に残るでしょうね(^_-)-☆
2013/9/28(土) 午後 3:48
☆Kumicaさま
こんにちは〜♪
すっかりご無沙汰なのに、ご訪問ありがとう(*^。^*)
すごくうれしいです。お返事が遅れてごめんなさいね。
若冲が描く極彩色の鶏は、猛々しくうるさいくらい賑やかで、リアルなのに現実から離れていますよね。反面、水墨画になると、丸い線でくるっと囲むだけで、鳥の特徴を瞬時に捉え、しかもユニークです。
おっしゃるとおり、ホント、若冲は面白くて飽きるところがありませんね(^_-)-☆
2013/9/28(土) 午後 4:59
フルールさん 復活を心待ちにしていました。入場者数を聞いて改めて若冲人気の広さと深さが認識できます。自身の画境を追及していく画家は必ず長い時間の中で顕彰されていく、画家にとってこれほど勇気をもらえることはないと思います。プライス氏の審美眼もとてもうれしく感じます。有名無名という価値判断でなく、美しいものを素直に美しく捉えることのできる心眼(?)のなせる業なのでしょうか。
2013/9/28(土) 午後 8:29 [ lax**40 ]
☆laxさま
こんばんは〜♪
ありがとうございます(*^。^*)いつも温かいお言葉をいただきまして、うれしい思いでいっぱいです。
若冲の動員力はさすがにすごいですが、今回は企画が親しみやすかったのも誘因だと思います。
おっしゃるとおりプライスさんの審美眼には、感服すると同時に感謝の気持ちが大きいですよね。
美しいものを素直に美しく捉えることが出来るのは、心に余裕があるひと、精神力の高いひと、忍耐力のあるひとではないかと思います。
自分の感性を自由に表現しうる社会的土壌が江戸時代にはあったのですね。とても興味をそそられる時代だと思いました(^_-)-☆
2013/9/29(日) 午前 0:43
ブライス夫妻のサイン会ですか! コレクションの意図が、より理解できそうですね(^^)
2013/9/29(日) 午後 10:40
☆Tさま
こんばんは〜♪
お久しぶりです。コメントをいただき、本当にうれしいです。
ありがとうございます(*^。^*)
プライス夫妻のサイン会は何度かあったようです。
私の時は1日2回、長蛇の列にも拘らず一人一人、丁寧にサインと握手をされていました。
厳しい作業に腱鞘炎にかかられたのではないかと心配しました。
そうですね。お二人が会場にいらっしゃるということは、単に絵画を貸しているのではなく、被災地に心を寄せておられることが、私たちにも十分伝わりました(^_-)-☆
2013/10/2(水) 午後 10:32
ああああああこれ行きたかったああああ!
素敵な御夫妻ですね。美術が人に与える力についての深い理解がある方方なんですね。
2013/10/6(日) 午後 6:00 [ タケル錬緑術 ]
☆タケルさま
こちらにもありがとうございます(*^。^*)
そうなんです。とても素敵なご夫妻でした。
美術が人に与える力の強さは今回の展覧会ではっきりと証明されたと思います。
≪鳥獣花木図屏風≫の「花も木も動物もみんな生きている」というタイトルには、涙が出るほど感動しました。
本当に心から応援してくださっているのだなと思いました(^_-)-☆
2013/10/7(月) 午後 10:30