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「失礼します。」
入ってきたのは上佐とUPE-HE‐6G上尉だ。UPE-HE‐6G上尉はユーリウスの 顔を見た途端青ざめた表情をした。皆それに気付かない訳はなかった。 「どうした?。」 上佐はわざと尋ねる。 「い、いや・・・なんで、VAU-HE-1Dがここに・・・確か退役した って・・・。」 「居ちゃ悪いか?。」「あ・・・いや・・・。」 「久し振りだな。」「あ・・・ああ、うん。」 UPE-HE‐6G上尉の歯切れの悪い答え方にユーリウスは疑惑が確証に 変わっていくのを感じた。I-KUB-AYA202上佐が話し始める。 「実はお前をここに呼んだのは彼がとある人物について詳しい者を 探していたそうなんだ。お前、確か以前退役したWA‐W11VARーSYーUKAと いう人物と幼馴染だったそうだな。それで彼に色々教えてやって 欲しいんだ。私達は、退役した軍人とはいえ、個人の情報を特定の 人物に公表する事は出来ない。お前が知り合いなら話が早い。どういう 人物か教えてやってくれないか。」 UPE-HE‐6G上尉は何か思う事があるのか暫く黙っている。 「どうした・・・?。彼とは随分仲良くやっていたと聞いているし、 WA‐W11VARーSYーUKAとは幼馴染なんだろう。橋渡しをしてやるのが 親切じゃないのか?。」 よく観ると、UPE-HE‐6G上尉はこめかみにうっすらと汗をかき、 僅かに震えている。どうやら呼吸も荒くなっているらしく、両手の 拳をぎゅっと握り締めている。 「I-KUB-AYA202上佐から『WA‐W11VARーSYーUKAについて教えてやって 欲しい』って言われて来た。だが、まさかVAU-HE-1D上尉が居るなんて 思ってもみなかった。」 「それはどういう意味だ?。何故VAU-HE-1D上尉がここにいるわけ 無いと思った?。」 「た・・・退役、したって聞いてたから・・・。ここにはもう・・・。」 「それだけか?。」 あとがき: 競泳の池江璃花子(18)が今月12日自身のツイッターで白血病に 罹患している事を公表した。 池江璃花子といえば、昨年のパンパシフィック水泳選手権、アジア 等で大活躍し、来年のオリンピック出場を大きく期待されていた 選手の一人。 ところが、先日のオーストラリアでの合宿中に体調不良を訴え 診察を受けた処、白血病との診断を受けた。 嘗ては不治の病として、ドラマなどでも悲劇的に描かれる事が 多かった病だが、現在は発見が早ければ治る事も可能だそうだ。 そんな池江も、診断を下された時のショックはとても大き かったと思う。しかしツイッターには明るく前向きな文章が 綴られており、多くの共感を誘ったという。その中でも「私は、 神様は乗り越えられない試練は与えられない、自分に乗り越え られない壁はないと思っています。」その一言にどんなにか心 打たれただろうか。 いまは治療に専念し、復活の時を待ちたいと思う。 |
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