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「ええ、割と・・・。それよりも私はチヘンネ様の名前の方が
珍しいと・・・。」 「そうかあ。俺に言わせればその辺によくいる名前だと思った けどなあ。ついでに言うと親父はアトラテックでは『チリカワ』って 名乗っていた。」 「『チリ・カワ!?。』ゲルマン様が・・・?。不思議。」 「・・・じゃあさ、『ロナイハイド』はどうなんだ?。 「今まではお会いした事はありませんでしたが、ありそうでない 名前ですよね。確か綴りは『RONAUHEIDO』でしたよね。」 「そう、らしいな。」 オルケルタは地面に小枝でさらさらと書いた。 文字を書いた事が無いわけではない。アトラテックでは文字の 書き方については殆どが電子機器で授業を受けていたので、文字を 書く機会が少なかったし、この地に伝わる文字はアトラテックとは 全く違う文字を使っていたからだった。そうやって勉強していって いて、「R-01-VAU-HE-1D-0」が「ロナウハイド」と読めるのもなんと なく理解できるようになってきた。 その代わり、ユーリウスは子供達に剣術や武術を教えていた。集落を 山賊や猛獣等から守る為、力が強い者を育てる必用があったからだ。 軍を退役してからもうどの位経っただろうか。それでも体力は衰え ないように鍛錬は欠かさず行ってきた。畑仕事も少しずつ覚えてきた。 それに元々手先が器用だった事もあって農作業用の器具やそのほかの道具、 家畜の小屋や柵の修理等何でもこなした。 暇は案外なかったが、アトラテックでは体験できない人間らしい 生活が心地よかった。やはり何よりもオルケルタの存在がユーリウスの 心を満たしていた。 だが・・・オルケルタは・・・。いや、やめよう。そんなことばかり 考えているなんてなんだか自分が女々しく感じられてきた。 あとがき: 今年千葉で起きた当時小学4年生の栗原心愛さんが父親に 虐待された挙句、死亡した事件の初公判で、心愛さんの母親の なぎさ被告が夫の勇一郎被告(41)からの暴力を恐れ、助け られなかったと証言したという。 この証言で、なぎさ被告の、勇一郎被告の暴力を止める事が 出来なかったと言った事に対し、なぎさ被告を批判するネット ユーザーが厳しく批判している。 母親であるなぎさ被告の肩を持つわけではないが、果たして なぎさ被告は心愛さんを庇い、助けられるだけの余裕があった のか、と疑問に思う。 例として極端である前提で考える。何の動物かは忘れたが、 肉食獣の母子が飢餓状態になった際、子供が我死するのを 分かっていて母親だけが取り零された肉を喰らい、生き ながらえると聞いた事がある。専門家によると、母親は本能的に 母と子、どちらが生き残る事を優先するかを判断し、母親自らが 生き残る事を選ぶのだそう。もし、子供を優先しても、子供は 自らを守る術はなく、遅かれ早かれ、大型の動物の餌食になって しまうのだそうだ。母親ならば自らを守る術は心得ており、また 子孫も残せるという理由だそうだ。 人間も動物である以上、そういった太古からの本能が働いて しまったと考える。前回ここで述べたように、なぎさ被告は夫に 「洗脳」され、何が間違っているかを判断できなくなっていた事も あったと思うが、いずれにせよ、痛ましい事件だったのには 間違いない。なぎさ被告が母性を失うほど追い詰められていたと しか思えない。「母親だから」「母性があるから」と言われる かもしれないが、母親は「聖人君子」ではないし「完璧」でも ない。この母子に救済の手が届かなかったことが悔やまれる。 |
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ナイス!でおはようございます。いつも、AM5:55にこの小説と「あとがき」が読めるので楽しみにしてます!
[ yas*mas*da* ]
2019/5/18(土) 午前 6:08
> yas*mas*da*さん
コメありがとうございます。この「あとがき」を
考えるのに毎日苦労しています。
そう言って頂けると涙が出るほどうれしいです。
ありがとうございます。
[ Duke Friedrich Ronniele ]
2019/5/18(土) 午後 5:23
母親であるなぎさ被告に対する批判の意見が多いけど、実際子育て経験のある母親に
「こういった状況になった時、自分の身を顧みず
子供を庇う事が出来るか」という質問に対し、どういう答えが出るか聞いてみたいですね。特に夫からDVを
受けた経験のある母親なら何と答えるか。答えに
よっては、この事件の闇の深さが分かって来るの
ではないかと思います。
[ Duke Friedrich Ronniele ]
2019/5/18(土) 午後 6:32
痛ましい千葉の事件は…児童相談所の対応も責められるべきだと思います。
父親と生活させるべきではなかったです。
2019/5/20(月) 午後 2:23
> tiy*ko_*_*62000さん
コメありがとうございます。
仰る通りですね。児相も父親の家庭内暴力を認識して
いるなら、その余波が子供に向かうとは予想できな
かったのか。
悔やまれてなりません。
[ Duke Friedrich Ronniele ]
2019/5/20(月) 午後 2:29
いや〜、Dukeさんからのコメントが入ってると、どんなに落ち込んでいても活き返ります。「みそしる占い」でみそしるを食べた女の子のようです。
本当はもう他社への移行が始まって、数字だけの「ナイス!」になっているはずが、延期になったんですね。
[ yas*mas*da* ]
2019/5/20(月) 午後 2:47
> yas*mas*da*さん
コメありがとうございます。
こちらこそ!!。
ナイスボタンがなくなった今、自分の記事を読んで
戴けるる方が分からずお返しも出来ない状態です。
こうしてコメントを戴けると、お返しも何よりですが、
やはり元気を戴けます。それが何よりの励みです。
ありがとうございます。
[ Duke Friedrich Ronniele ]
2019/5/20(月) 午後 3:45
DVに起因する、様々な悲劇は、早く被害者である母子を、加害者である父から引き離すほかには、防ぎようが無いようですね。
特に、DVの加害者は、社会的には評価される人物であったりするところが、問題を難しくしていますね。
[ koguti ]
2019/5/20(月) 午後 9:40
> kogutiさん
コメありがとうございます。
DVなどの家庭内暴力は外からでは分かりにくいので、
児相も介入しにくいのだと思います。仮に暴力を受けていると気づいていても、確たる証拠のようなものが
なければ逆に訴えられる可能性もあるのでしょう。
内面で行われている行為は、外からでは気づきにくい
、というのは、こういった問題点の特徴ではない
でしょうか。
[ Duke Friedrich Ronniele ]
2019/5/21(火) 午前 5:16