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「ここは嘗て小さな王国があった場所。それが隣国に滅ぼされ滅亡した。
守護神もいたのだが、呪いを掛けられ滅ぼされた。ここにはその守護神の 亡霊が染み付いてるみたいで、この国を侵略した者達はここを酷く忌み 嫌っていた。その霊障が異大陸のロナウハイドにまで影響した、という ところか?。」 「霊障・・・?。ですか。それでロナウハイド様が・・・。でも、何故。」 「いや・・・ただなんとなく、そう思っただけなんだけどな・・・。」 夜が明けた。ユーリウスは相変わらず寝汗と荒い呼吸、そして頭痛の 為殆ど眠れなかった。看病しているオルケルタも、仮眠を取りながら ユーリウスの汗を拭いたり水を飲ませたりしていた。側ではジルカメスも 見守っている。 ノック音がした。「私だ。ロナウハイド殿はどうなったかね。」 王が直接様子を見に来ていた。オルケルタは扉を開け、王を部屋の中に 入れた。その時部屋の中にジルカメスがいたので驚いた。 「ジルカメス!!。貴様何故ここにいるのだ?。」 「何も命令はなかったから。命令が無い間は何しようと俺の勝手でしょ。」 「ならば命令だ!!。ここから・・・。」 「ロナウハイド様が許可しました。それでも出て行けと仰るのですか?。」 オルケルタは王を睨みつけた。 「・・・ううっ・・・分かった。ところで、ロナウハイド殿の具合はどう なったかね。幾らか落ち着かれ・・・。」 「良くなんてなっていません。ロナウハイド様をこんな所に連れてくる からです。ロナウハイド様にもしものことがあったらどうされるおつもり ですか!!。いいですか?。ロナウハイド様はユーラントの勇者様であって この大陸には全く関係ない方なんです。ロナウハイド様がいなければこの 世界は間もなく闇に覆われてしまうと云われているのです。ロナウハイド 様はそれを食い止める為の勇者なのに、こんな所で足止めをされるなんて。 一体どうするおつもりなんですか!!。」 オルケルタの切った啖呵に王は言葉も出ない。暫く考え、やっと答えを吐き 出した。 「・・・宮殿に連れて行く。そうすれば宮廷付きの祈祷師がいる。その者を 頼りにすれば・・・。」 「宮殿に連れて行くったって、どうやって連れて行けるんだ?。勇者様は この通り動けない。」ジルカメスが口を挟む。 「シュメールの転送・・・。」 「無理だな。勇者様はともかく、その娘さんの生命力は、魔法に耐えられる 力はもう少ししかない。勇者様と引き離すことが出来ないなら魔法に頼らず 歩いて行くしかないんじゃないか?。」 そこへシュメールがやって来た。 「ジルカメス!!。貴様どうやってここに・・・。」 「不屈の精神・・・ってやつ?。」「ふざけた事を・・・。」 シュメールは怒りを露にするが、王がそれを止めた。 「だがな、宮殿には一緒に来て貰う。勇者を連れて来た褒美は形だけでも 取らせなければいかんからな。」 あとがき: 京都アニメーション、通称「京アニ」での放火殺人事件で犠牲と なった35人の内、「遺族の理解を得られた方」10人の身元を公表 した。公表については賛否両論あり、「遺族の希望が最優先」 「そっとしてあげるべきだ」といった意見もあったが、情報 メディア法専門家の田島康彦元上智大教授は「安易に匿名を 認めると、事案の真相を明らかにする上で障害になる。遺族の 意向も大事だが、重大事件は原則として実名とすべきだ。ただ メディアスクラムなど報道機関の取材手法にも問題はある」 と話しているという。 あの事件から半月が経とうとしている。夢を与え続けていた 人々が一人の男の思い込みによって命を絶たれてしまった。 同じ過ちを繰り返さない為に実名公表はある程度必要なのかも しれない一方、遺族の心情を思い、そっとしておく必要もある かと思う。何が正しい、正しくない、ではなく、故人となった 方々が何を望んでいたかという気持ちに寄り添えれば最善 なのかもしれない。 |
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自分の腕を掴んだ手。その手も皮膚のざらざらした感覚を感じる。
宝玉を渡した手の持ち主とは明らかに違うのに、その者からも焦げ 臭い体臭が漂う。「あなたは一体・・・?。」 しかし、その者はオルケルタの質問には答えず、オルケルタを 引っ張りながら螺旋階段を昇って行く。やがて塔の天辺にたどり 着いた。 そこには先程強く叩きつけられ、怪我の為に横たわっている ジルカメスが放置されているだけで、他には誰もいない。 「・・・息子って、ジルカメスの事?。」 オルケルタはジルカメスに近づいた。 「ジルカメス!!。」 オルケルタはジルカメスに宝玉を渡した、宝玉は一瞬強い光を放った。 「恩に着る。」そう言いながら立ち上がった。 「・・・お怪我は・・?。」 「こいつのお陰でな。助かった。・・・あれ・・・っ?。」 ジルカメスは辺りを見回している。 「あいつ・・・一緒じゃないのか?。」 「ええ、実は。」 オルケルタは今までの事を話した。 「そうか・・・たぶん俺の父親の亡霊が・・・、あともう一人は ・・・。」 「あなたをここから助けてくれって言われましたが、どうしたら よいのでしょうか。」 「いや、恐らくこれで十分だ。あとはどうするか。できれば あんたらをここから出してユーラント帰してやらねえとな。」 「・・・魔法は・・・どうなったのですか?。」 「あん時、シュメールに皆奪われちまった。ま、元々はあいつから 借りたものだし、だが、魔法が使えないとなると、綿密に作戦を 考えなきゃなんねえしな。よし、行くぞ。」 「え・・・あの、どちらへ?。」 「御亭主サマが心配なんだろ。案内してくれ。」「はい。」 オルケルタはジルカメスを連れてユーリウスの元へ戻った。 部屋ではユーリウスが寝汗と荒い呼吸を繰り返している。 「大丈夫・・・じゃなさそうだな。」 「ジ、ジルカ・・・メスか、無事、だったんだな。」 「ああ、あんたの嫁さんのお陰でな。それよりも、一体 どうした?。」 「・・・分からん。・・・」ユーリウスは苦しい息の下答えた。 「・・・あんたの嫁さんから聞いた話を元にすると・・・この塔の 下に降りて来た時に突然苦しくなったって事だよな。・・・。 ひょっとするとこいつは病気なんかじゃなく、 この塔・・・或いはこの土地が作用しているんじゃないか。」 「どういう事ですか?。」 オルケルタはユーリウスの代わりに聞いた。 あとがき: 一昨日に発生した熱帯低気圧が急速に発達し、昨日の内に台風8号に なったと発表があった。 昨日のウエザーニュースでは、5日には中心付近の最大風速が35m/s となり、6日にかけ西日本を直撃する恐れがあるという。また、一日 早い4日には小笠原諸島に影響が及ぼす可能性もあるという。 この台風の影響による高波や強風、土砂災害、低い土地浸水や川の 増水など あらゆる可能性に注意、警戒が必要だそうだ。他にも、 鉢植えや物干しざおなどの屋外にある飛ばされそうなものを、予め、 家の中へしまうなどの対策を取るように呼び掛けている。 それから、テレビやインターネット上の情報網で、台風の位置を こまめにチェックしておくなどの対策を取る事を勧めている。 大きな被害をもたらすかもしれない大型台風の接近に、十分な対策を 整えて置き、被害を最小限に悔い止めて頂きたい。「備えあれば患い なし」この言葉を常に意識して台風接近に備えて頂きたく思う。 |
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オルケルタは扉を開けた。見たこともない男が部屋に入ってきた。
その男は頭から布を被り、顔はよく見えないが、何処となく焦げ 臭いような体臭を漂わせている。 「・・・何でしょう?」 「そなたに頼みがある。聞いては頂けないか?。」 伸ばした手は火傷のあとのように皮膚が捲れている。 「そんな事・・・。今は・・・。」 「俺は大丈夫だ。聞いてやってくれ・・・。」 ユーリウスは力の無い声で答えた。 「私の名はルラルバン。この塔の天辺にいる私の息子を助けて やってくれないか?。」 「・・・息子、さん?。」 「この塔の主に足蹴にされ、傷を負っている。私のこの身では どうすることもできない頼む・・・。」 そう言って姿を消した。「・・・な、何でしょうか・・・。」 ふとその時、オルケルタは目を覚ました。「夢・・・?。」 いつの間にか眠っていたようだ。右手に何か握らされている。 「これ・・・。」 不思議な光を放つ宝玉のようなものだ。 ユーリウスは相変わらず眠ったり目覚めたりを繰り返している。 「ロナウハイド様、ごめんなさい。」 オルケルタはそう言って部屋を出た。そして辺りに誰もう無いのを 確認し塔の天辺へ向かった。 「少々お待ち下さい。」 いきなり声がし、オルケルタの目の前に何か光が集まり始めた。 光はやがて人の形を成し、シュメールが姿を現した。 「あなたが持っている宝玉。それをお渡しください。」 オルケルタはそれを渡してはならない気がして、ぎゅっと握り しめた。するとシュメールはオルケルタに向かって手を広げた。 「だ・・・だめ。」 「どうやらその宝玉には恐ろしい呪いが掛けられているようだ。 急いで手放さないとそなたにも呪いが降りかかる。悪いことは 言わん。」 オルケルタは宝玉を奪われないように握る手に力を込める。その 様子にシュメールは急に不機嫌になり、オルケルタが持っている 宝玉を奪おうと念じる。「うっ・・・。」 小さく声を上げたのはシュメールの方だった。 「な・・・何が、起こった?。」 「・・・ここが私の膝元だというのを忘れていたようだったな、 下等な神よ。」 「か、下等だと・・・だ、誰だ?。」 どうやらシュメールは声だけの者によって力を抑えつけられて いたようだ。 「さあ、行け、今のうちだ。」今度は別な声がオルケルタを 誘導する。 オルケルタはシュメールの脇を一目散に通り過ぎる。だが、 途中で息が荒くなり、壁に手をつけながら登って行く。 「我が力を貸し与えよう。」 伸ばした手が何者かのよって引っ張られる。「この手って・・・。」 あとがき: 先月18日に起きた「京都アニメーション放火殺人事件」について インターネット上の掲示板サイトに昨年9〜11月、「爆発物 持って京アニに突っ込む」「京アニに原稿を落とされた」という趣旨の 投稿があったことが1日、分かったという。 記事を掲載した共同通信によると「複数の書き込みが同一人物による ものかは分からないが、青葉真司容疑者(41)との関連をうかがわせる 内容もある。京都府警は、自宅から押収したスマートフォンやパソコン などを解析し、関係を慎重に調べている」と記している。また「サイト には『京アニに裏切られた』『アイデアをパクる貴様らだけは絶対に 許さん』などとの投稿があった」とも記している。 事件当日、加害者は確保に来た警察官に対し「パクリやがって」 「小説を盗んだからやった。」といった趣旨の事を叫んでいたと いう。 現在のところ、その加害者の著作と「パクリ疑惑」と思われる作品が 一致するものは見つかっておらず、直接犯行の決め手になったと思われる ものは確認できないようだ。 自分も物語を書いていて思うのだが、ある程度設定を決めてしまうと 似たような作りになる時も多少ながらある。有名な作品であったとしても 「これは似てるな」と思った作品もある。作品が似てなくても、セリフや キャラクターの容姿など、似てしまう事はあるだろう。 加害者の作品はそう言ったものなのかどうなのか、というところだ。 今の世の中、これだけ著作が数多くあることから、全く似たような部分の ない作品など書くは難しい。もし、「パクられた」というなら、その 作品は、世に出られる作品だったと考えれば、こういう事件は起きな かったのかと思う。 |
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ユーリウスは小さな声で呟く。
「その・・・噂とやらの出どころは、分かって・・・?。 「勇者様、質問はお二つだけではありませんでしたか?。」 その答えにユーリウスはむっとして言葉を噤んだ。 暫く歩くとなんとなく胸元がすっきりしない。頭痛もするようだ。 息が苦しくなる。胸元の違和感は徐々に吐き気に変わる。壁に手を 着き、身体を支えるようにして歩くが、下に降りて行く程に苦しさは 増していく。そして遂に歩く事さえできなくなった。 「ロナウハイド様!!。」 しゃがみ込むユーリウスをオルケルタが支えようとする。 「だ・・・大丈夫、だ。」 何とか立ち上がろうとした、が結局その場に倒れてしまった。 「ロナウハイド様!!。どうなさったのです?。」 事に気づいたシュメールはユーリウスを抱き上げた。 「熱は無いようだが・・・。」 意識はあるもののユーリウスは口で呼吸し、脂汗が額から滴り 落ちている。 「・・・オ・・・ル、ケル、タ・・・。俺は、大丈夫・・・。心配 ・・・すんなって。」 そう言って目を閉じた。 「ユーリウス!!。」 オルケルタの叫び声が塔の中に木霊した。 ユーリウスは寝台に寝かされた。話をしようと待っていた
ランムラビ王ニムロデは 「困ったな。ロナウハイド殿には色々話したいことがあったのだが、 まず体調が落ち着かれる待つしかないのか・・・。」 オルケルタはユーリウスの側から離れない。王はオルケルタの 様子を見て、 「後は・・・奥方に任せるより他にない。少し待とう。」 といってシュメールと共に部屋を出た。 オルケルタはユーリウスをじっと見ている。時折涙が流れ そうになる。 「・・・オルケルタ・・・ごめん・・・心配掛けちまって・・・。」 ユーリウスは意識はあるものの、起き上がることも出来ない。 「ロナウハイド様。私の事はお気遣いなされずに。早くよく なってください。」といって水を飲ませる。 どれくらい時間が経ったのだろうか。ユーリウスは時々目を閉じ、 そしてはぁはぁと呼吸が荒くなり、目を覚ます、を繰り返している。 オルケルタも彼にしてやれる事は水を飲ませる以外なかった。 突然ノック音がした。「どなた?。」 あとがき: 北東北地方の梅雨明けが宣言され、日本列島が完全に夏本番を 迎えた。昨日の時点で140地点で「猛暑日」である事が確認された。 今日8月1日以降も気温が上がり、予想最高気温も岐阜県の多治見で 39℃、また、京都や名古屋でも38℃まで上がるとの予想だ。 ウエザーニュースでは昼間の外出を控え、室内ではエアコンや 扇風機を使うなどして熱中症の予防などを呼び掛けている。 水分補給は勿論だが、それだけだとナトリウムが不足するので 塩分と糖分を摂取するのが望ましい、という事だ。一番いいのが 市販のスポーツ飲料を摂取する事だが、日本スポーツ協会では 「スポーツ飲料などが手元にない時は0.1〜0.2%の食塩(ナトリウム 40〜80mg/100ml )と糖質を含んだ飲料を推奨しています。」との 事だ。 のどの渇きを感じた時には、胎内の水分不足はかなり進んでいる為 素早く、水分と糖分、塩分を補給する事が大事だそうだ。 以上の事に気を配り、この夏を乗り切って頂きたい。 |





