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サント・マルスと混沌の邪神
逆らえない運命なら、その運命を受け容れ、自分らしく生きる

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2019年04月

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「これ。」
オルケルタは集落の外れにある木の実をもいだ。親指ぐらいの大きさの
粒が二十個位くっついている。オルケルタはそこから一粒もぎ取り、
ユーリウスに渡す。触るとぐにゃっとして変な感触だ。
「お口に入れてみて下さいな。」「食えるのか?。」
ユーリウスは恐る恐る口に入れた。
「皮は出してくださいね。あ、種もあるので気をつけて。」
なんか甘酸っぱいような、苦いような不思議な食べ物だ。「何、これ。」
「ブドウです。」「へーえ、面白い食べ物だな。」
「そうですか。・・・よかった、喜んで貰えて。この集落を気に入って
貰えるかどうか気になっていたんですけど・・・。」
「ああ、いいトコだな。気にいったよ。」
「そうなのですね。よかった。」
オルケルタはそう言ってにっこりと笑った。ユーリウスはその笑顔に軽い
眩暈を覚え、気が抜けそうになった。
 「ところで、馬には乗れますか?。」「・・・ウ、マ?。何だ?。」
「こちらです。」
ユーリウスはオルケルタについて歩く。大きな小屋が見えた。すると
小屋の中に何か生き物らしきものが見える。
「これ・・・!!。でっ・・・でっけぇ。」
「そうですよ。皆これに乗ったり、荷物を運ばせたりするんですよ。」
「・・・生き物に乗るのかよ・・・。」
今まで、バイクや車、戦車、装甲車、特殊作業車などに乗ってきたが、
生き物に乗るという感覚は今までなかったユーリウス。驚くのも無理は
なかった。
「今日はもう遅いので今からは無理ですが、後日乗る機会があると
思いますので、その時、ごいっ・・・あの、御、一緒、その・・・
でき、たら。」
オルケルタは急に俯いて声も小さくなっていく。
「・・・ん、ああ、そ、その時は、宜しく・・・たのむ・・・・。
・・・かな。」
ユーリウスもなんだか恥ずかしいような気持ちになった。
 「なんだ、お前達ここに居たのか。」
声のする方を振り返るとゲルマンが二人を探していたようだ。

 あとがき: 当時、官房長官だった故小渕恵三氏が「平成(へいせい)」と書かれた
      文字が掛かれた額縁を掲げ、カメラに向けた。それが昭和64年1月7日の
      出来事だった。その翌日から平成元年、「平成」はここから始まった。
       当時内閣総理大臣だった竹下登氏は「国の内外からも天地にも平和が
      達成されるという意味が込められており、これからの新しい元号に
      ふさわしい」と説明したという。
       平成を振り返ってみると、そういった願いも叶うことなく、平成3年の
      長崎県で発生した雲仙普賢岳の火砕流に始まり、平成5年、「阪神・淡路
      大震災」、平成12年の「三宅島大噴火」、平成16年の「新潟・中越地震」
      平成20年「岩手・宮城内陸地震」平成23年「東日本大震災」平成28年
      「熊本地震」、平成30年「北海道胆振東部地震」など数々の災害に
      見舞われた時代だったと思う。
       明日からいよいよ「令和」の時代がスタートする。安倍晋三首相が
      記者会見で説明したように「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ
      育つ」という意味を込めた」時代になればと願う。
ユーリウスはオルケルタの案内で集落を見て回る事にした。透き通るような
白い肌と宝石のような碧い瞳がユーリウスの心に焼きついて離れない。
 ユーリウスは彼女に見とれっぱなしで、何も頭に入らなかった・・・訳では
なかった。何故か彼女を見てると心が落ち着く。風車、井戸、ちょっとした
広場、池、そして畑と見て回る。
「・・・な、なんだ、これ。花、なのか?。」
背丈以上もある茎の上に黄色い大きな花らしきものがある。
「ヒマワリです。これ、秋になったら種を取ってその種を保存食にするん
ですよ。」
「でっかい花なのか。人の顔ぐらいあるよな。」「そうですね。」
「他には、何を植えているの?。」「後は、ライ麦と野菜と、豆と・・・。」
「ライムギって?。」
「パンを作るんです。あと小麦と大麦もあったかな。それはビールに。」
「ビ、ビールって何?。」「飲み物です。」「旨いのか?。」
「私は、まだ飲んだ事は無いですけど、どっちかって言うと大人の飲み物、
かな。」
「へーえ、じゃあさ、とうもろこしとかは?。パンはとうもろこしでは作ら
ないのか?。」
「と・・・とう、何ですか?。」
「とうもろこし、見たことないのか・・・。じゃ、トマトは?。俺好物
なんだけど。」
「・・・ああ、分からない、です。」
「じゃ、たまねぎは?。」「あ、たまねぎはあります。」
「そうなんだ・・・。食文化も違うのか・・・。同じ惑星なのに、不思議
だよな。」
「そうなんですね。」
オルケルタが笑顔になったのでユーリウスも笑顔になった。女の子と
会話する事がこんなに楽しいなんて、生まれて初めて感じた。
「あ・・・そうだ。」オルケルタは手招きして走り出した。ユーリウスも
後を追いかけた。
「何?。」

  あとがき: 平成最後にして令和最初のゴールデンウイークが始まった。退位の礼
       即位の礼がそれぞれ行われる今年は、その2日間を挟み、長い人では
       10連休となる方も多い。10連休の人、一部が休みの人、全く休みがない人
       過ごし方は様々だろう。
        10連休の為、あちら事らでイベントが目白押しの状態になるのは
       確実だろう。交通網も渋滞や規制などで非日常的な状態になるのも必須
       だろう。お出かけの際には混雑など予めそういった予想をたて、スムーズに
       行楽を楽しまれることをお勧めする。そしていい思い出で終われるような
       時間を過ごして頂きたい。
「ええ、ああ・・・なっなっなな、なんだ?。」
「集落を案内する。来なさい。」「ああ、・・・んん。」
ユーリウスは皆の後を追いかけた。
「・・・けど、よかった。皆がいなくなっていたらどうしようかと思って
いたからな。オルケルタの事もあるし、長老には感謝せねばな。」
「いやいや、逆にオルケルタを預からねばならなかったからこそ、ここに
定住していたようなものだ。私もこの歳だ。もう遊牧の暮らしも出来ぬ
からな。」
「人の集まりはどうだ?。」
「増えたり減ったり、だな。実りの季節を待つより目の前にある物の方が
大事な者もいる。そういう者は仕方が無いと思って諦めていたが、何とか
集落に残ったのはこれだけだ。」
「そうか・・・人手はまだまだ足りないのか。」
と、そんな話を長老とゲルマンがしているにも拘らず、ユーリウスはその
話すら耳に入って来ない。目の前を歩く少女オルケルタにすっかり
心奪われてしまったようだ。
「オルケルタ。ロナウハイド殿に集落を案内してくれないか?。」
長老が言った。「わ、私が・・・ですか?。」「嫌なのか?。」
「・・・い、いえ、そうではなくて、その、私でよければ。」
オルケルタははにかみながらユーリウスの方を見た。その笑顔がまた
たまらなく可愛い。なんとなく幸せな気分になるユーリウス。
 何か話すきっかけが欲しい・・・。何か話す事は・・・。
「キッ・・・キ、・・・キミもこ、この集落に・・・その・・・住んでる、
のかい?。」
さりげなくげなく聞いたつもりだが、何故か完全に舞い上がっている。
「え・・・えっ、ええ。・・・私は、その・・・。小さい時に両親が
亡くなって、行き倒れていたところをゲルマン様に助けられ、この
集落へ預けられたのです。今は長老様の家に居候しているんです。」
そうなのか・・・。ユーリウスはちょっぴり嬉しくなった。この娘と
同じ集落に住む事になるなんて夢のようだ、と思った。

   あとがき: 今月20日、東京池袋で高齢者が起こした事故の犠牲と
        なった母子の家族が、都内で24日、記者会見を開いた。
        母子の家族の男性は「最愛の妻と娘を突然失い、ただ
        ただ涙することしかできず絶望しています。」と苦しい
        胸の内を訴えた。そして「運転に不安がある人は車を
        運転しないという選択肢を考えて欲しい」と伝えている。
         この事故を振り返ると、なかなか納得できない事も多い。
        87歳という高齢で運転は大丈夫なのか、今まで何もなかった
        から今度も大丈夫、といった自分を過信する考えを持って
        いなかったか。交通網が発達した都会で、自分で運転
        しなければならない必要性はあったのか。親族はこの年齢の
        家族の運転を不安に思わなかったのか。
         そして、事故を起こした運転手は何故容疑者にならない
        のか。その後に起きたバス事故の運転手と何が違うのか。
        「官僚特権」という噂まで聞かれているが果たしてそう
        なのか。それ故に罪に問われないのなら犠牲者は泣き寝入り
        するしかないのではないか。
         高齢者の事故を無くす意味でも、免許証返納は必要だと
        考えて欲しい。交通網が発達しておらず、車が生活の
        必需品になっている地域でも返納している方は多い。それに
        自動車事故は運転手だけの責任ではない。場合によっては
        多きの人を巻き込む可能性だってある。
        「寿命が尽きるまで一緒にいると信じていましたが、たった
        一瞬で未来が奪われました。この悔しさはどれだけ時間が
        経っても消えません」被害者の家族が言った言葉が心に残る。
 恋とは無縁の、そんな自分が未来の花嫁を見つけられるのか、
子孫を残すことが出来るのか、ユーリウスは心なしか不安になった。
身体の事は両親には言えないでいたし、自分の身体に欠陥があるかも
しれないという事を認めるのも嫌だった。それだけではない。あの
日食で自分は生き残れるのかどうか分からない身。それを考えれば
日食までに子孫を残さなければならない。さてさてどんな花嫁を
押し付けられるのか。ユーリウスはそれだけで気が重くなった。

 集落が見えてきた。近づくと何人かの人物が自分達を迎えて
くれているようだ。
「これはこれは・・・大陸神ユーラント、それにその使徒ゲルマンか。」
老人が先に声を掛けた。
「紹介しよう。この集落の長老、テオドール殿だ。」
「宜しく。勇者ロナウハイド殿。」
「ああ、こちらこそ。」ユーリウスも握手を交わした。
「おや、オルケルタも来てたのか?。」
「はい。ゲルマン様のお帰りをお待ちしていました。」
ユーリウスは声の主を見た。「・・・。」唖然として声も出ない。
「あ、あの・・・ロナウ、ハイド、様・・・ですよね。ゲルマン様より、
その、お話は・・・伺っています・・・。」
「ああ、ああ・・・おおお、おおあ・・・・ううううん。そ、そっ、
そうだ・・・。」
なんとか声を搾り出した。その瞬間ユーリウスは胸の鼓動が早く
なるのを感じた。目の前の少女ははにかみながら
「あ、あの・・・わ、私・・・オルケルタ、って言います。宜しくお、
お願いします。」
といってそっと手を差し出した。ユーリウスは荒くなる呼吸を
抑えながら震える手で握手を交わした。やわらかい、そして暖かい・・・。
言葉では言い表せない感覚にユーリウスはもう眩暈がしそうだった。
この大陸に、こんな、こんな可愛い娘がいた
なんて、それだけでもう誰の話も耳に入らなかった。
「・・・ウス、ユーリウス!!。」

  あとがき: 神戸三ノ宮で駅前の横断歩道にバスが突っ込み、2人が死亡、
        6人が重軽傷を負うという事故が起きた。この件でバスの運転手
        (64)が自動車運転処罰法違反の容疑で逮捕された。
         運転手は「前をよく見ていなかった」と供述しているという。
        また、バスのドライブレコーダーに記録によると、車内で
        観光客に案内する様子が映っており、それに気を取られていた
        ままバスを発車、その為の前方不注意による事故だったようだ。
         この事故に対するコメントでは、「客は運転手に話し掛ける
        べきではない」と意見している方もあり、その通り乗客は運転に
        差し支えないように心掛ける事も必要かと思う。
         生活になくてはならない交通網のバスだが、バスは列車や
        飛行機とは違い、公道を走る交通手段。他に公道を走る乗用車や
        トラック、自転車など、多種多様な車種が走る場所でもある。
         運転手が気を付けるのは勿論だが、その運転に支障をきたす
        ような行為は極力控えるべきではないだろうか。
「分からぬか。それはお前がこの地で子孫を残さねばならんという
意味だ。アトラテックでお前の子孫を残す為の相手を連れてこられな
かった。だからやり残した事は無いかと聞いたんだ。」
「いや、そんな相手いねえよ。」
「そうか。という事はこのユーラントの地で相手を見つけなければ
ならないという事になる。つまり、お前の花嫁はこのユーラントの
人間という事にもなる。」
「ちょ、ちょ・・・ちょっと、待て。な、ななななななんでそんな話に
なる?」
「そうだな。勇者ロナウハイドが日食を迎えるまでにやらなければ
ならぬ事の一つだな。」
ユーラントもそう言ってユーリウスに微笑みかける。
「考えてもみろ。未来人はお前の子孫なんだぞ。当然ではないのか?。」
「・・・おっ・・・お、おやっ・・・親父はどうなんだ?。俺と
同じ遺伝子はあるだろう?。」
「私にはアトラテックの血はない。それに私も母さんもこの歳では
これ以上子孫は残せないぞ。」
もう返す言葉が無いユーリウス。頭の中に、教科書に出てきた
「ホモ・アトラス人」や「大海洋型原人」想像図が浮かぶ。
「・・・俺のタイプじゃないし・・・。けど、文明が興っていないと
なると・・・。変な妄想だけは避けたいのに・・・。なんで?。」
ユーリウスは頭を抱えた。
 とは言え、子孫や遺伝子などと言われたところで正直どうしたら
いいのか分からない。実はユーリウス、未だかつて発情した事はない。
女の子と寝台を共にした事はあったが、身体が反応した事はなく、
未完全のままコトを済ませていた。だから子孫を残す相手と言った
ところで、刺激を受けても体が反応しない。なので子孫を残そうと
する欲求もない。発情しないという事は子孫を残す行為が出来ないと
いう事になる。第一女の子に対しても興味がない。過去に身体が
反応しない事を友人のUPE-HE‐6G上尉に相談したところ
「それって、病院に行った方がいいんじゃないのか?。」と
真面目に心配されたこともあったが、結局は病院に行く事もなかった。
  

   あとがき: 痛ましい事故が起きた。20日、池袋の都道で乗用車が暴走、
        10人の死傷者が出た。運転していたのは87歳の男性。事故が
        起きた時、「アクセルが戻らなくなった」と話しているという。
        この事故で31歳の母親と3歳の娘が死亡するなどの痛ましい
        事故となった。これを受けて警視庁ではアクセルなど部品に
        トラブルがなかったかを確認したが発見できず、運転手の
        操作ミスが原因と見ているようだ。
         運転していたのが87歳という年齢だった為に、世論では
        「免許返納しなかったのか」という意見が多い。原因が
        操作ミスではないかとみられている事なら尚更だろう。
         地方都市に住む人間から言わせてもらうと、こんな都会なら
        自分で運転しなくても交通に不便は感じないはず。早めに免許を
        返上し、運転を「引退」していたらこんな事故を起こす事は
        なかったはずだ。
         事故を起こしてからでは手遅れだ。高齢になれば確実に
        判断力は鈍って来る。不安を感じたら運転をきっぱり諦める
        勇気も必要だろう。

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