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「あ・・・え、何だ?。」
「足元が見えにくいので気を付けて下さいね。」 「ああ、うん。分かった。」 「ええと、どんなのを取ればいいんだ?。」 そう聞かれて、オルケルタは辺りを探した。木を見上げ、手を伸ばした。 ぶちっと音を立てた。彼女の掌にはまるで宝石のように光る木苺が 握られていた。 「うーん・・・。木苺はこの位熟れていれば良いかな。」 「あと・・・何だっけ?。」 「苔桃の実、それから胡桃。まずは私が熟れてる実を探してきますので それを参考にして下さいね。」「うん、分かった。」 二人は木の実取りに夢中になっていた。 やがて持ってきた籠に沢山入った。 「そろそろ行くか。これだけあれば十分だろう。」 「そうですね。」二人は帰り道を急いだ。 「みんなどこへ行ったかな。」気づけば随分奥の方まで来てしまった らしい。 「あ・・・ちょっと。」 「どうした?。」「あそこ・・・あの枝のところに木苺が。」 「高いぞ。俺がとってやるか?。」 「大丈夫、こう見えても私、木登りは得意なんです。」 「そうなのか?。」 そう言っているうちにオルケルタはひょいひょいと木を登って 行った。「・・・いっ。」 何気なく下から見上げたユーリウス。なんとなくスカートの中が 見えそうだ。「まずい・・・。」 また変な妄想が頭の中に浮かぶ。理性を保つ為、視点を変えた。 「あ、・・・オルケルタ。そこ・・・枝が折れそうだぞ!!。」 「えっ・・・。」 しかし、そんな指摘も間に合わず、枝は折れ、オルケルタは バランスを崩してしまった。 「危ない!!。」ユーリウスは急いで駆けつけ、何とかオルケルタを 受け止めた。 「・・・よかった。」 よく見るとすぐ目の前にオルケルタの顔がある。 「あ・・・ご、ごめん・・なさい。」 ユーリウスは心臓の鼓動が早くなるのを感じた。オルケルタは 地面に足をつき、ユーリウスから離れようとした。だが、ユーリウスは オルケルタの腰から手を離さない。 「ロ、ロナウハイド様・・・?。」 ユーリウスは思わずオルケルタの唇に自分の唇を重ねた。体中が 熱くなり、甘酸っぱい感覚が広がる。 「あ・・・。ロナウ・・・。」 最後まで言い切らないうちにオルケルタの唇はユーリウスの唇で 塞がれてしまった。 あとがき: 28日朝、川崎市でスクールバスを待っていた児童17人と大人2人が 男に次々と刃物で刺され、小学6年生の女の子と児童の保護者の男性 2人が亡くなった「川崎殺傷事件」。事件の様子が少しずつ分かって きた。 この子供達は登戸駅の近くにあるカリタス学園に通う児童達。 通学の為スクールバスを待っていた所へ、岩崎隆一容疑者が両手に 包丁を持ち、無言で列の後ろから切りかかったという。その後 岩崎隆一容疑者は自ら首を刺し搬送先の病院で死亡が確認されて いるそうだ。 理由もなく人の命を奪う行為は決して許されるものではない。 ましてや抵抗できない女性や子供が犠牲になるのはあまりにも 耐え難い心境だ。 この事件で犠牲となった小学6年生の栗林華子さん(11)の 両親が29日、弁護士を通じて次のようなコメントをだした。 「人生で最も大切な、最愛の娘を突然奪われ、今は全く気持ちの 整理がつかない状態です。ただただ、失ったもののあまりの 大きさと深い悲しみに打ちひしがれております。」 当事者ではない自分も、胸を打ちひしがれる思いだ。だが、この 両親の言葉も加害者の耳に届く事が無いのが無念だ。 |
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「ええ、本当はオオカミだけでなく、森には要注意な生き物が沢山います。オオカミ程ではないですが、キツネやイノシシなど怖い動物は沢山
います。」
「コヨ−テとか?。」「コ・・・何ですか?。」 「コユーテは居ないのか・・・ふうん。じゃあ、魔法の生き物とかは、 いるのか?。」
「中にはそういったのもいますけど、彼らを興奮させなければ大丈夫 かと。」
「そうか・・・。」 森の入り口に到着した。「ロナウハイド様。我々年寄りはここで 採っているから、若いモンは奥の方を宜しく頼むぞ。」
長老とドッホじいさん、カミラばあさんの三人はその場で作業を始めた。
そうか、いざとなったら自分がオルケルタを守ってやらねばならない。
いや、まてよ。ここで何かピンチの事があって、自分がカッコよく守って
やったら・・・。無意識のうちにユーリウスは妄想に浸っていた。 「・・・様?。・・・ロナウハイド様?。」 「え・・・あ・・・な・・・な、何だ?。よっ、呼んだか?。」 「どうかしたのですか?。」「い、いや・・・べっ、別に・・・。」 いや、今の行動は絶対怪しいだろう。ユーリウスはオルケルタが気付か ないようにと祈った。幸い、感の鋭いヨシュアはユーリウスの剣術の
一番弟子を名乗るだけあって、先頭を切って歩いていたので気づかれない
ようだったが。
「今日は沢山取れるといいけど。」「ああ。うん。」 森の奥は思ったより薄暗い。慣れているのか子供達は、自分たちの お気に入りの場所を見つけ、陰の方へと走っていった。
「こらこらあんた達、そんな奥へ行ったら危ないよ!!。」 イーダおばさんは子供達を追ってその場を離れた。 「・・・あの・・・ロナウ、ハイド様・・・?。」 「・・・え、・・・な、なに?。」
オルケルタがいきなり話しかけてきたので少し驚く。 「私達は・・・、その、あ、あっちに大きな木苺の木があるので・・・。」 戸惑いながら訊ねてくる。 「あ・・・何?。一緒に行こうって・・・事?。」
するとオルケルタはこくりとうなずいた。「うん、いいよ。行こう。」 ユーリウスはオルケルタに着いて歩きだした。 ユーリウスは歩きながら、何か出たら自分に抱きついてこないかな、 とそんな事を考えていた。二人きりという状況はユーリウスの妄想を
掻き立てるのにはもってこいだ。
「・・・様。ロナウハイド様・・・。」 あとがき: 東京都江戸川区で10年振りに改訂された水害に対するハザード マップが話題を呼んでいるという。表紙には「ここにいては ダメです」と大きく書かれており、更に、「浸水のおそれがない その他の地域へ」と、江戸川区以外への避難を促す表現が書かれ ている。 なぜこのような表現になったのか。それは江戸川区が位置する 地形が大きく関係しており、周囲には江戸川や荒川などの河川と 東京湾に囲まれている事と、江戸川区自体が水面よりも低い土地に なっている為だという。それ故に大きな水害が起きた場合、区内の 殆どの地域で水害になる恐れがあるからだという。 確かに、ここ近年大きな水害に見舞われる地域が多い。特に東京都 の東部は江戸時代まで海だったと聞く。そういった場所は水害には 弱いらしく、特に江戸時代の埋め立てとなると現在ほど技術がなかった 為、地盤も貧弱なものだったと思う。しかし、それにも拘らず土地開発 だけが先行していた為、現在のような状態になったのかと思う。 それが災害を大きくする要因となるなら、こうして、直接的に訴え 掛けるより他にないと考えたのだろう。これなら分かりやすいし、 現実味を帯びている。自分が今居る地帯が「危ない地域」との認識が あれば、何かあった時でもすぐに避難を開始する事が出来るだろう。 そういった意味を含める表現だったのだろう。逆に言えば、そこまで しないと非難を現実的に捉えられない人がいるという事になる。 「命を守る行動」であるならこの表現も納得できるのではないか。 |
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「『独占』・・・どういう事なんだろう。」
軍を退役してからも身体は鍛えてはいた。ムキムキマッチョではない ものの、それなりに筋肉は付いており、腹筋も割れてて、見栄えは いい方だと密かに思っている。 「女の子達が興奮していたって事は、『かっこいい』とか思って たのかな?。俺、ひょっとしてモテてるってことか?。」 勝手に想像して顔がにやける。 「あ・・・けど、オルケルタは・・・。」 母の言う「独占」という言葉が気になる。 「他のコには見せたくなかった。自分だけの目に焼き付けたかった!?。 それって。」 都合のいいように妄想する。するとユーリウスの体の一部が一瞬で 変化する。 「うおっ・・・またかよ。」 「じゃあ、ロナウハイド様も一緒に行って下さるのですね。」 オルケルタは荷車に籠を並べた。 「途中オオカミや危険な生き物などがいたりするから気をつけ なされよ。」 「オオカミか?。はあ・・・分かりました。」ユーリウスは荷車を 引きながら答えた。森の木の実が収穫を迎えるこの時期、冬までの 食料など様々に活用できるものを調達する。 畑仕事など体力が必要な男達と違い、体力の消耗も少ないことから そういった仕事は、老人や子供、女達の役割となっていた。 ユーリウスは今日は畑仕事ではなく、用心棒や荷車引きなど、 どうしても男手のいる仕事を任せられることになり、こちらの 手伝いを頼まれていた。 長老テオドールと、集落の老人ドッホじいさん、カミラばあさん、 未亡人のイーダおばさんそれから、イルザとヨシュア、 カスターニェンの三人の子供達、そして・・・オルケルタと共に 出発した。 「なあ、長老が言っていたけど、オオカミの他に危険な生き物って 居るのか?。」 ユーリウスはオルケルタに尋ねる。 あとがき: 白昼の公園付近に戦慄が走った。昨日28日の朝、神奈川県川崎市で スクールバスを待っていた小学生らに男が近づき、つぎつぎと刃物を 向け、刺していったという。大人2人を含む計18人が死傷を負う惨事と なった。加害者は市内に住む51歳の男とみられ、その場で自分の首を 切り、搬送先の病院で死亡が確認されたという。警察は通り魔事件として 捜査しているという。 子供が犠牲になる痛ましい事故が起きてしまった。ここ暫く交通事故で 子供が犠牲になる事故が相次いだが、今度は殺人事件となると、世の中は いったいどうなっているのか、とさえ思う。 何はともあれ、痛ましい事件には変わりはない。加害者の男が死亡と なれば、犠牲になった子供達が浮かばれないだろう。動機さえも謎のままと いう事になる。 なぜ子供達が犠牲にならなければならないのか。加害者に対し憤りは 隠せない。 |
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「・・・あらあ、確かにいい体してるわね。ケイテとゾフィが噂
してたわよ。女の子達が興奮して話していただけの事はあるわねえ。」 そう言いつつユーリウスの胸板を軽く叩く。 「えっ・・・。」 もうそんなに目撃情報が広まっていたのか。ユーリウスは何かまずい 事のように思えておばさんからの会話を適当に交わし、幕舎へ向かった。 その夜、夕食の時にその話をすると、母は何故か意味ありげに答えた。 「ふうん・・・。オルケルタちゃんがねえ。で、洗濯して貰ったの?。」 「うん・・・。夕方には乾いたって、持って来て貰った。」 ユーリウスは少し考えた。 「そういえば・・・オルケルタ、なんか機嫌悪かったみたいなんだ。 で、さあ。俺、何か悪いことしたのかなあって思って、不可抗力とは いえ、上半身裸で歩く事が不機嫌になった理由なのかなあって。」 「・・・そうかしら。けどそんな理由でそう思うのかな?。」 「違う理由があるって事?。」 「そんな風に思えるのよね。だって・・・魚取りする時、男の人達は みんな裸じゃない。あんたにだけそんな風に言うのには何か理由が あるんじゃないかって。」 「あ・・・そうか、そうだよな。じゃ、何で?。」 「他の女の子もいたわけでしょ。それでその姿に色々噂して いたんでしょ。」 「そうみたいだけど・・・。」 「ほかの女の子にも見られた、って事が気に食わないとか・・・。」 「何だよ、それ?。」 「あんたのその姿は、誰にも見せたくなかったって事・・・かな。 その姿を『独占』したい、とか・・・?。」 「え・・・どういう意味?。」 「ま、そこから先は、自分で考える事ね。」 そう言うと母は食べ終わった食器を片付ける為に流し場へと 向かった。 「ふん、ふんふーん・・・。」 「なんで鼻歌なんか歌ってるんだよ・・・。」ユーリウスは小声で 独り言を呟いた。 その夜、ベッドに入ってから色々な事を考えた。 あとがき: 皆様は「5月病」について見聞きしたことがあるだろうか。 今年の5月ももうそろそろ終わりだが、今年は史上稀にみる 10連休だった事もあり、連休明け元の生活リズムに戻すのに 苦労された方も多かったのではないだろうか。 そもそも5月病とは、年度と共に新しい生活をスタートさせ、 その環境に必死で合わせようとしているが為に肉体的、 精神的にそのしわ寄せが起こるのではないかと思う。例えば 新しい仕事を覚える為に必要以上に無理をしたりし、連休中の 気のゆるみで体に影響が出るのではないか、と思っている。 皆様は如何だっただろうか。この時期、体調も悪くならずに うまく乗り切れただろうか。まだ何となくだるさが続いている 方は無理をせず、すこしの間横になったり、休憩を挟むなど してこの時期を乗り切って頂きたい。 これから梅雨入りや夏の暑さなど、普段の状態でも体調を崩し がちな季節に入る。今のうちに生活リズムを元通りに整えて おくことをお勧めする。 |
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「こら、おとなしくしてろ。」
ユーリウスは胴体を押さえ、小屋の奥の方へと離した、がその瞬間、 アヒルの最後の攻撃を喰らってしまった。「んげっ!!。」 ユーリウスのシャツにべっとりとアヒルの糞が付着している。 「ああっ!!、ちっくしょ!!。やってくれたな。」 怒っても相手は家畜。とにかくさっさと作業を終わらせ、シャツに 着いた糞を落してから畑に行く事にした。 「あーあ・・・、最悪・・・。」 ユーリウスは卵を食糧庫にしまい、洗濯をする為シャツを脱いだ。 そして集落の崖下にある小川に向かった。「あ・・・。」 女の子達三人とすれ違う。 「あ・・・お、おはよう、ご、ござい、ます・・・。」 「あ・・・ああ。お、はよ・・・。」 ケイテとゾフィとそしてオルケルタだ。ただ、三人ともなぜか よそよそしい。 だが、そんな事を気にしている場合ではない。上半身裸の まま小川へと急ぐ。「ロナウハイド様。」 ふり向くとオルケルタが追いかけて来た。「・・・どうしたの?。」 オルケルタはなんか不機嫌な様子だ。 「そ・・・そんな格好で、その、あまり・・。うろうろ しないで下さい。」 「え・・・あ、そ、そうなのか?。」 裸になっちゃまずかったのか?。別に見せびらかすつもりなんて なかったが、ダメならダメですぐに着替えるつもりではあったが。 ユーリウスは事情を説明し、洗濯が終わったら着替えて畑に 向かうつもりでいたと、話した。 「そんな事が・・・。」「じゃ、俺、急ぐから・・・。」 オルケルタとはいつまでも話をしていたいところだが、そうは いっていられない。 「あの。」 オルケルタが再び呼び止めた。「何?。」 「お洗濯、私がしますのでロナウハイド様は早く着替えて下さい。」 「え・・・でも、いいよ。俺のシャツだし・・・。」 するとオルケルタはいきなりシャツを奪った。 「お急ぎなんでしょ。じゃ・・・。」 ユーリウスが呆気にとられているうちに、オルケルタは小川へと 走って行った。 「ま・・・お願いするか。」 そう言ってユーリウスは着替える為幕舎へと向かった。 「あら・・・ロナウハイド様。」 集落一噂好きのおばさんがユーリウスを呼び止めた。 あとがき: 「週末から週明け27日にかけて、北日本上空1500m付近に 18〜21℃という真夏でもあまりないような暖かい空気が 流れ込んできます。」 ウエザーニュースの記事によると北海道の帯広は26日が 36℃、27日が35℃になるとの見込みだそう。また北海道 だけでなく、26日は前橋や宇都宮などでも猛暑日の所もある 予想だそうだ。 5月のこの異常なほどの気温の上がり方に気象庁は熱中症 などのリスクを警戒し、注意を呼び掛けている。皆様も 水分補給や暑さ対策を万全に心掛け、体調を崩さないように 気を付けて頂きたい。特に小さなお子さんや高齢者のいる ご家庭、又は幼稚園、保育園、学校や高齢者施設などでも、 周囲の方々は気を配るなどの配慮をし、最悪の状態に ならないように気を付けて頂きたい。 |





