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「ゲルマン殿。オルケルタがここまで言うのだから二人の仲を認めて
やって欲しい。オルケルタには、好きでもない男と一緒にさせるのは 余りにも可哀想だ。」 二人の仲って・・・やはりオルケルタには心に決めた人物がいると 言う事か。ユーリウスはこのまま耳を塞いでしまおうか、とも思った、 しかし、その相手が 誰なのかも気になる。けど、それを知ってどうなるものでもない。それは 痛い程分かっている。オルケルタが覚悟を決めてまで恋した人物・・・。 そしてせつな過ぎる自分の想いが、あと少しで崩れるかもしれない。 「だがな・・・私としてはこの集落に一人でも多くの・・・。」 「それは分かっている。それに私も何度もその話はした。それも判った 上で言うのだから。オルケルタには幸せになって欲しいし、それに・・・ 大々的に結婚式を上げることで、集落の若者の結婚に対する意識を 高めると言った効果も期待できるのではないだろうか。」 「まあ、それも一つの考え方かもしれん。だがな、奴はどう考えて いるのか。奴がオルケルタに惚れていたようだったのは前々から 知ってはいたが。」 奴・・・?奴って誰だ・・・?。 ユーリウスは耳を塞ごうかどうしようか悩んだ。その時突然 パーテーションが外された。「あ・・・。」一瞬、オルケルタと 目が合った。 「・・・ロナウハイド様!?。」 「ユーリウス・・・どこまで聞いていた?。」 どうやら父には完璧に気づかれていたらしい。ゲルマンは怖い顔を してユーリウスに訊ねる。 戸惑うユーリウス。聞いてはいけない事だったのか。自分は部外者 なのか。だとすればオルケルタが想いを寄せる人物は、自分とは違う、 全く関係のない者なのか。もう何も答える事は出来ない。このまま 消えてしまいたい。ユーリウスは目を閉じ、俯いた。 「ユーリウス。聞いているのか?。」 再びゲルマンに訊ねられ、ユーリウスは目を開けた。ところが、以外にも 怖い顔をしていたゲルマンも次第に苦笑いになった。 あとがき: 岩手県立博物館で、東日本の遺跡から出土した文化財を、学芸員らが 所有者に無断で一部を切り取っていた事が分かった。 記事によると、切り取られたのは同県奥州市の白鳥舘(しろとりたて) 遺跡、紫波町の比爪舘(ひづめだて)遺跡、軽米(かるまい)町の赤石沢 遺跡などから出土した文化財約200点にも及ぶという。 これに対し学芸員らは「分析のため」とコメントしているようだが、 専門家によれば「所有者の了承亡なく文化財を傷つける事は研究者の モラルに反する」と批判しているという。 文化財の調査というのは、ある意味破壊行為を伴う。一部を切り取り、 放射線に掛けて年代を測定する事もあり、必要な場合所有者に了承を得 てから削ったり、切り取ったりをするのだが、その了承を怠ったという 事か。 「研究に役立つのなら」と所有者が切り取りを了承する場合もある だろう。しかし、所有者が知らないところで「切り取られた」「傷つけ られた」となれば、この研究機関への信頼はなくなる。学芸員の、所有者 の心意を軽んじる行為に怒りは隠せない。 |
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