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サント・マルスと混沌の邪神
逆らえない運命なら、その運命を受け容れ、自分らしく生きる

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2019年07月

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「所詮は王が所有している『奴隷』。人間としての価値すらない。」
「ど、ド、レイ?。何だそりゃ?。」
「言ってみれば人の形をし、言葉を喋る事ができる『道具』。庇う必用
すらないかと。」
「・・・酷え事平気で言うんだな。」
「そのような輩に拘っている場合ではありません。王がどうしても
お話したい事があると仰られています。」
「こいつはどうなる?。質問に答えろ。」
「その者の処遇は所有者である王がお決めになる事。まあ、勇者様を
お連れしたのだからそれなりの待遇は認められるでしょう。」
「・・・それだけ、なのか?。」
「他に何があるというのです?。これでもかなりいい待遇のはず。奴隷
如きにこれ以上の待遇は必用ありません。」「けど・・・。」
「・・・俺の事は構うな。それに、王やシュメールには逆らわん方が
良いだろう。行ってきてくれ。」「そうか。・・・すまない。」
ユーリウスとオルケルタは後ろ髪惹かれる思いで、シュメールと共に
下へ降りた。

「・・・彼、大丈夫でしょうか。」
「ああ、そうだな。だが、今の状況では俺達には何も出来ない。まずは
様子を見るか。」
「・・・そう、ですね。」
 シュメールの側近の兵士の後ろに着いて歩くユーリウスとオルケルタ。
そしてその後ろにはシュメールが歩いている。後ろからの監視か・・・。
何処でも同じような事やるんだな・・・。そんな事を考えながら長い
螺旋階段を下りていく。
「二つ質問がある。王の話っていったい何だ?。」
ユーリウスは歩きながら斜め後ろを向く。
「私も内容までは聞かされてていませんのでね。王は直々に勇者様に
お話しされたいと申されまして。ただそれだけです。」
それを聞いたユーリウスは「使えねえ奴だな。」と小さな声で言った。
「で、もう一つの質問だが。」「何か?。」
「あのジルカメスって奴、神の力を持つって言ってたが、それって
どういう事だ?。」
「ただの噂だと思いますが、神が禁忌を犯し、人間に産ませた子だと
いうのです。そんな噂があること自体、私には信じられない。大体に
して神は感情を持たぬ身。それに人間のように子孫を残すなど出来ぬ
はず。恐らく何か人成らざることをやってのけた、いや、やったように
見せた事があって、それに尾ひれがついただけだと思いますが。」
「噂・・・か。」
ユーリウスは考えていた。天巖山脈まで戻れる手立てを。どんな手を
使っても帰る方法を考えなければならない。それには小さな情報でも
必要だ。
「神の子か、その噂が本当ならば何か手はあるかもしれない・・・。」 


    あとがき: 大阪府枚方市の遊園地「ひらかたパーク」で28日に行われる予定の
        イベントショーの練習の最中、着ぐるみを着ていた28歳のアルバイト
        男性が熱中症で死亡していた事が29日、分かった。
         男性は28日、午後7時50分頃、リハーサル中に体調不良を訴え、
        異変に気付いた同園が119番に通報したが、搬送先の病院で死亡が
        確認されたという。
         これにより園はショーの休止を決定、同園は男性の死亡を受け、
        着ぐるみを着たスタッフによるショーの休止を決定。「誠に遺憾で、
        原因究明と再発防止に努める」とのコメントを出したという。
         この季節になると必ず注意喚起を呼び掛けるのが「熱中症」だ。
        特に怖いのが、自覚症状が現れにくいと言ったところだろう。
        喉の渇きを感じた時点で症状がかなり進んでいるので、すぐさま
        水分補給は勿論、体の熱がこもりやすい部分を冷やすなどの対策を
        取るなどして、回復に努めるべきだ。その他口の渇きや手足の冷え
        等を感じたら暑い場所を避け、水分や塩分を摂取し、体調が戻るのを
        待つなどの対処が必要だという。
         着ぐるみショーのアルバイトの男性は、練習に気を取られたのか
        スタッフの指示なのかは分からないが、自覚症状に気づけなかった
        事は気の毒としか言いようがない。
         遊園地などの観光地は夏休みの呼び物としてこういったショーを
        行うところも多いだろうが、こういった事故を頭に入れ、夏の営業に
        励んで頂きたいと思う。
ユーリウスは下を見下ろした。どうにかしてこの場から逃げ出したい
ところだが、空の上ではどうしようもない。足もとが落ち着く場所に
着いたら、何か逃げ出す方法を考えるより他にないだろう。
 ただ、そこから逃げ出せたとして、天巖山脈までどうやって
戻ろうか。
「焦るな焦るな・・・。」心の中でそう言い聞かせ、とりあえず
様子を見る事にした。

 やがて、星空にも届きそうな高い塔が見えてきた。ウシュルガルは
ユーリウス達を塔の天辺に降ろした。「ここは・・・?。」
「ハビロの塔。ランムラビの守護神シュメールが建てた塔だ。」
すると自分たちの方へ近づいてくる者がいる。
「お待ちしておりました。勇者ロナウハイド様。」
ユーリウスは直感で分かった。
「あんたがこのランムラビとか言う国の守護神シュメールか。」
「さすがは勇者様。この私を一目見ただけで理解されるとは。」
「シュメール!!。約束が違うだろう。俺の仕事は勇者
ロナウハイドをヒルタイトから助け出すんじゃなかったのか!?。」
ジルカメスはシュメールに食って掛かる。
「下等な者が偉そうに何を言う。」
ジルカメスは見えない力で壁に叩きつけられた。その衝撃で額が
切れたらしく血が滲み出ている。
「まだわからぬようだな。この私に逆らうとどうなるか。」
シュメールの魔力で何度も痛めつけられるジルカメス。遂には動く
こともできなくなった。
「何をするんだ!!。」
思わずユーリウスはそう叫び、ジルカメスの元へ近づいた。彼の
事を信用していた訳ではないが、一方的に嬲り者にされている姿を
見るのは忍びない。
「大丈夫か?。」「す・・・まん。」
「この計画にはもっと続きがあって、勇者様をお助けした暁には、
我が国へお案内する
筋書きになっていた。」「なんだと・・・・。」
ジルカメスはシュメールを睨み付ける。
「用は済んだはず。預けておいた魔法は返して貰う。」
シュメールは手を翳し、ジルカメスから魔力を奪い取った。
「神の力を持つなどと噂されていたから、その力量はどんな
ものかと様子を見ていたが、こんな子供騙しの作戦を真に受けて
しまうとはな・・・。」
と言いながらジルカメスをつま先で蹴飛ばした。
「邪神から世界を救う為、囚われの身の勇者様を助け出すんじゃ
なかったのかよ・・・。」
か細い声でジルカメスは反発する。
「単純な奴だ。貴様が振りかざしている『正義感』とやらをうまく
利用されているとも知らず、こうも言うことを聞いてくれると
思わなかったな。奴隷の考える事。自分の浅はかさを恨むんだな。」
「・・・くそっ。」
「勇者ロナウハイド様。この階下で我がランムラビ王ニムロデが
お待ちです。こちらへ。」
「待て。こいつはどうなる?。」
ユーリウスはジルカメスを庇う。

     あとがき: マリナーズの菊池雄星投手が日本時間25日に 花巻東高校と大船渡
        高校による夏の甲子園大会岩手大会の決勝戦について語った。
         母校、花巻東高校の選手らの健闘を称え「後輩達から元気を
        もらった」と答え、また、今話題の大船渡高校ピッチャー佐々木朗希
        選手についても語ったという。
         佐々木選手と言えば、決勝での登板を回避し、甲子園出場を逃した
        事で賛否を呼んでおり、国保陽平監督はその理由を「故障を防ぐため」
        と説明している。
         その事について菊池は「投げる投げないということが問題ではなく、
        そういう日程にさせてしまっているということをもう少し全体的に
        考えていかなきゃいけないなというふうに僕は思います。」と
        述べたという。菊池自身も準決勝の中京大中京戦では背筋痛で先発を
        譲り途中からマウンドに上がったが、痛みが増し11球で降板。その後の
        精密検査で左の肋骨が骨折していたことが判明した、という経験を持つ。
        その為、選手の故障を防止するための過密日程解消を強く語ったという。
         野球の事は詳しくは分からないが、団体で行うスポーツはチーム
        プレイが大事だと思う。時には団結力がチームの勝敗を左右する場合も
        あると思う。そう言った中での監督の采配はかなり勇気があったと思う。
        ここで無理して投球し、勝てて全国大会に行けたとしても、それが理由で
        大好きであろう野球が出来なくなったら、後悔し、苦しむのは誰か、
        そう考えると、監督の決断は正しかったのかと個人的に思う。
         佐々木選手には、甲子園出場よりも、もっと先を見据えた未来に向けて
        ボールを投げ続けて欲しい。
 ユーリウスはオルケルタを抱えたままその生き物に飛び乗った。
ジルカメスも元の姿に戻り、飛び乗った。
「・・・こいつは、何だ?。」
「ランムラビ王国の守護神シュメールが使わした龍、ウシュルガルだ。
こいつは凄いぞ。一瞬で千の山と千の大河を越えられる力があると
いわれている。ただ、こいつは守護神シュメールの命令しか聞かない。
シュメールの主従であるランムラビ王ニムロデのいう事さえも
聞かないというんだ。」
「・・・そうなのか・・・。」
ユーリウスはあっという間に小さくなっていくヒルタイト宮殿を
眺めている。あとはこれで・・・。
 なんとなく嫌な予感がしたユーリウスは懐からエーアデ儀を
取り出した。「待て!!。」「何だ?。」
「引き返せ!!。俺達は今反対方向、つまり東へ向かっている。」
「・・・な、何だって!!・・・。嘘だろう。」
「間違いない。こいつを見ろ。」ユーリウスはエーアデ儀を
ジルカメスに見せた。
「赤く光っているところが今俺達がいる場所だ。そして俺が戻ろうと
していた天巖山脈からはどんどん離れて行ってる。」
「そ、そんな・・・。」
「引き尾返せ。せめて天巖山脈まで戻ってくれ・・・頼む。」
ジルカメスが叫ぶが龍、ウシュルガルは言う事を聞く気はない様だ。
「くそっ。」
「・・・シュメールの命令・・・なのか。なんてこった。・・・。
だとしたら、元に戻るのは無理だ。」
「何故!?。」「さっきも言ったとおり、こいつはシュメール以外の
命令には絶対に従わない。」「そんな・・・。」
「すまない、俺も気づかなかった。道理であの時二つ返事でこいつを
借りれた訳だ。始めから俺に勇者ロナウハイドを連れて来させる
つもりだったって事かよ。」
その姿にユーリウスは何も言えないでいる。
 見るとオルケルタが俯いている。不安なのか。ユーリウスは
オルケルタにだけ聞こえるように小さな声で囁いた。
「俺が必ず守ってやる。」
するとオルケルタはこくりと頷いた。
 ユーリウスはジルカメスの方をちらりと見る。やはり罠だった
のか?。奴を信じてヒルタイトから逃げ出したものの、今度は
ナントカという国に連れて行かれる。
「助けに来た。」ジルカメスのその言葉を鵜呑みにしてのこのこ
着いてきた自分に非があるのか。だが、そうでもしないと、動く
こともできずにただ時間だけが無駄に過ぎていくばかりだった
だろう。この者を信じるかどうかより、今自分が置かれている
立場を考えた方がよさそうだ。

    あとがき: 夏の甲子園大会の地区予選岩手県大会で外国の野球関係者が注目する
      選手が現れた。大船渡高校3年のピッチャー佐々木朗希選手(17)。
      メジャーリーグで活躍中の菊池雄星や大谷翔平を生み出した岩手で
      二人に続く注目の選手となっている。その注目度は「令和の怪物」と
      まで呼ばれ、その剛速球は163キロと同郷の先輩である大谷の花東時代の
      記録を上回る凄さだという。中学時代は141キロを投げていたという事も
      あり、野球の名門校である大阪桐蔭高校、メジャーリーグで活躍中の
      菊池雄星や大谷翔平を生み出した花巻東高校などの推薦もあったそうだが、
      「大船渡第一中学校時代から一緒にプレイしている同級生達と一緒に野球を
      したかったから」という理由でそれを断ったという。
       実は佐々木選手、かなりの苦労人らしく、小学3年生の時に東日本
      大震災で父親を亡くし、生まれ故郷である陸前高田市から大船渡への転校を
      余儀なくされたそうだ。以来、兄、弟と共に母親一つ手で育てられたという。
       その母親への負担を考慮してなのか、経済的負担の大きい以私立高校
      ではなく地元への貢献も考えて公立高校である大船渡高校への進学を
      志したのかと思う。
       残念ながら大船渡高校は、25日に行われた決勝戦で花巻東高校に敗れ、
      甲子園の土を踏む事はなかった。だが、日米13球団27人のスカウトが
      ネット裏に陣取ったとまで言われる選手だけに、話題は終わらない
      だろう。
       環境に恵まれた私立高校ではなく、あえて公立高校で勝負した佐々木
      朗希選手。各界からの注目は当分続きそうだ。
兵士が集団で襲ってくる。ユーリウスは一人の兵士に襲い掛かり槍を
奪った。それから今度は剣を持った兵士に襲い掛かって、今度は剣を
奪った。
「こいつは貰った。山賊の剣は家に置いて来ちゃったからな。」
そう言って兵士を蹴り飛ばす。
「どっちかって言うと、剣のほうが身動きが取れやすいんだよね。」
そう言いながらユーリウスは兵士の集団をいとも簡単に強行突破して
いく。
「逃がさん!!。」
 後ろにはハットゥシャが掌を翳して構えている。
「・・・この者が手引きをしていたのか。」
ハットゥシャは碧い鳥に向かって攻撃を仕掛ける。鳥はなんとか
攻撃を避ける。
一方、兵士達はユーリウスに攻撃を仕掛けるが、大半の兵士は
ユーリウスの強さに腰を抜かし、身動きが取れない。
ユーリウスは鳥を庇いながら兵士を睨み見つける。
「道を開けろ。そっちが攻撃できないならこっちから行くぞ!!。」
再び兵士の集団に襲い掛かっていく。
「これだけの人数をたった一人で・・・。」
恐れをなす王。「この強さ・・・一体何処から・・・。」
ハットゥシャも驚きを隠せない。
「だが、思うようにはさせん!!。」
と、再び鳥を攻撃し始めた。
 「し、しまった!!。」
鳥は銜えていたオリーヴの小枝を落としてしまった。
「・・・何ッ!!」ユーリウスは丁度今蹴り飛ばしたばかりの
兵士に向かって走った。
そしてしゃがみ込みながらい痛みを堪えている兵士を踏み台に
して飛び上がった。
「・・・オルケルタ!!。」
空中で小枝を受け止める。と、同時に魔法の効果が切れ、
オルケルタは元の姿に戻った。
「・・・あの娘が・・・部屋にいたのではなかったのか!!。」
ハットゥシャは手を翳そうとした。その時急に強い風が舞い
上がった。
「ロナウハイド!!。こいつに乗れ!!。」
ジルカメスが叫んだ。空から巨大な竜のような形をした生き物が
ユーリウスの目の前に降りてきた。

  あとがき: 21日、千葉の幕張メッセで行われた千葉市の幕張メッセで行われた
       人気マンガなどのイベント「ジャンプビクトリーカーニバル2019」の
       会場で、不適切な動画が撮影された。来客の一人とみられる男性が、
       別の男から体を押し付けられるなどの嫌がらせとも取れる扱いを
       受け、また更に別の人物から男性の頭に炎を放たれたという動画だ。
        この3人についての関連性までは語られていないが、被害者と
       思われる男性は、嫌がらせ行為をした男の仲間と思われれる人物から
       指差して笑われるなどの行為も受けていたようだ。
        被害を受けたと思われる男性は、その後警備員に話しかけ、被害を
       訴えていた様子だが、はっきりとは分からない。
        この動画について専門家は、男性の髪の毛が燃えてしまっている
       ので傷害罪や暴行罪などの成立が考えられると言い、発火の際に
       使われた道具を提供したなど一緒に今回の事件に関わっているので
       あれば共犯として罪に問われる事になるそうだ。
        イベントを主催した集英社は「手荷物検査や警備・監視を強化し、
       危険行為などの禁止事項の周知に努めてまいります」とコメントした。
        悪戯にしてはあまりにも悪質だ。悪ふざけでやった行為だとしても
       怪我や不快感を与えれば罪に問われると分かっていないのだろうか。
       火を点けて燃えるのを見て笑っている行為も見ていて腹立たしい。
        怪我をさせた、また最悪会場で火災が起こってしまったら、「悪戯」
       では済まない。もしかしらた、こういったイベントの開催さえ
       危ぶまれるのではないか。
        そう言った事も考えもせず、危険かどうかも判断せずこういった
       行為を繰り返す人々に、それを理解させるのは難しいのか。
しかし、ユーリウスの方が一足早く、廊下を走り出した。
「・・・な・・・。」
「そうはさせん!!。」
ユーリウスは巧みにハットゥシャの攻撃を交わしながら、中庭に行こうと
する、が、
二階で行き止まりに突き当たってしまった。「・・・残念だったな。」
「・・・そうか?。そればどっちの話かな?。」「何だと。」
ユーリウスはいきなりバルコニーから飛び降りた。「ば・・・馬鹿な。」
低木の上に飛び降り、そこから更に下へ降りる。中庭まで降りると
碧い鳥が空から合図をする。「そっちか・・・。」ユーリウスは走り出す。
しかし、逃げ出した事に気づいた兵士達によって囲まれてしまった。
「困りますな。ロナウハイド殿。そなたは私の要望にまだ答えては
貰っていない。お返事を頂かない事にはここからは出られませんが。」
「断る。そう言ったはずだ。」
「私にとってはそんな言葉は答えではない。『了解した』それ以外の
選択肢は無いかと思いますが。」
「なる程、始めからそういう計画だったって訳か。俺達を捕らえて
おいて、望む答えが出るまで精神的に追いつめておこうとしてたのか。
やり方が汚ねえな。ま、もっとも王がこんなんだから守護神もどう
しようもないって訳ね。」
「何だと。王に向かってそのような口の聞き方を・・・。」
「王・・・?。王の事はどうでもいい。それよりも寧ろ王の下僕で
ある守護神だ。考えてみればすぐに分かる事。自分で張った結界
なのにいちいち様子を見に来るって事は自分が張った結界の中を確認
する為の能力がなかったって事か。」
「何っ・・・。」
「俺がオルケルタといちゃついている間何度様子を見に来た事か。
最初は虫を放して様子を見ていたようだが、虫の存在に気づかれた、と
なれば虫はもう使えない。だから何度も様子を見に来ていたんだな。」
ハットゥシャは何も言えないでいる。「図星か。」
ユーリウスは何とかハットゥシャから距離を置こうとする。不意に
後ろに何かの気配がした。「ジルカメス・・・来たな。」
それを確認すると、ユーリウスは宮殿の外に出る為、少しずつ移動
し始めた。
「勇者ロナウハイドを捕らえろ。」
王の命令で兵士達が集まってきた。「まずいな・・・。」

  あとがき: アニメ制作会社「京都アニメーション」が18日に起こった放火殺人
       事件を受け、同社への支援金を受け入れる為の専用口座を開設すると
       明らかにした。犠牲者の家族や負傷者の補償などに充てる方針。
        京都アニメーション通称「京アニ」の弁護士は「会社は支援を受ける
       社風ではない。しかし、皆さんの思いに応えないのは違うという
       ことで開設を決めた」と述べ、受け取った支援金は被害者となった
       従業員の為に使う意思を示した。
        また、米アニメ配給会社「センタイフィルムワークス」は、支援金を
       募るためにインターネットのクラウドファンディングを日本時間の19日に
       立ち上げ、その日のうちに目標額の75万ドルを大きく上回り100万ドル
      (約1億700万円)を超えたという。
        今にして思えば痛ましい事件だった。容疑者の個人的な逆恨みから
       何の罪もない、寧ろ夢を与え続けている人々が犠牲になった。
        取り立てて大ファンと言う訳ではないが、アニメは好きなので、その
       アニメ制作に携わっている方々がこういう形で人生を断ち切られた事は
       悲しいとしか言いようがない。
        会社は再建されるかと思う。だが、これだけの技術や感性を持った
       従業員は二度と帰ってこないという事は悔やまれてならないだろう。

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