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サント・マルスと混沌の邪神
逆らえない運命なら、その運命を受け容れ、自分らしく生きる

書庫サント・マルスと混沌の邪神〜エイ

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更新できそうですね。
 小説の続きを更新します。但し、ある日突然終了する事を予測して、
 どこまで続けられるか、それまで更新したいと思います。
お付き合いの程、宜しくお願いします。
 これまでのあらすじ
 アトラテックで軍人を生業としていたユーリス・ヴォルフガングは
アトラテックの大陸神ティマイオスからの神託により、復活すると
いわれている邪神ヴァルタヴルカンが世界を闇に飲み込むのを阻止すると
云う使命を与えられる。同時に「世界を救う勇者」としての肩書
「ロナウハイド」の名を授けられる。その使命に従いユーリウスは封印
された大陸であるアトラテックから、異世界ユーラントへと移動し、
活動の拠点とする。そこで知り合った少女オルケルタと夫婦となり、
世界を知る為に、東の大陸エイジャンへとやって来る。そのエイジャンで
ユーリスは勇者としての肩書を狙われ、国毎に軍事に協力を求められる。
その野望を拒絶するが、そこでユーリスに協力してくれたのがランムラビの
英雄と呼ばれながらも奴隷だったジルカメス・ティグル・ティグリという
若者だった。ユーリスは彼を奴隷から解放し、自身もまたユーラントへ
戻る。しかし・・・。 
「さて、とんだ寄り道をしてしまった。帰ろう。」
ユーリウスが頭の中でサガルマータを呼ぼうとした。その前に
サガルマータは現れた。
「・・・無事だったのか、二人共。」
「すまん。心配掛けた。実は色々あって・・・。」
「・・・色々・・・?。」サガルマータはユーリウスの頭に手を翳し、それ
までの事を読み取った。
「そんな事があったのか・・・。ユーラントも心配しているから急ぐぞ。」
サガルマータは翼を広げた。二人はそれに乗った。
「デヴギリ山を一気に越える。ユーラントが放つオーラは無いが、その娘の
生命力が増幅しているなら何とかいけるだろう。」
頂上付近に差し掛かると流石に息も苦しい。
「オルケルタ。大きく深呼吸するんだ。あと、寒くないか?。」
ユーリウスはオルケルタの身体を擦り、摩擦熱で何とか暖めようとした。
「ありがとうございます。ロナウハイド様は大丈夫なのですか?。」
「俺は頑丈に出来ているからな。安心しろ。」
サガルマータは一気にデヴギリ山を越え、山の中腹に戻って来た。
「ここからあの雲みたいのに乗るのか。一気に下まで行けないのか?。」
「下にある地点は土地の形状が悪く私が姿を変えて飛ぶ事は出来ない。」
「そんな理由?。」「そうだ。」
雲のようなものは一気に下界まで降りた。
「随分時間が掛かったな。一体何があった?。」
ユーラントは心配していたようで不安げな声で二人を見つめた。流石の
ユーラントの千里眼もここまで届かなかったらしい。
「・・・ん。オルケルタよ。何か変わったようだが・・・。」
「やっぱ気づいたか。実は・・・。」
「話さなくてもよい・・・まずは。」
そう言ってユーラントはユーリウスとオルケルタの頭上に手を翳した。
「そうか・・・そんな事が。災難だったな。」
「オルケルタには怖い思いをさせてしまったけどな。」
「大丈夫です。私はずっとロナウハイド様に守られていましたから。」
「そうか、そうだな。」
「他の大陸を見て回るつもりが、とんだハネムーンになっちゃった訳だ。
けど、エイジャンの文明を観て来られただけでもよかったかなと。」
「そう思うのなら、それはそれでよかったのかもしれないな。」
ユーリウスは少し考え、覚悟を決めたかのように答え始めた。
「・・・実はさ、エイジャン大陸を見てて思ったんだけど・・・。」
「・・・どうかしたのか?。」
「エイジャン大陸にいる間、ユーラントへ戻らなっきゃって思って
いたけど、いざ帰ると、なんつうか・・・。もう少し他の大陸を見て
回って見たいなって。アトラテック大陸で生まれた俺が、こうして
封印の外である他の大陸へ行く事って凄い事なのかなって思った。
そこで・・・これは俺の我儘なのかもしれないけど・・・。
 確かに俺はユーラントの勇者。他の大陸の事は関係のないはず
なんだが、だが、世界がどうなっているかは見て置きたいんだ。その
中から、邪神ヴァルタヴルカンと互角に戦える手立てを得ることが
できないかと。そう思って・・・。」
「世界中を回りたいというのか・・・。」「ダメ・・・なのか?。」
「大陸神エイジャンから言われたからなのか?」
「それもあるけど・・・。」
「反対はせぬが、私はこの大陸内でしか・・・。」
「それは分かっている。大陸の境目まで転送してくれればなんとか
他の大陸まで行くのは可能かもしれない。勿論、自力でも頑張って
みるけど・・・。と言う訳で・・・。」
大陸神ユーラントは難しい顔で考えた。
「・・・よかろう。許可する。その目で世界を見て回ってきてくれ。」
「ホントか!!。」
「但し、一度ユーラントへ戻った方もいいだろう。皆も気に掛けて
いる。」「そっか、そうだよな。」
大陸神ユーラントは少し考えた。
 「エイジャンの与えた力について私なりに考えてみたのだが・・・。
エイジャンはただオルケルタの生命力を上げたのではない。その身を
削って命を与えたのだ。」
「命を・・・どういう事だ?。」
「考えても見るが良い。オルケルタは本来ユーラントの人間。
エイジャンの力が作用するはずが無い。だが直接命を与える事で
それを可能にしたのだ。」
「そうだったのか・・・。」
「多分、エイジャンはティマイオスの心意気を悟ったのだろう。
滅びを恐れない力、そして邪神の復活より巨大惑星の接近の方が
危機感に溢れている事。惑星エーアデの生命エネルギーを注ぎ込み
さえすれば邪神は封印できる。だが、巨大惑星の衝突は惑星エーアデ
そのものが崩壊してしまう。今回この戦いで私も、他の大陸神達も滅びる
かもしれない。しかし、新たな生命を繋ぐ者達の手で惑星エーアデの
存在はきっと守れる。そう信じている。」
「そうだな。」「・・・まずは疲れたであろう。早速・・・。」
ユーラントは転送魔法を唱えようとした。「・・・何だって!?。」
「どうした?。」
「すまん・・・デルシャまで来て貰えんか?。」「え・・・どこ?。」
答えを言わないうちにユーラントはデルシャまで転送した。

 あとがき:「8月31日、更新終了」との事で皆様にご挨拶したつもりだったが
      どういう訳かまだ更新は可能なようだ。こうなったら物語の続きを
      更新し、できるだけ皆様にお届けしたと思う。
       しばらくの間お付き合い願いたい。

お知らせ

お知らせ: 今後、小説サイト「エブリスタ」にて連載を予定して
      いますので、そちらでの観覧をお願いたします。
「大陸の守護神という者はその殆どが大陸神が産み出した生命体。言って
みれば守護神は大陸神の子供と言っても過言ではない生命体なのです。
守護神ルラルバンは私が生み出した神。そしてそのルラルバンの子で
あるあなたは、私の存在を胎内に取り込んでいる人間という事になり
ます。」
「最も近い人間って、そういう事か・・・。」
「神と呼ばれし者は守護神、大陸神共にその地から離れることはできない。
けれど人間であらば世界中その足で何処へでも行けるはず。その目で、
その耳で世界中を見聞きして回って来て下さい。そして来るべき日の
為にその力量を蓄えておくのです。」
ジルカメスは少し考えた。
「来るべき日って・・・、俺も邪神と戦えって事か?。」
「強制は致しません。ですが、ご自分が生まれた意味を考えてみて下さい。
貴方は神と人。どう考えて産まれる事の無いはずの子。私が思うに、
惑星エーアデは邪神と戦える力を持った存在を一人でも多く欲していた
はず。奇跡を起こしてまで存在を誕生させたのはそういう意味があった
からなのではないでしょうか。」
「俺が生まれた・・・意味か。」
ジルカメスは大きく頷いた。
「・・・そうだな。どうせ戦うなら、世界がどうなっているか知らないで
戦うより、知っていた方が有利かもしれないな。・・・。分かった、
引き受けるよ。」
「そうですか。ありがとう。」
「って、事は。フンヴォンは俺の子分って事になるか。」
「失礼な。子分じゃない。せめて同志にしてくれよ。」
「・・・うーん、分かったよ。」
「それから、勇者ロナウハイド。」「なんだ?。」
「結界の外にはもっと世界が広がっています。今まで回っていたユー
ラントやエイジャンとは比べ物にならない知識があるかと思います。
それを知らずにいるより、世界中を見て回り、見分を広げる事がきっと
あなたの役に立つはずです。ただ、この忠告を
受け入れるか入れないかはあなた次第。これからの人生に暖かい加護が
あるよう祈っています。」
「世界か・・・。」ユーリウスは空を見上げた。
「それでは、勇者ロナウハイド。私が天巖山脈までお送りします。」
「そうか・・・。ジルカメスにフンヴォン、色々世話になったな。」
「こちらこそ。オルケルタさんと仲良くな。」「ええ、ありがとう。」
「さあ・・・参りましょう。」
「さあ、着きました。」「やっと戻ってきたか・・・。」
ユーリウスはエーアデ儀で位置を確認した。
「貴方方にはすっかりお世話になってしましました。けど、あなたの仰る
とおり、私の大陸は私自身で守らなければならないはずですよね。そして
私には心強い味方がいる。今は彼らの力量を信じ、私の世界を守って
みせます。それからあなた方の活躍を期待しています。」
「いや、こちらこそ・・・。俺が言いたい事を解ってくれただけでも。」
「それから、もう一つ。あなたの側に居る方。」
ユーリウスはエイジャンから目を離さずに片手でオルケルタを強く抱き
締める。
「その可愛らしい方はユーラントの人間。エイジャン人と比べてとても
生命力が少ないはず。」
「どういう事だ?。」
「エイジャン達の者とは違い、ユーラント人は文明も浅く寿命も短い。
その方もあと十年程で寿命を迎えてしまうでしょう。それに生命力も低い
為、今後迎えるであろう妊娠と出産に耐えきれるかどうか・・・。今の
生命力では出産に耐え切れず命を落としてしまうかもしれません。」
「・・・な・・・何だって・・・嘘だろ。」
「心配なさらずに。私の力でその方の生命力を増幅して差し上げましょう。
恐らくこの事は惑星エーアデも予想できなかった事。確かに惑星エーアデ
には人や神の運命を左右する力を持っています。が、全て完璧ではない。
私には惑星エーアデのように運命を左右する力はありませんが、せめて
生命力を上げ、いずれ未来人の先祖の誕生に力を貸しましょう。」
エイジャンはオルケルタの頭上に手を翳した。柔らかな光がオルケルタを
包み込んだと思うと消えた。

「それでは、お元気で。世界が闇に包まれぬように私も祈っています。」
そう言ってエイジャンは消えた。
        ■■■■■■■■■■■■■■■■■■
 その後、ユーリウス達は世界を回り、神と同等の力を得ていき、世界を
 救う為に奮闘する。運命を受け容れながらも、自分の意志を貫き通し、
自分らしく生きる事を選択する。世界はどうなるのか。いずれ機会が
あれば続きをお伝えしたいと思う。

   あとがき: 遂にこの日を迎えた。Yahooブログ終了に伴う8月31日の更新
        終了前を機に、連載を中断する事にした。本日の更新で、物語の
        区切りが良いとの判断で、本日終了とさせていただいた。
         Yahooブログでは、「サント・マルスと大陸の覇王」「サント・
        マルスよ始まりの勇者」そして「サント・マルスと混沌の邪神」と
        計3本の小説を連載させて頂いた。
         このつたない3作品に、色々な方から応援やご支援を戴き、本当に
        感謝しきれない気持ちでいっぱいだ。コメントも沢山戴き、
        3作品トータルで25,000件を超える訪問者がここを訪れて頂いた
        事にも感謝したい。
         今後は心機一転、小説サイトでの再出発を予定しており、そちらの
        方での訪問をお願いしたいと思う。


   エピローグ: 物語の途中ですが、Yahooブログ終了に伴い
         連載を終了します。
         物語の序盤で連載を断念するのはとても残念ですが、
         今までお付き合いくださった皆様に深く感謝し厚く
         御礼申し上げます。
          長い間ご愛読ありがとうございました。
         以後「サント・マルスと混沌の邪神」は小説サイトでの
         再出発を予定しておりますのでそちらの方をお楽しみ
         下されば嬉しく思います。
 
「美しい方ですね。」
ふと見ると、ジルカメスが少女を見たまま固まっている。「おーい。」
「・・・まさか、一目惚れってやつ?。」「うるさい!!。」
ジルカメスは顔を真っ赤にして否定した。が、どう見ても彼の目は恋
しているように見える。
「あなたが、私を目覚めさせてくれたのですね。」
少女はジルカメスに訊ねた。
「い・・・いや、その・・・何つうか・・・いや、まあ、そんな、
トコ、かな、と?。」
ジルカメスはどういう訳か意味不明の事を口走っている。
「おい、ジルカメス、知っているか?。一目惚れっつうのはこの世界の
全てが定めた宿命の出会いなんだぜ。」「そ・・・そうなのか?。」
「やっぱりそうか。巧く引っかかったな。ジルカメスが一目惚れ、ねえ。」
「うなーっ!!。余計な事を!!。」
「それよりもさあ、早く名前を聞いたら?。ついでに彼氏とかいるの、
とか好みのタイプとさあ。」
「そうですよ。こんな美しい方には滅多にお目にかかれないかも
しれないですよ。同性の私が見てもどきどきする位ですね。」
オルケルタが少女を見て答えた。
「・・・えっ、オルケルタ・・・そっちにも趣味が・・・?。」
「違いますぅ!!。ロナウハイド様の意地悪。ものの例えです、
って。」
「じょ、冗談だって。」
 「けど、あの二人、なんかお似合いですね。」
「そうだな。・・・よし、俺が念を送ってやる。」
「そんな事が出来るんですか?。」
「俺の一念岩をも通す!!、キスしろキスしろキスしろキスしろ・・・
・ふんむっ。」
それを聞いてオルケルタは苦笑いをした。

 「ランムラビの英雄、ジルカメス様ですね。初めまして。私の名は
イシュナル。」
「なんで、俺の名を?。」
「この地に眠る守護神ルラルバン様から伺っています。ルラルバン様は
この塔がエイジャン大陸の争い事の元凶だと感じていたようです。」
「俺の・・・父親が。」
「この塔が建っている場所は嘗てティグル王国の王宮があった場所。その
中庭の丁度この場所で守護神ルラルバンは神獣の姿で三日山夜聖火で
焼くつくされた場所なのです。」
「俺の父親はこの場所で最期の時を迎えた。そして今もこの地にいるって
事か。この地に何かあるというのは、その俺の父親の力が作用していた
って事なんだな。そしてこの世界が闇に包まれるかもしれないことに
気づき、この塔を破壊させたくて誰かに訴えていた、とか?」
「その通りです。この塔はシュメールがエイジャンの者誰もが破壊
できないように強力な魔法を掛けたのです。そしてそれを成し遂げられる
のはエイジャンの者ではない人物。
まさにユーラントの勇者ロナウハイド様だったのです。ルラルバン様は
ロナウハイド様に気づいて頂きたくロナウハイド様の体調を崩させたの
だと思います。大陸神エイジャンは大陸内の国々全てに公平でなければ
ならないから、自らの意志ではそれを破壊する事はできなかった、けど、
異大陸の人間であるロナウハイド様のご依頼とあらば可能だったと
いう事なのでしょう。」
イシュナルは続ける。
「守護神ルラルバンは死しても尚、我が子であるジルカメス様の身を
案じていました。そして月日は流れ、私はランムラビのニムロデ王付きの
奴隷の子として生まれました。しかし、この塔を建てる為の生贄として、
この地に捧げられたのです。そしてこの地に死霊として強く根付い
ていた守護神ルラルバン様の亡霊からその話を聞かされ、いつしか
その方とお会いしたいと願うようになりました。」
「この・・・俺にか。」「はい。」
「だが・・・俺は・・・。」ジルカメスは遠くを見つめた。
「躊躇う事なんて無いだろう。『石の契約』は破壊したんだ。これで
あんたは自由の身なはず。」「そうか・・・それもそうだな。」
ジルカメスは自分の左腕に目をやった。奴隷契約の焼き印が消えている。
「・・・。自由か。」
 後ろから暖かい光が射した。
「英雄ジルカメス。あなたにお願いがあります。」
大陸神エイジャンが語りかけてきた。
「俺に・・・?。」
「勇者ロナウハイドより何度も話を聞いているはず。邪神ヴァルタ
ヴルカンが復活するかもしれない事。私はその日を迎えるまで平和を維持
する為の、私の使途となる人物が必要なのです。それをあなたにお願い
したいのですが、宜しいでしょうか?。」
「・・・大陸神の使途、か。だが・・・何故それに俺が?。」
「もうお気づきでしょうが、あなたはこのエイジャンに住まう人間の中で
最も私に近い人間だからです。」
「・・・どういう事だ?。」

   あとがき: 埼玉県春日部駅に貼りだされてあるポスターに、同市に縁のある
        アニメキャラ「クレヨンしんちゃん」こと野原しんのすけの画が
        掲載されている。
         そのポスターでしんのすけは「かあちゃんの夏休みはいつ
        なんだろう」と呟いており、「泣きそうになった」といった声も
        聞かれ、反響を呼んでいるという。
         このポスターは食品宅配などを手がけるOisixの広告として制作
        されたもので、「こどもにとっては楽しい夏休みですが、ママ
        たちにとっては毎日3食の料理やお弁当、それに伴う献立や買い物
        など大変な毎日になる夏休み。Oisixだからこそ出来ることが
        あるのではないか、Oisixだからできるサポートをしたいと考え、
        企画しました」と答えて下さったのはオイシックス・ラ・大地の
        統合マーケティング本部の本部長・井上政人さん。
         また、井上さんは「メッセージを作っている段階から、この
        メッセージをママたちに届けたいと考えていました。届いている
        ことは素直にうれしいですし、多くの方が共感してくださって
        いるのもうれしいです。」と、答えている。
         その個性的なキャラクターから、「真似をされては困る」と
        不評を受けた事もあるしんのすけだが、アニメをじっくり見れば、
        素直で実に子供らしい部分もあるキャラクターだと思う。そんな
        しんのすけがその素直さを武器に誰もが共感できる言葉を呟いた、
        そう思えるポスターではないかと思う。
「そんな事は必要はない。今言った通りやり残した事があるから戻って
きたまで。あんたらの事情とやらに関わるつもりはない。」
「しかし・・・。」
ユーリウスはシュメールから顔を背けた。
「・・・大陸神エイジャン。聞こえるか?。」「何でしょうか?。」
エイジャンは姿を現した。
「お・・・お母様!!。何故この地に・・・?。」
シュメールは思わず後ずさりした。
「この、ハビロの塔をその力で破壊して欲しい。出来るか?。」
「何ですって!?。」
「この塔をか・・・?。」
「ロナウハイド様・・・本気で仰られているのか!?。この塔は・・・。」
シュメールは慌ててユーリウスを押さえつけようとする。
「これだから困るな。自分のことしか見えてない連中は・・・。」
ユーリウスはシュメールを睨みつけた。はっと息をのむ大陸神エイジャン。
「そもそもエイジャンの国内の争い事が絶えなくなったのはこの塔が
出来たからだと俺は思っている。だったらこの塔を破壊すれば全ては丸く
収まるんじゃないかと。とにかく、今は争い事を続けている場合じゃない。
そのままだと邪神が入り込む隙を作ってしまい、この世界全てが闇に
飲まれてしまうという事を理解させなければならない。」
「・・・確かにそうですが・・・けど、それだけでこの大陸内の争い事が
収まるとは思えませんが。」
「けど、やってみないと分からないっしょ。それに、頭の中のティマイオスが
言っている。惑星エーアデが語りかけていると。もしかしたら何らかの
作用があるのかもしれない。」
エイジャンは暫く考えた。「分かりました。やってみます。」そして祈りを
捧げた。
 塔は上の階から徐々に壊れていき、それと同時に塔の破片が人の形へと
変化していった。
「・・・ひ、人!?。これってどういう事だ?。」ユーリウス達は驚きの
声を上げる。
「この人達は旧ティグルの人間。この土地に染み付く呪いを抑えつける為
集められた人達だ。いわゆる人柱って奴だな。」
「何だって・・・?。一体誰が。」
「普通の人間にゃ、こんな事は恐らく無理だろう。そうなれば答えは
おのずと見えてくる。」
「・・・なる程ね。」ユーリウスは膝を落としながらシュメールを睨み
付けた。
「な・・・何を言うか!!。私はこの地に賭けられた呪いを封じ込める為、
やむを得ず・・・。」
「守護神ともあろう者が言い訳するのか。最低だな。良くそれで『神』が
名乗れるものだ。人間を虫けら扱いするなど神のする事じゃねえな。」
シュメールは返す言葉もない。先程の兵士もシュメールの側で驚いた
ようにそれを見つめる。
「・・・あ、あんたか。我々を助けてくれたのは。」
ティグル人かと思われる人々はユーリウスとジルカメスの側へと集まって
きた。一人の老人がジルカメスを指差した。
「あ・・・あんたは、確か。ジル・・・ナントカって。」
「ジル・・・カメス、だったか。神の子だって噂の奴だろう。あんた。」
「助けてくれて、ありがとうよ。」
「あ・・・いや、みんなを助けたのは俺じゃねえ、ここに居るユーラントの
勇者ロナウハイド様だ。勇者様が大陸神エイジャンにここを破壊するように
言ってくれたおかげなんだ。」
ジルカメスがそう言うと、皆の視線はユーリウスに向けられた。
「おお、あんたが・・・。」「ユーラントの勇者様。おお、ありがたや。」
人々は今度はユーリウスに群がっている。ジルカメスはそれを横目で
見ていた。ふと気づき、隅の方に目をやると、まだ戻っていない破片を
見つけた。
「破片じゃない・・・。石板?。」ジルカメスは石版に駆け寄った。
「こいつ・・・。まさかあん時の契約の石?。」
ジルカメスは石版を持ち上げた。「・・・そ、それは!!。」
シュメールがそれを取り上げようとする。「あなたは黙っていなさい。」
シュメールは叱咤され、一歩下がった。「・・・お母様・・・くっ・・・。」
「それを破壊します。下がっていなさい。」
エイジャンは再び祈りを捧げた。「あ・・・これは。」
石版が消えた後には一人の少女がジルカメスの腕に抱かかえられていた。
「おっ・・・。」ユーリウスは急に頭が軽くなったのを感じた。そういえば
吐き気や脂汗も収まっている。
「やった。あー、これでやっと頭痛と吐き気から開放されたぁ。」
ユーリウスは思い切り背伸びをした。「・・・お、どうした。」
ユーリウス達はジルカメスに近づいた。抱きかかえられていた少女は
静かに目を開けた。
「ここは・・・?。」
ジルカメスはそっと少女を降ろした。
「なんだよ・・・何がどうなってんだ?。」
ユーリウスが尋ねるが、誰も何も答えられない。

     あとがき: もうすぐ8月も終わり、暑かった夏も終息を迎えている。令和初の
        夏は如何お過ごしだっただろうか。そんな中、こんな心温まる記事を
        見つけた。
         第101回全国高校野球選手権大会の12日目、第3試合の星稜(石川)
        対仙台育英(宮城)での試合。7回で足を気にするそぶりを見せた星稜
        の先発、萩原は足がつったと見られた。そこへ相手チームの仙台育英の
        小濃がコップを持って行って渡した。「敵の投手に救いの手を差し
        伸べた。」と、その瞬間スタンドから拍手で称えられ、仙台育英の
        心意気に皆心温まる思いがしたという。
         いい話だなと思う。お互い甲子園の頂点を目指す者同士として、
        試合での緊張感ではなく、心を通わせる場面が素晴らしいと思う。
         多分、試合以外では「見知らぬ相手」なのだろうが、小濃選手に
        とって通じ合えるものがあったのだろう。
         願わくば奇跡が起きて、この二人がいつか同じグラウンドで再会
        できれば素晴らしいかと思う。

        

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