|
だが、もしユーリウスの思った通り、ハットゥシャによって
精神的に追い詰められているのであれば、罠かもしれないのを承知で、 ジルカメスの「助ける」という言葉を信じ、行動しなければ事は進まない。 このままではここに閉じ込められたまま時間ばかりが過ぎてゆくだけ だろう。 ユーリウスは天蓋の屋根を見つめた。「・・・虫・・・まてよ!!。」 「俺達がこうして話をしているのにハットゥシャは気づいているのか?。 何か異変があればとんできそうなものだが・・・。それにさっきから 何度もここを訪れては俺達の事を見張っている。奴には『千里眼』と いうものが無いのか?。ましてや、自分で張った結界、その中を見る ことができないって変だよな。何か別の理由があるのか。神とはいえ、 それだけの力量しかないのか。」 「・・・ロナウハイド様。」窓の外を見ていたオルケルタが指差す。 「・・・ジルカメス、帰ってきたのか。」 姿を隠すと言って外へ出たジルカメスが戻ってきたようだ。 ユーリウスは結界に手を当て、念じた。碧い鳥が入ってくる。 「待たせたな。なんとかシュメールから魔法を増量して貰った。後は、 結界を脱出してからのお楽しみだ。」 「その、シュメール神てのは・・・守護神なのか?。」「そうだけど。」 「確か俺達の事『千里眼』で囚われの身になっているのが分かったって 言っていたはずだが、『千里眼』っていうのは神は皆使えるのか?。」 「そいつは俺も知らん。ただ、少なくてもシュメールは使えるが・・・。」 「実はここの守護神ハットゥシャは使えてないようなんだ。さっきから 何度も俺達の事を偵察に来ている。虫もあの時限りだ。」 「神としての力量が、そこまでの奴なのか?。まあ、歴史も新しい 国だし、神の力量を支える生命の力も思ったほどではない、というわけ なのか。それだけを聞くと、その力量は人間の三流魔道士にも劣るって 訳かもな。」 「王は神の力量が少ないから、俺の肩書きを必要としていた。しかし、 神にもプライドがある。だが、守護神は所詮王の下僕。王の言葉には 逆らえない。なのでやむを得ず俺を利用する事に仕方なく同意した。 ・・・本来『神』は感情を持たない存在。だがこうしてみてると、奴は 『神』でありながらとても人間臭い部分があるな、そいつを巧く利用 してみるか。」 「どういう事だ?。」 「・・・人間で言うところの『気が短い』性格・・・と言うか。そこを 何とか利用できないかと。俺が奴の気をひきつけておく。」「なる程な。」 「そしてオルケルタをこの結界から出して欲しい。それさえ出来れば 俺は何とかこの結界からでる方法を試してみる。」 「その話なんだが・・・その娘は強い魔法に耐えられる生命力を持ち 合わせていない。はず。しかもこれだけの魔法の連続で体力も劣って いる。あまり時間は掛けられないぞ。つまり、時間との戦いになるって 事だ。いいな。」 「分かりました。」「大丈夫なのか、オルケルタ!!。」 「それしか方法が無いのなら、それに賭けるより他に無いですよね。 私、頑張ってみます。」 「・・・分かった・・・。」 あとがき: 3カ月前の4月19日、東京都池袋で高齢者が運転する車での事故で、 母子2人が亡くなった事故で、遺族である会社員男性が18日、東京 都内で記者会見した。昨年の父の日に合わせ娘からのプレゼントを 受け取る場面を撮影した動画を公開。、「身近な人への愛情を車の 外側にも向け、優しい運転を心がけてほしい」と訴えたという。 あれから3ヶ月。愛する家族を突然失った遺族はこの3カ月をどんな 思いで過ごしていただろうか。もしあの時、車を運転していた 高齢者が注意を払って運転していたら、会社員男性はいつものように 愛する妻と娘の待つ家へと帰路についていたに違いない。 そんな、当たり前の日常が、当たり前ではなくなった。高齢者 運転手の方に過失があったのは誰の目から見ても明らかだ。なのに 事故を起こした「交通加害者」のはずが「加害者」にはなって いない。ネット上での噂だが、「上級国民」だから被害者ではない そういった皮肉さえ飛んでいる。 今回遺族が記者会見を開いた理由は「厳罰を求める署名活動を 始める」からだという。そこで遺族は「今後二人のような被害者と私 たちのようなつらい思いをする遺族がいなくなるように、できるだけ 重い罪での起訴と厳罰を望んでいます」と訴えたという。 今回の池袋での暴走事故のように、高齢者ドライバーが判断を誤り 事故を起こすケースは増えてきている。こういった事故を無くす為に 我々には何ができるのか。今後の大きな課題となるだろう。 |
サント・マルスと混沌の邪神〜エイ
-
詳細
コメント(12)
|
少しずつ日は落ちてゆく。ジルカメスが気を利かせて身を隠した
ようだが、ユーリウスもオルケルタも、今の状況ではそういう 場合ではないと思っていた。 「私達をいつまでここに閉じ込めて置くつもりなのでしょうか。」 「そうだな・・・。」 ユーリウスは寝台に腰掛けているオルケルタの隣に座った。 「不安なのか・・・?。」オルケルタは何も答えない。だぶん 「不安だ」なんて言ってしまえばユーリウスを困らせる ことになる、そう思ったから答えないのか、そんな風に感じた。 ユーリウスはオルケルタを抱きしめた。少しでも不安を紛らわせ られるように。 「もしかしたら、俺達を精神的に追い詰め、自分の都合のいい答えを させようとする魂胆なんじゃないか?。」 「どういう、ことですか?。」 「うーん、いいか?。人っていうのは不安や恐怖を感じた時に、 冷静ではなくなるのはわかるだろう。奴らは俺達にそういう状態を 仕掛けて置いて、冷静ではない答えを求めているんだと思う。 冷静ではない答え。つまりここから早く出たいが為に、『協力する』 という答えを待っているんだと思う。」「そんな。」 「大丈夫だ。安心しろ。俺はそんな事には屈しない。」 そう言ってオルケルタの髪の毛を撫でた。 「来る・・・ハットゥシャか。」 ユーリウスはオルケルタの服の肩の部分をはだけ、自分もシャツを 脱いだ。 「こうしていると、だたいちゃついているように見えるだろ。」 「まあ、そうですけど・・・。」オルケルタは顔を赤らめた。 天蓋の覆いが開けられる。「う・・・。」 「しつこいな、言ってるだろう。取り込み中だって。」 と言って誤魔化した。 「そろそろ答えを聞かせてもらおうと思って来てみたが・・・。」 「そんな事より、どうしてくれるんだよ。せっかく俺のモンスターが 目覚めかけてたのに・・・。」「モ・・・モンスターだと!?。」 ハットゥシャは最初意味が分からなかったようだったが、少し考え、 「好きにしろ!!。」と叫び、出て行った。 「うう、ホントに目覚めそうだった・・・。と言っている場合 じゃないか。」 ユーリウスはベッドから出て、結界との境目まで近づいた。辺りの 様子を見ようにも、結界の外から出ることは出来ない為、他の部屋も 見ることは出来ない。水晶玉を中庭に翳して中庭の様子を確認する。 どうやら、この宮殿の周囲は高い塀に囲まれた造りになっているようだ。 自分一人なら何とかなりそうだが、オルケルタも一緒となるとそれも 難しい。 そして・・・一番気掛かりなのはあのジルカメスという者を信用 してよいものなのかと。確かに、彼は自分達を助けに来たと言い、 そしてオルケルタの眠りの魔法を解いた。だからといって完全に信用 しきってよいものなのか。ある程度信用させておいていきなり 裏切ったりしないだろうか。 あとがき: 岐阜市ががん検診を受けた女性5人に誤って「異常を認めず」 との通知をし、うち50代の一人が胃がんで亡くなっていた事が 分かった。 市は2017、18年度に行ったがん検診で、「要精密検査」や 「要注意」と通知するはずのところを、「異常を認めず」と 通知してしまったという事だったという。 市の話では「2010年から、検診結果の入力ミスを防ぐための 市職員2人による読み合わせが行われていなかった」人為的な ミスが原因だとしている。 あってはならない出来事だと思う。がんなど治療困難な病気を いち早く見つけ、早期治療をする為の「がん検診」だと思うのだが そこでミスを犯されれば、最悪のケースに繋がる可能性がある。 検診を受ける側は、その判断を信じて自分が異常がないか あるかを判断し、異常があれば治療するなどの処置を取る事が できる。しかし職員のミスで一つで治療が遅れ、こういう 結果になってしまった事は非常に残念だと思う。 亡くなった50代の女性は、この検診で正しい検査結果を 知っていたら、亡くなる事はなかったのではないだろうか。そう 思うとこの検査結果のミスは悔やまれてならない。 がんに関わらず、検診というものは、病気でで亡くなる人を 一人でも救う為の検診ではないか。その結果を本人に知らせる際の ミスはあってはならない事だとの認識は必要だと思う。 |
|
「話せば長くなるが・・・俺のいる国ランムラビにある『ハビロの塔』
ってのがあって、そこに住んでいる守護神シュメールの千里眼が教えて くれた。『ユーラントの勇者がヒルタイト王の陰謀によって捕らえ られている』って。守護神も王も異国に来るのは不可能だ。だから俺が こうして助けに来たわけだ。」 塔・・・!?。まさかそれって大陸神エイジャンが言っていた・・・。 そうは思ったが、何となく今はこの質問をすべきではない気がして こう訊ねた。 「何で守護神は不可能であんたは可能なんだ?。王が来られないって 理由はなんとなくわかるけど。」 「俺は人間だから。」 「いや、なんだか・・・十分人間離れしているように見えるけど。」 「失敬な奴だな。まあ、言ってしまえば俺は半分が神獣だけど。いわゆる 『混血』って奴だ。そう言えば勇者ロナウハイドも『混血』だって 聞いたけど。お互い混血同士って事だな。」 「待て・・俺の親は両方とも人間だ。異大陸間の混血だけど、一緒に しないで欲しいんだが・・・。」 ユーリウスは頭を抱えた。いや、こうしている場合ではない。 「そう言えば・・・あんた、ジルカメス・・・だっけ?。その、魔法が 使えるのか。」 「いや、本当は使えない。俺が使った魔法はただランムラビの 守護神シュメールから預かった魔法。使える数にも限りがある。」 ユーリウスは少し考えた。「親父がどっかの神様から借りたのと同じ 事なのか?。」 「で・・・他に質問は?。」 「結界の中を行き来できるのか、その魔法で?。」 「そうじゃない。確かにこの結界は余程強い結界ではない。所詮は 守護神。こんなもんなんかとは思うが、魔法を持たない者にとっては 脅威だ。あんたらはここから出たいんだろうけど、あんたら二人を この結界の外へ出すのは不可能だ。方法があるとすれば、あの ハットゥシャ自身が結界を解くか、奴よりも強い力量を持った魔法で 破壊するしかない。」 「強い力量の魔法?。」 「ああ、例えば守護神より格上の、大陸神とか。或いは無限の魔法を 使える大魔道士とか・・・。」 「・・・まてよ、じゃなんであんたはここに入ってこられた?。」 「そう聞かれると思った。実は俺が借りている魔法と、あんたが頭の 中に抱えている魔力、その両方の相互作用によって一時的に結界は 解けただけなんだ。その瞬間を狙って俺はここに入ってこられた。」 「ティマイオスの記憶・・・か。」 「多分出る時も同じようにすれば出られれると思う。だが、流石に 二人は無理だ。どちらか片方・・・しかも、人間大の大きさって事に なればかなり難しい。」 「・・・せめてオルケルタだけでも出してやりたいが・・・。」 「何か小さいものに変身させられれば可能かもしれない。それ だったら俺が鳥の姿で銜えて出られると思う。だが・・・あんたは どうする気だ?。」 「そこなんだが・・・・。」 あとがき: 令和初の最悪の事件が起こった。18日午前10時半すぎ、京都市に ある映画製作会社「京都アニメーション」に男が建物内に侵入し、 一階でガソリンのような液体を撒いて火をつけたという。京都 府警は容疑者とみられるその41歳の男を放火の疑いで身柄を 確保した。 府警によると、男は建物内に侵入してガソリンのような液体を 撒き散らし「死ね」と叫びながら火を点けたとの目撃情報があったと いう事だ。また、男は液体が入っていたとみられるポリ容器を持ち、 現場には刃物が落ちていたという。 京都市消防局によると死者33人と放火事件による犠牲者数と しては平成以降最悪となった。 京都アニメーションは1981年創業。人気アニメ「響け!ユー フォニアム」や「けいおん!」などの人気アニメを製作している 場所は京都市伏見区桃山町因幡、京阪宇治線六地蔵駅の近く。 爆発音も聞いたという情報もあり、一時は騒然となったようだ。 この事件で犠牲になられた方へのご冥福を祈ると共に、一刻も 早い事件の解明を祈りたい。 |
|
「昼間のうちに行動すれば目立ってしまう。夜になるのを待とう。
その間、ここで時間を潰すしかないな。」 「夜・・・か。」 「俺は隠れててやるからあんた達は二人で宜しくやってたら・・・。」 そう言われて、ユーリウス固まってしまった。 「俺の頭の中、絶対読めてるだろ。」 「・・・来る。」「ハットゥシャか・・・。」ジルカメスは再び 鳥に変身した。 天蓋の覆いを外そうとしたが間に合わない。「仕方が無い。」 ユーリウスシャツはを脱ぎ、オルケルタの上に覆いかぶさった。 「し−っ。」 「・・・何をしていたかと様子を見に来たが・・・。」 覆いが被されているのを不審に思ったのかハットゥシャはいきなり 覆いを外した。「・・・な・・・うっ・・・。」 「何だよ。せっかく気分が乗ってきたトコだったのに・・・。」 「何故!!。」「夫婦だもん、当然だろ。それに他にやるコトないし。」 ハットゥシャは慌てて覆いを戻し、後ろを向いた。 「・・・そ、その娘・・・目を覚ましたのか!。いつの 間に・・・?。」 「まあ、てめえが使う『眠りの魔法』なんてこの程度のものかと。 守護神といえど大した事ないんだな。」 ハットゥシャは何も言えないでいたが、少し考え、再び訊ねた。 「こっ・・・こ、ここに、む、虫が数匹い、たはず・・・だが?。」 「ああ・・・なんかうっとうしいから退治したぞ。いると落ち着いて 出来ないからな。」 「警備の為放しておいた虫を・・・退治した・・・というのか。」 「何も用が無いのか?・・・なあ、続きやってていいか?。」 「好きにしろ!!。」そう捨て台詞を吐き、その場から消えた。 「・・・ふうっ・・・危ないとこだったな。」 ジルカメスは鳥の姿のまま言った。 「うん・・・俺も。身体がやばかった。」ユーリウスはそう言って シャツを着た。その間にジルカメスはは人間の姿の戻った。 「・・・オルケルタ・・・どう・・・?。」 オルケルタは顔を赤らめて少し怒っているようだ。 「ロナウハイド様が意地悪するから・・・。ちょっと・・・私、 その・・・トキメいてしまったん・・・ですけど。」 「やべっ・・・。ご、ごめん、この埋め合わせは後で必ず する・・・俺が悪かった。」 「ん・・・もう。約束ですらね!!。」 「痴話喧嘩かよ。」 「なんか言ったか?。」ユーリウスは横目でジルカメスを睨む。 「尻に敷かれてるのかと・・・。」「うっせーな!!。」 「それはそうと・・・俺達がここに捕らえられているって、 何で判ったんだ?。」 あとがき: 夏の夜空を彩る花火大会の警備費用が膨らみ、全国各地で 中止に追い込まれる大会が相次いでいるという。 どこの地域でも花火大会と言えば「夏の風物詩」である 以上に、場所によっては「伝統行事」や「観光収入への期待」 など、開催したい状況は様々だ。 しかし、警備員の数は年々増加傾向にあり、その分の人件費も 上昇している事などから、開催地は苦しい状況にあるようだ。 増加の理由については、観覧客の安全確保や違法駐車の監視など あるが、特に違法駐車においては、警察からの取り締まりも 追いつかない程に増加しており、その場所に警備員を増やさな ければならない為だという。また、観光客の数を増え過ぎない ようにしても、SNSの普及で観光客が増え続ける一方だという。 地域性もあるかと思うが、観光客の駐車スペースにも限界は あるだろう。SNSで開催を知った観光客が押し寄せ、駐車 スペースから溢れた車が路上などに「違法駐車」するという、 悪循環が後を絶たないのか。 地域活性の為に開催されるであろう花火大会。一人一人が モラルをもって参加しなければ、開催も危ぶまれる事を 忘れないで戴きたい。 |
|
結界はすぐに戻った。そうしているうちに鳥は部屋中をぐるぐる
飛び回り、オルケルタの寝ている寝台へ近づく。 「虫がいる。退治して。」頭の中にそんな声がした。「虫・・・?。」 そう言えば、この部屋に入ったときから数匹の虫が飛んでいたが、 何も害を与えないので気にもしていなかった。何とか奮闘して 虫を全て退治した。 「天蓋の覆いを被せて。」再び頭の中に声がした。 「こうか・・・?。」 寝台の上にはオルケルタ、ユーリウス、それから碧い鳥だけになった。 鳥はいきなり光り始め、人間大の大きさになった。 「初めまして、ユーラントの勇者ロナウハイド。俺はランムラビの 英雄ジルカメス。」 「え・・・えっとなんだっけ・・・?。ムラ・・・。」 「ジルカメス。ランムラビ王国の英雄だ。」 「自分で『英雄』って言っちゃうかよ。」「なんか言ったか?。」 「別に。」 「ところで。」 ユーリウスはジルカメスと名乗る人物と同時に喋ったので戸惑う。 「このヒルタイトにユーラントの勇者が囚われているって言うのは、 本当だったんだな。」 「何でその事を・・・。」 「そしてその勇者様は邪神ヴァルタヴルカンの復活によって広がる 闇を食い止める為、残された時間で世界を見て回っている事。 それなのにこんなところに閉じ込められて世界を救う事ができない 勇者様を、この英雄ジルカメスが助けに来たって訳だ。」 「そう・・・なのか?。」 ユーリウスは呆気に取られ、何もいえない。 「そっちの可愛い娘ちゃんはハットゥシャの眠りの魔法で眠ら されたって訳だ。そいつが解けない限りここから逃げ出すのは 困難だ。」 「あのなあ!!。俺の妻に『可愛い娘ちゃん』と呼ぶな!!。」 「・・・あ、ああわ、分かった。そんな怖い顔すんなって。」 ジルカメスはオルケルタの頭上に手を翳した。 「こいつは、ちと時間が掛かりそうだな。」「と、解けるのか?。」 「何とかやってみる。」 ジルカメスは両手を翳し、目を閉じ、念を送った。 どれくらい時間が経っただろう。オルケルタは少しずつ目を 開けた。「オルケルタ。」 「あ・・・ロナウハイド様。」オルケルタはユーリウスに抱きつく。 「あやー。」 ジルカメスは片手で目を覆いながらも指の間から二人を見ている。 「ありがとう。」 「安心するのはまだ早いぜ。後はここから逃げ出す事を考えなきゃな。」 「それなんだが・・・なにか策はあるのか?。」 あとがき: 関東甲信越地方に記録的な日照不足が続いている。これは 梅雨前線が本州の南に停滞し、オホーツク海から冷たく 湿った空気が吹き付けているのが原因だという。 気象庁によると、都心部の日照時間が3時間未満と なったのはこれは1961年の統計開始以降、88年の17日間が 最長だったが、今回は19日連続の低い日照時間で記録を 更新した事になる。 また、同庁では「今後1週間程度は曇りや雨が続く」と 予想しており、その後7月末から夏の日差しをもたらす 太平洋高気圧が徐々に発達し、8月は晴天が増えて平年並みの 暑さになる見通しだという事だ。 近年まれにみる「冷夏」の影響で、農作物への被害も懸念 される。一日も早い梅雨明けと、通常に夏の暑さが戻って くることを期待したい。 |





