小説 「欧州周遊旅日記」

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 経済的に破綻状態にある同国が、瀬戸際外交とも恫喝外交とも言われる方針でこれまでも日本や他国の譲歩

と援助を引き出してきたが、ここにきてイラク戦争を経験した同国は次は自国の番だということを最も恐れて

いる。恫喝の最たるものは隣国を火の海にするだの何だのとミサイル攻撃を仄めかすものだがそれに核問題が

からみ一層複雑な様相を呈している。それが根拠のないものでもないらしいところに瀬戸際外交の神髄があ

る。関係各国の情報合戦もどれが真実なのか分からず、日本独自の情報収集が不十分であることから独自外

交を行えない悪循環に陥っている。


 こうした状況の中、民自党は北羅民国に影響力のある中華新国との会談で北羅民国との外交に影響力を

持つことを狙ったことは明白である。先ず、北羅新国の体制の維持を保証し、引き替えに拉致問題の解決

を図る。拉致問題の解決を行うのと併せて経済支援を行うというものである。ここまでは関係各国との思

惑と表だってはほとんど変わらない。民自党は更に踏み込んで、その後の政治日程を提示した。それは日

北平和条約を結び、併せて北羅新国の国連加盟を支援するとしている。ここまで民自党が踏み込んだ提案

を行い、おそらくは中華新国の仲介を依頼した背景には何があるのだろうか。それは国内政治状況のに詰


つまりがあった。戦後長らく続いた自公政権が一度は変わりつつも、再び政権を獲得し、野党の一部と組

むことにより政権を維持してきたが、ここに至って、のっぴきならぬ日本の経済状況が政権交代を望む方

向へと世論を傾けつつあった。従って民自党にとっては北羅新国との政治的状況の進展が国民の支持者を

増やす格好の目標であった。


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