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エピローグ
ズーラ国からの文書はロミーナと通じて国王の元にも届いていた。 情勢に心を痛めていた国王は、ついに
国内改革のために一世紀を投じる決意を固め、その機会を窺っていた。そして、その時が現在をおいてはあり
得ないと確信した。国王はロミーナに言った。
「抗議文は真実を伝えているだろう。そして論文も意義あるものだ。それにアルファー2の完成は朗報ではな
いか。私は国土を緑化する第一歩としてこの植物を使ったらよいと思うが、どうか。」
ロミーナは深くうなずいた。
「この文書を手にしたとき、ついにやったなと思いました。政府が緑化に本腰を入れない今、アルファー
2で対抗し、国内改革の端緒を切り開くのも良いと思います。国民も緑化に反対するはずはありません。
すぐには利益を生まないにせよ、長い目で見れば緑化による大地の再生は大変価値のあることです。私と
しても同僚だったエミレが実りの大石ごとに参画したことを大いに誇りに思いますし、ズーラ国との関係
正常化にも最適だと思います。」
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