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「夏樹さんの人生を映画にしたい!」と集まったスタッフ。
まず最初に着手し、最後まで考えこんだのが脚本作りでした。
今回の映画は、斉藤ひろしさん、吉田智子さんの2名で取り組んでくださいました。
ドキュメンタリーや、遺された書籍、資料だけでは伝えきれない
夏樹さんの”Life”を2時間で表現するために
プロデューサー、監督を交え、撮影開始直前まで
何度も何度も脚本打ち合わせは検討を重ね続けられました。
今回は吉田智子さんからメッセージを頂きました。
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私が初めて夏樹さんと出逢ったのは、テレビ画面を通して。
不思議なほど生き生きと“死”を享受しているその姿が、とても鮮烈でした。
癌は、私にとって身近な話です。30歳という若さで亡くなった小説家の友人、
私が結婚する直前になくなった義父・・・。
そして今も、知人や、その家族が、癌と闘っています。
そんな中、誰かに導かれたように、舞い込んできたこの仕事。
私は迷うことなく、「やります」と即答しました。
でも、この映画に関わってみて驚いたのが、「飯島夏樹」という人物から受け取ったものが、
人それぞれに違う、ということでした。
最初に脚本に取り組んでいた斉藤さんは、とことん明るく生き切った夏樹さんに魅力を感じたのでしょう。なんとコメディアプローチ、斬新な発想でした。
そして夏樹さんの友人でもある、企画プロデューサーの平野さんは、あの生き様を、どこかファンタジックに、1つの生命の奇蹟として捉えていたように思えます。
プロデューサーの仁平さんは、女性らしく、その夫婦愛・家族愛に感銘を受け、
監督は、実はストイックだった夏樹さんに、男として何か感じ入るものがあったようです。
私自身が感じたものは、意外に思われるでしょうが、夏樹さんの------弱さ、でした。
ドキュメントをみた時は、その破天荒ともいえる明るさに衝撃を受け、同時に勇気をもらいました。
でも、夏樹さんという人を知ろうとすればするほど、
その強靭さの裏にあった、人間らしい歪みや、迷い、苦しみが見えてきたのです。
------弱虫の飯島夏樹。
そう、この映画は、世界トップクラスのウィンドサーファーだからこそ成し得た、稀有な人物の“Life”ではなく、みなさんの身近に存在する“Life”です。
そして、そんな彼を支えた奥様と、4人の子供たちの、海のように広く深い、優しさの物語なのです。
ドキュメントとも、夏樹さんの遺稿「ガンに生かされて」とも少し違う、映画『Life 天国で君に逢えたら』。監督・プロデューサー・脚本家・・・みんながそれぞれに抱いている夏樹さんへのリスペクトを喧々諤々ぶつけあってできたものが、この作品なのだと思います。
この作品をみた方々が、ここから何かを受け止め、それぞれの「飯島夏樹」を------自分なりの“Life”を見つけてくれたら、と願っています。
P.S.天国の飯島夏樹さんへ。
「おいコラ脚本家、そこはちょっと違うよ」、と思うところがあったらごめんなさい。
でも、夏樹さんのことだから、きっと笑って許してくれると思います。
あ、それから、ウィンドって、凄いカッコいいんですね。今まで知りませんでした。
時速90キロの闘いに、もう、惚れ惚れしてしまいました。
いろんな意味で、私も、たくさんのことを学ばせて頂きました。
ありがとうございます。
脚本 吉田智子
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