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さてテスト勉強をしなければあかんかったので、イスラエルで先週行われた総選挙についてあまり触れられませんでした。また来週テストがあるのですが、テスト勉強の息抜きに今回の総選挙の勝者について紹介したいと思います。
日本ではなぜかネタニヤフ首相と彼の政党「リクード・ベイティヌ(リクード・我が家)」の勝利を報じていました。
しかしここイスラエルで、街行く人たちに「今回の選挙の勝者は?」と聞いてみれば、ネタニヤフ首相を勝者に挙げる人は皆無でしょう。
なぜならリクード・ベイティヌは42から31議席と議席数を11も減らしているからです。日本のニュースでは『統一会派』という言葉が使われていますが、前回2009年の総選挙で第2党のリクードと第3党だったイスラエル・ベイティヌ(イスラエル・我が家)が連合し別々の党ですが今回の総選挙は2党が結束し1つの比例名簿で共闘することになりました。
1.(前回の総選挙で第1党)カディマの壊滅とも言える弱体化により彼らの票が複数の党に流れる事、
2.昨今のイラン問題や総選挙の2カ月前に会ったガザでのハマスとの戦闘などで世論の右傾化がさらに進んでいた事
そんな経緯から、イスラエル中の誰もがリクード・ベイティヌが第1党の座から陥落するとは考えていませんでした。そんな中、議席数を11(衆議院で考えると44議席)も減らしてしまった訳ですから、敗北ではあっても勝利ではありません。
報道されていませんでしたが、投票締め切りの2・3時間前にネタニヤフ首相は自身のFacebookのページに劣勢を如実に物語るこんなコメントをしていました。
「リクードの支配が危険な状態だ。とにかくリクードに投票するため投票所へ行ってくれ」
さて、では今回の総選挙の勝者はいったい誰なのでしょうか。イスラエルの8・9割の人はこの人物を上げると思います。それがこちら:
ヤイール・ラピード氏は脚本家の母とジャーナリストの父の間に生まれました。父トミー・ラピードは大手全国紙マアリブでの記者・イスラエル国営放送の会長・脚本家などマルチな才能を発揮し、90年代からは政治系の番組に評論家として出演していました。1999年に政界入りを表明し「シヌイ(Change)」という政党の党首として国政に進出しました。2003年の総選挙では15議席と躍進し、リクードとアボダ(労働党)に次ぐ国会第3党の党首になりました。当時のアリエル・シャロン首相の連立入りの要請を承諾し、政界わずか4年目にして副首相と法務大臣を兼務しました。
そんな父トミーの子として育ったヤイール・ラピードも父と同じマアリブ紙で文学系のコラムを持ち詩や文学作品を発表しました。そして1990年代からはマアリブ系の地方紙の監修者、そして大手全国紙イェディオット・アハロノットでもコラムを持つなど人気評論家になりました。
1995年にはトーク番組の司会者としてテレビ界に進出、2000年には自身の名前「ヤイール・ラピード」というトーク番組がスタートし、そこでは首相からコメディアンまでと幅広いゲストを呼び人気番組になりました。2008年にその番組は終了しましたが、その年から週末金曜日放送の人気ニュース番組のメインキャスターを務めました。
そして去年、政界入りを表明し政治家としての活動を始め、先週のイスラエル総選挙が彼にとっては初めての選挙だったのです。
日本で考えると筑紫哲也か鳥越俊太郎が政界に進出するような感じでしょうか。
選挙活動中もキャスターやトーク番組MCで鳴らした話術や、中間層重視の政策、見た目もですが、政治臭の感じられないフレッシュな新党に、既存政党への不信感を持っている多くの有権者が期待し、投票したのが勝因だと思われます。
そういう意味では維新の会に少し似ているのかも知れません。それに加え彼の政治スタンスが中道なので、タカ派からハト派/世俗派から宗教的ユダヤ人と幅広い支持を得る事ができたのです。
今回、右派政党の「バイト・イェフディー(ユダヤの家)」が3議席から12議席と躍進したのですが、それも国政初進出の若いナフタリ・ベネット党首に多くの右派有権者が引かれた結果です。
どの既成政党も伸び悩んだのとは対照的に、カリスマ的な若いリーダーが率いる政党が躍進した。
総選挙を簡単に1文でまとめると、こういった感じでしょうか。
さて連立政権はいったいどうなるのでしょうか・・・
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イスラエルニュース
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面白いし解りやすい解説ですね!!転載させてくださいね!!^^
2013/1/30(水) 午前 7:41 [ - ]
>山田さん
いつもいつも、お世話になっています
ちなみに数日前、大手紙のヘッドラインをざっとチェックしていたら「アブ・マゼン(アッバス議長)の関係者:今回大健闘した中道左派政党のリーダーたちをラマラに招待し会談を持ちたいと考えている」
というのがありました。
イスラエルの右派から中道左派に対して、パレスチナ側でも穏健派の自治政府への大きな反発が予想されるので、実際に実現するかどうかは分かりませんが・・・
2013/1/30(水) 午後 9:29 [ テル ]
へぇーー!!面白いニュースですね!!日本では全然報道されません。有難うございます^^
2013/1/30(水) 午後 9:58 [ - ]