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現地時間のあす22日、イスラエルでは国会(כנסת:クネセット)総選挙が行われます。
日本のメディアではイスラエルの右傾化が叫ばれ、まぁ現政権の右派「リクードゥ・ベイティヌ(日本語:リクード・わが家)」が勝利しネタニヤフ政権の続投が既定路線ですが、実はそこまで右派の圧倒的勝利・躍進といくかどうかは分かりません。
イスラエル大手紙でニュートラルとされている、「イェディオット・アハロノット(ידיעותאחרונות)」の選挙直前18日に行われた世論調査はこうなっています。
赤丸の1番上の数字は今回の調査結果、
緑が1週間前の調査結果、
そして下の青色の数字が現在の現有議席数です。
上段左から:
リクードゥ・ベイティヌ・・・32議席
(穏健右派リクードゥと右派イスラエル・ベイティヌ(イスラエル我が家)の連合)
アボダ・・・17議席
(労働党、中道左派)
イェッシュ・アティード・・・13議席
(有名テレビ司会者が作った新党、和訳「未来がある」。中道派)
バイトゥ・イェフディー・・・12議席
(和訳「ユダヤの家」、ナフタリ・ベネットというカリスマ的なリーダーにより躍進が予想される。宗教的右派)
シャス・・・11議席
(セファラディの超正統派、ハレディームによる政党。上の「バイトゥ・イェフディー」よりは超正統派なので宗教色は強いが、政治的スタンスは若干中道よりか)
トゥヌア・・・8議席
(元リクード、その後カディマ党首も務め政界を一時引退していたツィッピー・リブニがカムバックし作った正統。和訳「運動」、中道。)
下段左から:
メレツ・・・6議席
(リベラル色の強い、社会主義・左派政党。)
ヤハドゥットゥ・ハ トーラー・・・6議席
(シャスはセファラディ、こちらはアシュケナジーの超正統派による右派政党。)
カディマ・・・2議席
(和訳「前進/前へ」、オルメルト政権時は内閣の中心を担い2009年の総選挙でも28議席で最大の党だったが連立交渉に失敗し野党に。トゥヌア、元党首のリブニが作ったトゥヌアの中道の新党などに議席を取られ惨敗が予想される)
オツマ・レ イスラエル・・・2議席
(和訳「イスラエルに力を」、国家統一連合からできた新党。バイト・イェフディーよりも右のほぼ極右、反アラブ主義的側面も強い。)
アラブ政党・・・11議席
(もちろん左派に属する3党)
さて、これらの政党を右派(超正統派を除く)・左派に分けると:
右派(水色)・・・46議席 左派(赤色)・・・46議席
超正統派・・・17議席
アラブ政党・・・11議席
となります。
とにかく、頭1つ抜けているリクードゥ・ベイティヌが第一党になり、次期内閣の中心となる事は間違いないようです。すると必然的に、リクードゥ・ベイティヌの名簿第1位のネタニヤフ首相が次期首相になるでしょう。
しかし頭1つ抜けている党でも、32議席と国会(クネセット)120議席の4分の1ちょっと。ここが各党の名簿による完全比例代表制になっているイスラエルの面白いところ。ダントツの第1党でも過半数の61議席を確保するために、他の政党と協力し連立政権を樹立しなければいけません。
なのでイスラエルの政治では、少数政党もこの連立交渉の時に非常に大事なキーとなり、連立への協力により少党の発言力が増すという特徴があります。
今回の世論調査によれば、右派政党を合計しても46議席。
超正統派の17議席を足せば63議席と完全に右派だけの政権が出来上がりますが、そうすれば超正統派関連の複雑な問題や極右政党などの爆弾を抱える事になります。
そこで、トゥヌアやイェッシュ・アティードなどの新党や、(確率はかなり少ないですが)左派よりのアボダ(労働党)など中道政党との連立交渉を行う可能性も十分考えられます。
「中道・左派対右派」という他にも、有名テレビ司会者の新党やツィッピー・リブニの新党がどこまで議席を伸ばすのか、カリスマ的な若いリーダーが率いる右派政党がどれだけ躍進するのか。
そして選挙後の連立交渉で、ネタニヤフ内閣に入閣する政党の顔触れはどうなるのか。
右派が勝つと言って政権自体が過激なタカ派になるとは限らない、小党乱立イスラエルの政治。
中道派の党が入閣し、あまりにもタカ派にならない事を期待しています。
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2013年01月22日
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