アメリカでは今日木曜日は感謝祭。そんななか、イスラエルではハヌカというユダヤの祭りが祝われています。
ハヌカ(חנוכה)とは、紀元前2世紀のマカバイ戦争によりユダヤ人がエルサレムの神殿をギリシャ人の手から奪還した事を記念するお祭りです。もともと(西暦70年の神殿の陥落まで)は、「光の祭り」というよりも異教徒によって汚された神殿を清めたという、「歴史を祝う」祭りでした。
ハヌカはユダヤ暦の9月(キスレヴ)の25日から10月(テヴェット)の2日か3日までの8日間に祝われます。私たちのグレゴリオ暦で言うと、毎年11月の下旬〜12月下旬という、クリスマス・シーズンに当たります。
今年のハヌカは11月27日の日没から12月5日の日没までです。
<祭りの歴史的背景>
前述したとおり、ハヌカは紀元前2世紀のマカベア戦争でユダヤ人が勝利したことを記念した祭りです。紀元前332年にアレキサンダー大王によって征服されてからイスラエルの地はヘレニズム王朝の支配下に置かれ、マカベア戦争が起こった当時はセレウコス朝によって統治されていました。
統治初期はユダヤ教に対し穏健だったものの、ある時を境にヘレニズム化が強硬に進められユダヤ的生活は禁じられました。エルサレム神殿はゼウスの神殿に『改宗』され、エルサレムにはギリシャ風の学校(ギムナジウム)が建てられ、都市名も『アンティオキア』になるなど、ヘレニズム化がユダヤ社会内でも強制的に進められていきました。
多くのユダヤ人たちがそんななかでもユダヤ的生活を送り続け、多くの殉教者が出ました。
当時エルサレム近郊のとある村にいた祭司マタティアとその息子たちは、セレウコス朝に対して反乱を起こし、ユダヤ各地での激戦の末、ついに勝利を収めました。エルサレムはギリシャ人の手からユダヤ人の手に戻り、偶像崇拝に汚されていたエルサレムのゼウス神殿は、清められて新たに奉献されました。
これを祝うのがハヌカです。
ハヌカの「宮清めの祭り」、「奉献の祭り」、また「光の祭り」とも呼ばれています。宮清めと奉献のまつりという名はこの歴史的背景からきました。
ハヌカ(חנוכה)とは「奉献」の意で、この祭りや神殿だけではなく日々の生活でも使われています。例えば新しい建物やオフィスが完成した時に落成式や開所式が行われますが、それも「ハヌカ」とイスラエルでは呼ばれています。
<ハヌキヤ>
ハヌカには3つの名前があると言いましたが、最もなじみがあるのは「光の祭り」です。そしてハヌカを象徴するものと言えば、やはりハヌキヤ(חנוכייה)と呼ばれる燭台です。ユダヤ教で普通に使われるメノラー(燭台)は7つ枝、しかしハヌカの8日間というのに合わせハヌキアは8つの枝になっています。
ハヌカの8日間は毎晩、1つずつキャンドルに火が灯されていきます。最初の日に一番端の1本に灯し、2日目には2本、3日目は3本・・・と増やしていき、8日目には全てに火が灯されます。まず中心の枝(端にある場合もあり)であるシャマッシュ(שמש)に火を灯し、そこから各枝に火が灯されていきます。
ハヌカ1日目の昨夜、
軍のハヌカのセレモニーでハヌキヤに火を灯すネタニヤフ首相。
<ハヌカ(חנוכה)はなんで8日間??>
ハヌカは8日間だと書きましたが、ではなぜ1週間ではなく中途半端な8日間なのでしょうか??
その理由についてはいくつか説があります。
有名な説によれば、神殿奪還時、神殿を清めるために灯されるオイルランプの聖油が1日分しかありませんでした。ところが、1日分のはずの火が8日間も燃え続け、律法に従って作られた聖油ができるまでの間、火が絶えなかったと言われています。この奇跡から、光の祭り(חג האורים)と言う呼び名になったと思われます。
神殿奪還後に祭壇・神殿を築き直す等、清めの作業が8日間だったのでハヌカの祭りが8日間になったというのがもう1つ有名な説です。
またユダヤ教では、8日と言うのは特別な意味を持ちます。
7日とは皆さんご存知の天地創造。それに1つ足した8日は、森羅万象(7日)を超える「神」を象徴する日とされています。
男子が神との契約に入る割礼も生後8日後に行われ、それも関係していると考えられています。
<ハヌカの食べ物>
前述の「聖油の奇跡」から、ハヌカでは油を使った料理を食べるのが一般的な習慣です。
そんなハヌカを代表する食べ物にはスフガニヤと呼ばれるものがあります。
スフガニヤとは球型のドーナッツのような揚げパンで、中にはキャラメルクリームや苺などのジャムなどが入っています。ハヌカの少し前になると、スーパーやカフェ、菓子屋などにスフガニヤが置かれ始め、ハヌキヤ(キャンドル)と並んでハヌカには欠かせないものです。
さて今回の記事ではハヌカの紹介をしました。
何度も言いましたがハヌカは8日間、まだ6日ほどあるのでハヌカ関連の記事をもう1本ほど書ければいいかなぁと考えています。
ハッグ・サメア!!
(חג שמח!!: HappyHoliday!!)