イスラエル、バラガン日記

イスラエルに留学している大学生のブログです。

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今、イスラエルをはじめ世界中のユダヤ人の間でペサハが祝われています。

前の記事では、ペサハの歴史的背景・出エジプトについて簡単に紹介しました。

 

このペサハ、正式な祭り(חג= ハグ)の名前はペサハ(פסח=過ぎ越し)なのですが、他にもいくつかの別名があります。

1つ目は、ハグ・ハ ヒルットゥ(חג החירות)。これは「解放/自由の祭り」、イスラエルの民が奴隷の身から解放されて自由の身になった事から解放・自由の祭りとも呼ばれています。この呼び名の起源は、紀元後初期のユダヤ的文献に遡ると考えられています。

もう1つは、ハグ・ハ アビブ(חג האביב)= 春の祭り。これは他の呼び名と比べると比較的新しいもので、ペサハが34月という初春の時期に祝われるため「春(אביב= アビブ)の訪れを告げる祭り」という意味で春の祭りとも呼ばれています。

 

しかし、この2つよりもよく使われているペサハの別名があります。

それが、ハグ・ハ-マツォット。この別名は聖書から来ています。

出エジプト記1217節に

あなたがたは、種入れぬパンの祭を守らなければならない。ちょうど、この日、わたしがあなたがたの軍勢をエジプトの国から導き出したからである。それゆえ、あなたがたは代々、永久の定めとして、その日を守らなければならない。

とありますが、この『種入れぬパンの祭り』というのが原文のヘブライ語聖書では「ハグ・ハ-マツォット(חג המצות)」になっています。

 

この種入れぬパンというのがマツォット(מצות)なのですが、これはマッツァ(מצה)という単語の複数形。マッツァとは普通のパンとは違い、イーストなどで膨らましていないまま焼いたクラッカーのようなものです。

イメージ 1

出エジプト記の1217節を引用しましたが、次の2節にはペサハの1週間はパンの代わりにマッツァだけを主食とし、その間は家に「パンだね(イーストで膨らませたもの・発酵したもの)」を置いてはならないとあります。

 

したがって前の記事で紹介したセデル(ペサハ1日目の夕食)と並ぶペサハの習慣として、パン・パスタなどの麺類・ビール・ペストリーなどのイースト・酵母などを含んだ穀物加工品の飲食をやめ、自分の家にそれらの品々を置いておかないという習慣があり、伝統的な/宗教的な家庭では慣習として守られています。

日本語ではペサハのことを「除酵祭」と時折説明しているのを目にしますが、この「除酵」とはこのことから来ています。

 

このイースト・酵母を含む穀類(ハメッツ= חמץ)を食さないというのと、マッツァを食べるというペサハの習慣にはいくつかの解釈があります。

 

1つ目は歴史的解釈。

イスラエルびとの出エジプト・奴隷解放をファラオはなかなか許可しなかったため、神はエジプトの地にいろいろと災いを下しました。10個目の災い(エジプトびとの初子を全て死なせる)のあと、ファラオは出エジプト・帰還を認め、一刻も早くイスラエルびとをエジプトの地から去らせようとしました。そのため、出発前にパンを焼く時にイースト・酵母で膨らませる時間さえないまま焼いたので、膨らんだパンではなくクラッカーのようなマッツァしか焼き上がらなかった、というエピソードから酵母を含む穀類ではなくマッツァを食するという解釈。

 

2つ目はもう少し精神的な解釈。

イーストや酵母で膨らむ穀類を、生活の中で膨らむ人間の自我・エゴに例え、エジプトから自分たちを導き出した神をペサハの祭りの間思い出し、神の前に私たちのエゴを持たず(イーストのように膨らませず)謙虚にへりくだるという解釈です。


そんなこんなで、ある程度伝統を重んじる伝統的・宗教的な家庭では家の中からハメッツ(חמץ=イースト・酵母を含む穀類)を取り除き、マッツァなどを主に主食としています。

僕のルームメートもペサハのコシャー(食物規定)を守っているので、一緒に住む僕も小麦をはじめハメッツに当たるものは食べれません。


いろいろと僕も日本から持って来た日本食の原材料欄をチェックしたのですが、醤油には小麦が含まれているのでほぼ全ての日本食がペサハのコシャーではないのです。

(という事で捨てなければいけないのですが・・・裏ワザが。それは次の記事で紹介したいと思っています)

 

ペサハの期間中は出エジプトの荒野での40年間ほどではないですが、ユダヤ人にとっては食事に困る1週間なのです。



写真:

箱売りのマッツァ。あまりにも食べるものがないので、マッツァ嫌いで米ばかり食べている僕も1箱買いました。

イメージ 2
朝晩など冷え込む日もありますが、エルサレムもだんだんと暖かくなり春めいてきました。桜に似たアーモンドのピンクの花も咲き、気温の上がった昼間では半袖半ズボンの姿も街で見るようになっています。
 
気候もですが、イスラエルには春の訪れを告げる風物詩がもう1つあります。
それはユダヤ人にとって最も重要な祭りの1つ、過ぎ越しの祭り/(ヘブライ語名)ペサハです。
ペサハとはユダヤ暦の1月、私たちの使っているグレゴリオ暦では34月にある7日間(イスラエル以外では8日間)の祭りで、世界中のユダヤ人が紀元前1200年ごろにあったとされる出エジプトを祝います。

紀元前2千年紀(紀元前20001000)の後半、ファラオの下ユダヤ民族はエジプトで奴隷としての生活を送っていました。彼らの奴隷としての苦役・苦しみを見た神は、イスラエルの民を奴隷の地位から解放し彼らの父祖であるアブラハム・イサク・ヤコブが住んでいたカナンの地に導く事を決意し、ファラオ王との『交渉人』としてモーセを選びます。
エジプトの地(+奴隷の身分)を去りたいユダヤ民族の代表者モーセと、(もちろん)自国の奴隷を手放したくないファラオとの長い交渉、そして(災いをエジプトに下すなどの)神からの助けの末、ファラオはついに強硬な姿勢を崩しイスラエルの民に対し奴隷解放と祖国への帰還を認めます。
 
それがペサハという祭りの歴史的背景です。
 

最初に述べたようにペサハ自体は7日間なり8日間の祭りなのですが、最も重要なのはペサハの最初の夜です。1日目の夜は「セデル(סדר)」と呼ばれ、伝統的なハガダーと呼ばれる式次第に沿って、世界中のユダヤ人家庭や共同体がほぼ同じものを同じように食べながら、祭の食事を進めていきます。
エジプトでの奴隷としての生活や、出エジプトを象徴するような食物を、祈り・賛美・朗読・由来についての問答などとともに式次第(ハガダー)に従って食されます。
 
このセデル(סדר)の他にもペサハには『ハメッツ(חמץ)』と呼ばれるイーストなどで膨らんだり、発酵した穀物加工品を食べないという習慣もあります。しかしそれはある程度宗教的な人のみが守っているものなのに対し、ペサハ最初の夜の夕食『セデル』は世俗的な人もほぼ世界中のユダヤ人が守っている習慣。

世界中のユダヤ人が千年以上に渡って同じような食事を同じような祈りと共に行っている
という事を考えると(世界中探してもそんな祭りはないかと思います)、やはりペサハのエッセンスは1日目の夜の「セデル」だと言っても差支えないと思います。
 
セデルは昨晩(25日)でしたが、ペサハ自体は7日間なので、ペサハの間にまたペサハについての記事をいくつか書けたらなと思っています。


イメージ 1
エルサレムにあるイスラエルミュージアムの売店では、ペサハ前にはこのようにペサハの夕食セデルの式次第『ハガダー』が置かれて売られています。デザインに工夫を凝らしたもの、子供向けのもの、ラビの注解を多く載せたものなど、ハガダーの本文はほぼ同じですがバリエーションは数多くあります。

イメージ 2
いろいろあった中で面白かったハガダーがこちら。
子供の時大好きだった飛び出す絵本式のハガダーです。

プリムの仮装―(終)

こからはしばらく、イスラエルのニュースサイトやFacebookで見つけたプリムの仮装をちょこちょこと紹介したいと思います。
プリムという祭りに興味をもたれた方は、ぜひこのブログでプリムの起源や慣習などを簡単にまとめた記事があるので一度読んでみて下さい**
プリムについて
祭から1週間近くたつので、今回の記事でプリムは最後です。
なので今回はちょっと面白い・興味深い仮装たちを紹介します。


まずはこちら―
イメージ 1
プリムでは夜の聖都エルサレムに繰り出す
『仕上がってないミッツ・マングローブ』
を何人か目にしました。

続いてこちら―

イメージ 2
これは、少し長い説明の要る仮装です。
1月前にあったイスラエル総選挙では「平等な負担を!!」叫び、超正統派が兵役や(兵役の代わりの)社会奉仕活動を一般の国民と同じように行い、彼らも国民としての義務を果たし勤労・社会に参加すべきだ、との主張を掲げた政党が議席数を伸ばしました。
の結果を受け、超正統派と良好な関係にあったネタニヤフ首相も「平等な負担を」という国民からのメッセージを無視できなくなり、連立政権樹立のために、超正統派か躍進した政党を取るかという選択に迫られています。

そんななかのこの仮装
左半身は軍服と左手にはライフルのおもちゃを―イスラエル軍兵士を。
そして右半身は白いワイシャツに黒ズボン、右手にはタルムードを持った神学校イェシバで学ぶ超正統派の生徒です。

イスラエル国民としての義務遂行と超正統派的ユダヤ人は両立するはずだ
と言う『平等な負担』というホットな話題をうまく取り入れた、タイムリーな仮装です。
(この件についてはまた記事をいずれ書こうと思っています。)


そして最後の写真がこちら―
イメージ 3
こちらはどこでしょうか?
シナゴグでエステル記を朗読する東京のラビです


さて、来年が僕にとってはイスラエルでの最後のプリムになると思いますが・・・
いったいどんな面白い仮装が見れるのでしょうか

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プリムの仮装―03

こからはしばらく、イスラエルのニュースサイトやFacebookで見つけたプリムの仮装をちょこちょこと紹介したいと思います。
プリムという祭りに興味をもたれた方は、ぜひこのブログでプリムの起源や慣習などを簡単にまとめた記事があるので一度読んでみて下さい**
プリムについて

イメージ 1
20シェケル札です。

イメージ 2
1日遅れであったエルサレムでのプリムの様子

イメージ 3
イスラエル中央部、ホロンではプリムのパレードがありました。
これは1月前にあった選挙を受け、党首の顔をチェスの駒にしたもの。
イスラエルにはこういう洒落っ気も欠かせません。

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プリムの仮装―02

こからはしばらく、イスラエルのニュースサイトやFacebookで見つけたプリムの仮装をちょこちょこと紹介したいと思います。
プリムという祭りに興味をもたれた方は、ぜひこのブログでプリムの起源や慣習などを簡単にまとめた記事があるので一度読んでみて下さい**
プリムについて

イメージ 1
左側はイスラエル産のビール、ゴールド・スター。
プリムの記事にも書きましたが、プリムはお酒をたくさん飲む祭。
なので、ビール瓶の仮装はぴったりです。


イメージ 2


イメージ 3
ローマ法王の仮装でしょうか、
なかなか時事的にもタイムリーな仮装です笑″

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