河信基の深読み

読者各位様:本「河信基の深読み」は順次、北朝鮮投資開発戦略研究所(2019年4月〜所長・河信基)の公式HPへ移行して参ります。

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 国際順位低下に慌てた文部科学省は、またばたばたと授業時間数を増やす「詰め込み教育」強化へと突っ走る動きを見せている。
 しかし、「ゆとり教育」がだめなら「詰め込み教育」と時計の針のようにぶれている限り、韓国という逃げ水を追うようなものである。

 韓国は、ある意味で日本の反面教師である。
 読解力1位、数学的リテラシー4位、科学的リテラシー11位と、他国から見れば羨むような世界トップレベルの成績は、一言で言えば、世界でも最たる「詰め込み教育」の成果と言える。

 日本の小学校でも塾通いの子が増えているが、韓国の比ではない。
 ソウル、プサンなど都市部では、深夜11時過ぎるとハゴン(学院)のバスが走り回る。日本の塾、予備校にあたるハゴンに、学校を終えた子供たちは弁当を持って直行し、徹底的に受験勉強をしごかれた後、くたくたになって家に帰り、翌朝、寝ぼけ眼で学校に行き、授業中は寝ている。
 全部がそうではないが、名門大の狭き門をくぐることができるのは彼ら受験エリートなので、親が嫌がる子供たちの尻を叩いて送り出す。

 遊びを奪われた子供たちにとっては苦痛の日々だが、高麗時代以来の1000年の科挙の伝統と、「聖人、学んで至るべし」との朱子学の教えが、子供は勉学に励むのは当たり前と言う社会的風潮を支えている。
 これは儒教文化圏に共通している。今回、初参加した台湾が数学的リテラシーでいきなり1位を占めたように、伝統的に教育熱の高い儒教文化圏の健闘が目に付く。非儒教文化圏でトップは科学的リテラシーで前回に続き1位となったフィンランドだけであった。遠からず中国、ベトナム、北朝鮮が参加し、日本、韓国との熾烈なトップ争いに加わってくるであろう。

 「詰め込み教育」のすべてが悪いと言うのは、無論、極論である。
 韓国の読解力は2000年6位、03年2位から1位と持続的に向上した。数学は2000年2位、03年に3位から4位と、トップレベルは維持した。上位5%以内グループの生徒の点数を比較すると、読解力1位、数学的リテラシー2位。学習到達度も世界最高レベルであることから、今後も「世界トップレベル」を維持すると見られる。
 いずれの科目も、基礎に関しては一定の時間を掛けて徹底的に学ぶ必要がある。その点では、韓国の教育システムは十二分に機能している。

 「詰め込み教育」は暗記力にばかり頼り、自分の頭で考える論理性や応用力が養えない、という日本の子供に見られた欠点は、不思議と韓国の子供には見られない。それは恐らく、言葉の文化の違いだろう。
 大極旗が象徴する儒教の国・韓国は、儒学諸家のうち「窮理」を掲げ最も理屈っぽい朱子学正統派を自認するだけに、国民性として、理屈にうるさい。自己主張が強すぎるきらいがあるが、理路整然と語ることが美徳とされる。

 他方の日本では、「口は災いの元」と口数の多いものは敬遠されてきた。国際会議でよく見られる光景だが、韓国人はやたら発言を求め、日本人はほとんど発言しない。
 靖国参拝を巡る確執も、「心の問題だ」と繰り返す“ワンフレーズの小泉純一郎”と、「説明がなっていない」と批判する“口数の多い盧武鉉”の、文化の違いを背負ったキャラの対立とも言える。
 
 しかし、「詰め込み教育」には技術立国の根底を危うくする本質的な欠陥が含まれていることは否定できない。
 韓国は科学的リテラシーが第1回の2000年には1位であったが、03年4位、昨年11位と日本(6位)よりも落ちている。しかも、上位5%以内のグループの成績が2000年の5位から03年2位、昨年は17位と急降下し、今後さらに落ち込んでいくことが予想される。
 朝鮮日報などは早速「『科学の英才教育国』韓国の転落」と噛み付いているが、確かに、現政府には一貫性に欠ける重大な責任がある。現在施行されている第7次教育課程で科学探求領域が必須ではなく選択科目となり、履修時間が減少したが、実技や実験などを削るのは現代の愚民政策と言うべきものなのである。

 実は、それは日本の「詰め込み教育」にも通底する致命的な誤りと言えよう。 

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>高麗時代以来の1000年の科挙の伝統と、「聖人、学んで至るべし」との朱子学の教えが、子供は勉学に励むのは当たり前と言う社会的風潮を支えている。

韓国の成績が日本より上なのは意外でしたが、文化的な背景があったのですか。「詰め込み教育」には反対です。

2007/12/9(日) 午前 11:58 [ uki*u*a ]

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韓国人は日本人より読書量が多い?

文化観光部「2007年国民読書実態調査」によれば、成人が過去1カ月間(調査時点基準)に読んだ本の数は、韓国が平均1.8冊、日本が1.5冊。2年連続で韓国人の読書量が日本よりも多かった。
07年12月に調査。対象は満18歳以上の成人男女1000人、小学4年生から高校生までの児童・生徒2700人。日本の統計は昨年10月に毎日新聞が行った調査結果。

韓国出版研究所のペク・ウォングン責任研究員は、「2004年、成人の月平均読書量は1.3冊で並んでいたが、月平均3冊以上読む人は韓国14.5%、日本17.7%、月平均10冊以上読む人は韓国1.1%、日本2.1%」と語った。韓国出版マーケティング研究所のハン・ギホ所長は、「公共図書館や出版物の質、出版総数、文庫版の活性化など、比較自体が無意味だ」と述べた。読書集計に含まれない雑誌の閲読量は成人は日本(2.1冊)、韓国(0.6冊)、中学生は日本(4.9冊)、韓国(0.3冊)。
http://www.chosunonline.com/article/20080226000069

2008/4/25(金) 午前 0:12 [ 情報屋 ]


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