河信基の深読み

読者各位様:本「河信基の深読み」は順次、北朝鮮投資開発戦略研究所(2019年4月〜所長・河信基)の公式HPへ移行して参ります。

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 戦後日本を一貫して支配してきた自民党(自由党など前身も含む)政治は事実上、バブル崩壊で賞味期限が切れたはずだが、その後もしぶとく政権に居座っている。
 それが日本の悲喜劇であり、バブル崩壊後、政治、経済、教育などあらゆる分野にわたって続出している信じがたい不祥事はその結果である。

 ある意味で、安倍政権の誕生そのものが不祥事であった。
 “変人”小泉が「自民党をぶっ壊す」と啖呵を切って総裁・首相に収まり、時ならぬ“拉致フィーバー”で長期政権化し、これといった実績のなかった当選回数5回の中堅議員・安倍晋三が小泉首相の引きで後継首相に収まる。
 “拉致フィーバー”がなかったら、言い換えれば、“将軍様”が悪役を演じてくれなかったら、ありえないハプニングであった。

 “拉致フィーバー”に乗って少し暴れた坊ちゃん議員が仲間を集めて組閣したものだから、タウンミーティングのやらせ質問、佐田・松岡・赤城の「政治とカネ」疑惑・・・ボロが次々に出てきた。
 「宙に浮いた年金問題」も出るべくして出たもので、民主党の長妻議員が今年2月に政府を突き上げなかったら、闇に葬られていたであろう。

 何しろ、今でも安倍首相は「社会保険庁解体!」などと問題をすり替え、臭いものに蓋をしようとしている。
 数十兆円もの年金原資を長年にわたって食いつぶしてきたのは、自民党厚生族、厚生官僚、その背後でうごめく業界団体であり、社保庁職員はそのおこぼれに多少与ってきた程度のことである。
 社保庁を解体してしまえば、その腐食の構図は隠され、財源問題は永久に解決しない。
 仮に参院選で野党が多数派を握った暁には、新国会でその問題を徹底的に明らかにする必要がある。

 ここまで不祥事を起こせば、韓国なら、自民党は壊滅的惨敗を喫し、即、政権交代である。
 韓国でも保守党が長く政権を保持していたが、金融危機に瀕していた10年前の大統領選で政権交代し、政官財の癒着がずたずたにされ、政治は格段に透明性を増した。大物政治家であろうと財閥の総帥であろうと、法に引っかかれば即座に監獄行きである。
 その野党政権に対しても国民は馴れ合いや弛緩、ポストのたらい回しや業者との癒着に厳しい視線を注ぎ、今年末の大統領選では再度、与野政権交代が焦点になっている。

 韓国に倣えなどという気はないが、政党・政治家は使い捨てが当たり前、不祥事を起こしたら政権交代で責任を取らせる、というケジメは、民主主義政治では常識的なことではなかろうか。
 韓国は民主化闘争の中でそれを学び、世襲など権力の既得権益化を許さない。自民党では全国会議員の4割にも達する二世、三世議員が、韓国ではほとんど見当たらない。
 稀有の例外が、金大中前大統領の二男の金弘業と、朴正煕の娘・朴槿恵(パク・クネ)前ハンナラ党代表くらいだが、「父の七光りを利用し、父の顔に泥を塗る行為」とマスコミの見方は厳しい。
 http://www.chosunonline.com/article/20070317000017

 他方の日本はというと、「まだ何も分かりませんが、これから勉強します」と言って、急逝した小渕首相の地盤を継いで当選したのが娘の優子であった。
 9000万円の事務所費付け替え疑惑の赤城農水相も官房長官を務めた祖父の代の側近に担がれていやいや議員になったそうだが、韓国なら、「何も知らんやつが議員になれるか」「いやなら止めろ」でお終いの話だ。
 自民党の世襲議員はその手が多い。坊ちゃんと甘やかされて育ち、世の中のこともろくに知らず、代が来ると周囲に担がれて地盤を世襲する。

 安倍首相が赤城農水相の付け替え疑惑について「問題ない」を繰り返しているのは、本当にそう思っているふしがある。「高々月800円のことを問題にするのですか」発言がいみじくも語るように、世間の常識というものが実感としてないのであろう。
 世間では領収書を出さなければクロだが、それがわからない。
 年金問題でも、自分の政権の不祥事なのに、社保庁に責任を押し付け、「社保庁は解体します。打つ手はすべて打ちました」と手柄話のように街頭で拳を振り上げているが、官僚に踊らされているのではないか。

 権力の世襲といえば北朝鮮だが、北朝鮮では一党独裁という権力装置の下で行われている。しかし、それとは異なり、日本の世襲は自由主義体制の下でという特徴がある。
 それだけ、長い自民党一党支配体制の下で人情、しがらみ、腐れあいが二重三重に絡んでいることを物語るが、その根底にあるのは代々受け継がれた利権である。
 坊ちゃんを担げば、既得利権を守ることが出来、事務所費付け替えなどで収入が入るというわけである。

 赤城は渋谷に高級マンションを有していながら赤坂の議員宿舎にもちゃっかりと入居し、浮いたカネで真っ赤なポルシェを乗り回しているそうだが、坊ちゃん議員の感覚はみな似たようなものだろう。
 だから、「何で赤城が問題になるのか」ということになる。何のことはない、自分を庇っているのだ。

 戦後日本が残した最大の既得権益の一つは、政治屋一家、つまり、世襲利権である。
 小泉、安倍がともに世襲3代目であるように、政治の私物化構造から生まれた政権を交代させない限り、でたらめな腐食の構造はなくならない。社保庁が日本年金機構と、看板が変わるだけのことである。

 GNPの二倍にもなろうとする巨大な財政赤字の圧力で、日本のカウントダウンが始まっている。
 自民党は「野党は無責任だ」と切り返しているが、現在の自民党以上に無責任な政党はない。
 手遅れになる前に、あるいはもう手遅れかもしれないが、自民党以外にスパッと変える時期だろう。
 その方が、日本国民のためであり、また、自民党再生のためにもよい。
 
 

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