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ピョンヤン市内で最近、デート中のカップルの姿が目に付くようになってきた。
市場経済拡大とともに否応なく開放・改革へと向かっている北朝鮮では、若者たちの結婚観も急速に変化している。
法的には男子18歳、女子17歳から結婚できる。農作業に動員される4月から10月までは、結婚式はほとんどない。農閑期の3月、11月が結婚シーズンとなる。
これまで理想的とされていたのは、労働党員となり、出身成分の良い女性を選ぶ、というものであった。ピョンヤンなど都市に住む男性は、農村の女性を敬遠した。一緒になると農村に移住しなければならないからだ。
党や政府の幹部が間に入る見合い結婚が一般的で、父母の同意を経て、所属する職場や協同農場の党書記か青年組織幹部の許可を得てゴールインしていた。
ところが、近年、海外勤務や貿易に携わる青年が女性にもてる。父母が海外生活をしていると羨望の的になる。
男性も、権力者や金持の家の女性を求める傾向が強くなった。市場などでの商売上手の女性も人気がある。
当局は晩婚を勧め、適齢期は、男子が軍務を終えた30歳前後、女性は数年の職場経験を経た20代後半とされてきた。それが恋愛結婚の増加で崩れつつある。
ピョンヤンでは遊園地や青年会館、それと、最近流行りのボーリング場、ネットカフェでデートするカップルの姿が多くなった。
大学を出たエリート女性たちも、地域の顔役や親の勧めよりも、適齢期がやや遅れても自分で相手を探すようになっているという。
結婚式は家に親戚・友人が集まり、伝統の服装で取り行うのが一般的だが、貧富の差が顔を覗かしている。
富裕層は玉流館などピョンヤンの結婚式場で華麗に行うが、貧困層は逆に、食事も簡素にし、記念写真だけで済ます。
南の韓国人との結婚は禁止されているが、その建前も恋愛ブームの前で風前の灯だ。
最近も金剛山でリゾート施設を運営する韓国人男性と、売店で働く北朝鮮女性が相思相愛となり、どうすればよいのかと関係者はやきもきしている。
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