河信基の深読み

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 本書は、朝鮮民主主義人民共和国とその最高指導者である金正日労働党総書記兼国防委員会委員長の本音を、反射的に日本側の本音をも、稲山嘉寛・新日鉄会長、金丸信副総理、小泉首相(当時)らとの交流を通して浮き彫りにする。森善朗元首相、山崎拓元副総理、加藤紘一元自民党幹事長、安倍晋伸元首相ら現職政治家、歴代外務次官もすべて実名で登場する現在進行形の物語である。
 対立と接近を繰り返す日朝戦後史の背景には、豊富な資源を有する北朝鮮と、それを植民地時代から必要としてきた日本との、ウィンウィンの可能性を秘めた相互依存関係が横たわっている。
 その結実が、小泉首相と金正日総書記との間に結ばれた日朝ピョンヤン宣言であった。

 証言者は、日朝貿易の草分け的存在で、金日成の信頼厚かった父親・金峰龍の代から北朝鮮に太いパイプを持ち、日朝双方から仲介役と頼られた吉田猛・新日本産業社長である。
 吉田は、1990年の金丸訪朝から二度の小泉訪朝まで裏方として日朝外交に深く関わっており、現職政治家、外交官らが実名で多数登場し、表からはうかがい知れない舞台裏が赤裸々に描かれている。

 本書を読むことで、これまでの日朝外交を総括し、停滞した現状を打開し前進させる貴重な教訓を得ることが可能となろう。
 また、人の出会いから始まり、国家間の力関係で終わる外交の本質を実例を通して理解できる。
 さらに、日朝や南北関係を橋渡ししてきた在日コリアンの歴史、その底力と祖国を一途に思う苦闘・悲哀を知る上でも参考になろう。

 なお、本書はテレビ朝日の「サンデースクランブル」(09/3/15)に筆者がコメンテーターとして出演した際に、テレビ画面で「小泉訪朝の舞台裏とは?北朝鮮のコーディネイターである人物の証言などを詳細に分析し、北朝鮮とその最高指導者である金正日の本音を浮き彫りにした、政治評論家の河信基さんの著書」と紹介された。

 目次

 プロローグ 二〇〇四年、小泉第二次訪朝の謎
 第1章   北朝鮮認識の大きな転換点
 第2章   「極秘資料」から浮かび上がった金正日の本音
 第3章   “民間”が切り拓いてきた戦後の日朝貿易
 第4章   「潜在的な資源大国」と「資本・技術大国」の依存関係
 第5章   幻の稲山経団連名誉会長“訪朝計画”
 第6章   一九九〇年、金丸副総理訪朝の真実
 第7章   一九九五年、自・社・さ連立政権代表団とコメ支援
 エピローグ 吉田父子、二代七〇年間の系譜
 
 以下は、<はじめ>の抜粋である。

<はじめ>

 言うは易し行うは難しだが、幸いにして、これ以上は望めないと思われる証人の協力を得ることが出来た。
 吉田猛・新日本産業社長である。

 その名は一般にはほとんど知られていないが、その都度マスコミを賑わせた1990年の金丸訪朝、1995年の渡辺訪朝(これらは2002年の小泉訪朝の伏線となる)、2004年の小泉第二次訪朝につながったいわゆる北京会談、大連会談などは、すべて吉田がコーオーディネイトしたものである。

 その黒子としての役割は日朝に止まらず、2000年6月15日の金大中・金正日会談(以後、第一次南北首脳会談)実現にも及んでいる。
 「北朝鮮側が首脳会談推進の意思を伝えてきた。朴智元文化観光相が昨日、『ヨシダ』という人物に会い、北の意向を伝え聞いたそうだ」。金大中大統領の言葉であるが、同大統領の密使として金総書記と事前折衝した林東源・元韓国国家情報院長が今年、日韓で出版した回顧録『南北首脳会談ヘの道』の冒頭で紹介されている。

 一民間人が2国間関係にここまで深く関わった前例はなく、戦後最大の国際コーオーディネイターと言えるかもしれない。
 それ故に、それを快く思わない一部勢力から、「北朝鮮の大物工作員」「労働党統一戦線部長代理」などと非難されてきた。

 本書は、吉田猛の証言や、日朝貿易の草分け的な存在であった父親・龍雄の代からの秘蔵文書・メモなどを詳細に吟味・分析し、戦後の日朝史の流れの中で再構成したものであり、現場に立ち会ったものだけが知りえる衝撃的な事実が少なからず含まれている。

 そこには、北朝鮮の絶対的指導者である金日成国家主席や、後継者の金正日・朝鮮労働党総書記兼国防委員会委員長が日本との関係改善や経済協力のためにいかに腐心してきたか、その軌跡が赤裸々に再現されている。
 そうした具体的歴史的な事実を通して彼らの意外な素顔や本音が浮かび上がる。

 その裏返しであるが、日本の経済界、さらには歴代日本の政府・与党や、外務事務次官をはじめとする外務省首脳が、一民間人に頼り、国交のない北朝鮮相手に四苦八苦してきた実情にも照明が当てられている。

 筆者が吉田と会ったのは二年前であった。奇遇と言うべきか、吉田とは30余年前、理工学部と法学部の違いはあるが、同じ大学に通っていたことも初めて知った。
 同期の誼も手伝って、突っ込んだ遣り取りもあったが、饒舌とは言えない吉田の口から時折迸り出る凄烈な言葉に、日朝、南北を裏から動かしてきた心の中のマグマをみた。

 吉田の証言に耳を傾け、段ボール三箱分にもなる資料に目を通しているうちに、ふと、著者自身が学生時代から身を投じてきた在日朝鮮人運動の裏面を覗いているような感覚につかれた。
 朝鮮新報社記者、朝鮮大学教員と在日朝鮮人総聯合会(朝鮮総聯)系の道を歩きながら感じていた折々の謎が氷解した。

 個人的なことにやや立ち入るが、筆者は、まだ朝鮮大学に籍を置いていた頃、雑誌『世界』の1990年7月号に「同伴者になりうるか」という論文を寄稿し、「北朝鮮の外交路線は時代に対応できていない。韓国と全面和解し、ともに国連に加盟するべきである」といった趣旨のことを書いた。
 同誌が比較的、北朝鮮指導部に読まれていることを知って“直訴”したつもりであったが、「組織原則を犯した」として大学を辞することになった。それから自由な立場で思うがままを書いて来たが、“秘密の暴露”とでも言うべき吉田の数々の証言や極秘資料によって、ようやく表と裏の部分がつながった思いがしている。

 吉田と筆者の関係は、ある意味で、在日一世である吉田の父親の龍雄と韓徳銖・元朝鮮総聯議長のそれと重なる部分がある。
 両者は密かな交流を持っていたが、韓徳銖を表とすれば、龍雄は裏の部分と言えるかもしれない。両者は見事に棲み分けており、ある種の役割分担を想像させる。

 国家の面子や体面などが絡み、建前に流れがちな表と異なり、裏の部分には、一体何を日本に求めているのか、北朝鮮指導層の生の声が赤裸々に出ている。
 それに検証のメスを入れることで、今後に生かす教訓を得ることができよう。

 「利権外交」などと歪められた日朝交流を正しく認識すると同時に、米朝対話の進展とともにようやく動き出した日朝国交正常化交渉を円滑に進める上でも、資するところが少なくないと思われる。

 

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