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10月の貿易収支で韓国が大幅の黒字、日本が赤字になったことは、グローバルな金融危機が実体経済に波及することが危惧される中、ある種の先行指標として重要な意味を持っている。
それは、競合関係にある国際市場で、円高の日本がウォン安の韓国に対して価格競争力を失い、押されていることを示唆する。
国際市場は景気後退とともに縮小しているだけに、仮に、この傾向が持続・拡大するようだと、第3四半期実質経済成長率がやはりマイナスを記録した前期比マイナス0.1%(年率換算マイナス0.4%)と落ち込んだ日本経済は、内需不振に貿易不振が加わり、深刻な事態に直面することも予想される。
それは杞憂ではない。すでにその兆候がはっきりと表れているからだ。
パナソニックは09年3月期の営業利益見通しを39.3%減と下方修正したが、要因の一つにサムスン電子がウォン安を背景に安売り攻勢をかけていることがある。
同様な現象は、薄型テレビ、半導体などの電機・IT製品から自動車、造船まで幅広く見られ、業界関係者は危機感を強めている。
http://www.asahi.com/business/update/1127/OSK200811270036.html
無論、韓国経済の現状も厳しいものがある。
サムスン経済研究所は27に発表した報告書『09年の経済展望』で、輸出の増加率が一ケタにとどまるとして、来年の経済成長率を3・6%から3・2%に下方修正した。
とは言え、マイナス成長が予想される日本などに比べ、3・2%はかなり高い。今年の経済成長率も4・4%と予想されており、韓国の実体経済のファンダメンタルは他の先進国に比べれば健全と言える。
サムスン研究所は来年の貿易収支は48億ドルの黒字、経常収支は21億ドルの黒字と予想する。問題となっているウォン安ドル高も、経常収支の黒字転換により、ウォンの対ドルレートは年平均で1ドル=1040ウォン前後で歯止めがかかると見通した。
こうした予測には、それなりの合理性がある。
そもそも現在のウォン安ドル高は、ヘッジファンドの売り注文によるところが大きかった。実際、大信証券のリポートによると、6−10月にヘッジファンドが登記上の拠点とする租税回避地(タックス・ヘイブン)の投資家による売り越しが7兆8000億ウォンに達し、11月も5000億ウォンの追加的な売り注文があった。
しかし、その動きも次第に鈍化し、ヘッジファンドの売り余力は限界に達しつつあると見られている。
それを見越して一般外国人投資家が26日1218億ウォン、27日1913億ウォンと2日連続で1000億ウォン以上の買い越しを記録した。9月22日以来のことで、大型株を中心に鉄鋼金属、金融、電機電子などの業種に集中した。
雨降って地固まるではないが、投機的なヘッジファンドが市場から退場し、一般投資家の比重が高まることは市場の健全化にとって好都合と言える。
韓国の強みは他のOECD加盟国に比べ、財政赤字規模がGNPの30〜40%程度で、例えば、日本の150%に比べ、財政出動の余力が十分なことである。
また、政策金利も4%台と、ゼロ金利の日本に比べかなり幅がある。
従って、内需拡大のために大胆な財政・金融政策を実施することが可能であり、不況への備えも十分というわけである。
それと対照的なのが日本で、無策のまま2か月以上も費やした“麻生不況”もあって、状況はかなり厳しい。
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