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これを意外と見るか当然と見るか、立場によって異なるであろうが、事実は事実として受け止め、世界の空気を正しく読むべきことは言うまでもあるまい。
日本における対北朝鮮感情は史上最悪だが、北朝鮮における対日感情も極度に悪化している。互いに意固地にならず、冷静に状況を判断すべき時期に来ていることは間違いない。
読売新聞社と英BBC放送が昨年11月から今年2月にかけ、21か国を対象に政治・経済・安全保障分野で世界に影響を及ぼす16か国・国際機関について「良い影響」「悪い影響」を、面接または電話方式で共同世論調査を実施した。
読売新聞社は日本国内分だけを担当し、世界は第三者のBBCが担当しているので、客観的な調査と評価してよいだろう。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090207-OYT1T01068.htm
それによると、北朝鮮に対しては「良い影響」20%、「悪い影響を与えている」48%との結果が出た。経済的な困窮と脱北者問題など人権問題がマイナスとなったと見られる。
北朝鮮に否定的な印象を持っている日本からは、意外と評価が高いと驚く人が少なくなかろうが、それだけ国際標準からずれていることになる。
他方、日本は「良い影響」56%、「悪い影響」23%であった。
北朝鮮国民からみると、これも意外な結果で、やはり国際標準からずれている。
国民感情は政府の姿勢やマスコミの報道によって大きく左右される。
その意味で、今回の調査結果は今後の課題を改めて浮かび上がらせたと言えよう。両国に蔓延する悪意の連鎖を早く断ち切る必要がある。
「悪い影響」はイラン55%、パキスタン53%、イスラエル51%、北朝鮮48%、米国43%と続く。
米国は「良い影響」40%で、否定的評価が上回るのはブッシュ政権の独善的な一国行動主義が反発を受けたためであった。
逆に、そのブッシュ政権を相手に一歩も譲らず、抵抗し続けた北朝鮮が評価された構図も透けて見える。
実際、ブッシュ政権当時の前回は「良い影響」35%、「悪い影響」47%」と北朝鮮と拮抗し、別の世界最悪の指導者アンケートではブッシュは金正日よりも上位にランクされた。反米諸国では、ブッシュは悪魔、金正日は英雄であった。
オバマ政権への移行で状況は幾分好転したが、オバマ、金正日が和解すればともに評価は急上昇しよう。
「良い影響」トップはドイツの61%で、英国58%、カナダ57%と続く。
日本がそれに続くのは、戦後の平和憲法下の経済的繁栄の成果、日本発の個性的な文化が評価されたのであろう。
だが、前年より順位が後退し、「悪い影響」がドイツ15%より多いのは、歴史認識など近年の戦前回帰傾向が影響したとみられる。
米経済沈没で、日本は好き嫌いにかかわらずアジアとの相互依存性を強めていくことになるが、歴史認識で地域の理解を得ないと今後は厳しい。
北朝鮮との修好はその試金石でもあり、拉致問題で過去を矮小化するようだと反発を招くだけである。
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