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数年前にロシアのプラウダが集中的な人材育成や光ファイバーの普及を根拠に「北朝鮮は潜在的なIT大国」と報じたことがあるが、ネットは外部と遮断されたイントラネットにとどまり、政治の厚い壁に発展を阻まれていた。
ところが、最近、後継者問題など新しい風に乗って開放の兆しが見える。
ピョンヤン駐在のヒューズ英大使が3日、インターネット生中継でロンドンの英外務省の記者団との会見に応じたのはその一つだ。
大使は北朝鮮国民の動向について「住民は後継者に正雲(ジョンウン)が指名されたことを知らない」「強力な武力を持ってこそ、外部圧力を退け国家を守ることができると信じている」「金総書記の健康状態や精神状態については知らされていない」と述べた。
さらに、「さらなる核実験もありうる」「人権が無視されている」「北朝鮮の国内総生産の33%は武器開発に使われている」「北朝鮮北東地域の食糧配給が200グラム以下に減ったという話も聞いた」などと述べた。
http://www.yonhapnews.co.kr/international/2009/07/03/0606000000AKR20090703191100085.HTML
ピョンヤンの中国大使館がHPを公開しているが、ネット中継による記者会見は初めてのことである。
ヒューズ大使はさる3月にも、同僚の駐韓英大使のブログに「ピョンヤンに春が来たようだ」と最高人民会議選挙の模様を伝えるなど、ピョンヤンからのネット送信を利用している。
今回、人権侵害を批判する発言もあったが、北朝鮮当局は一切干渉しておらず、ある種の意図が透けて見える。
国内のイントラネットを外部と接続し、情報鎖国と決別する試みであろう。
先月も米国などで人気のコミュニケーションサイト・Twitterに公式ページを開設し、外交情報を発信していることが知られ、話題になった。ハンドル名は「kcna_dprk」、所在地「ピョンヤン」、自己紹介欄には「朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)の中央報道機関からのニュースをお届けいたします」とある。書き込みも可能である。
http://twitter.com/kcna_dprk
ITに関する北朝鮮の人的、インフラ水準は世界的にも高レベルにある。
すでに小学校3年から英語・コンピューター教育を始めるなど、人材育成に力を入れている。
光ファイバーは国内に普及し、パソコン・ノートパソコン・携帯電話、汎用半導体の生産を開始しており、インターネットと接続することでIT産業に新たな活力を吹き込む狙いであろう。
外部との接触はこれまで軍事的治安上の理由から禁止されていたが、それを開放しIT立国を目指す政策的な意志が作用したと言うことである。
そのような決断を下せるのは金正日総書記か、スイスでITになじんだ後継者しかいない。後者の意志が作用しているとみても不自然ではない。
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