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現在の日本は、半世紀にわたる利権政治で財政赤字を膨らませた自民党というシロアリに柱を食い荒らされた倒壊寸前の家のようなものである。狭い日本の各都道府県に額賀空港(茨城)もどきをつくられ、食い潰されたJALはミニ日本である。
IMF予測によると、2009年と2015年の日米英政府財務残高の対GDP比予想は、英国68%→91%、米83%→110%、日本218%→249%に急拡大する。日本は2015年以前に破綻するとの見方も有力になっている。
この危機を脱するには、何にもましてまず積年の政・官・業の腐敗・癒着構造を大掃除しなければならず、政権交代は最後のチャンスであった。
その意味で、米誌タイム(29日)が恒例の「世界で最も影響力のある100人」のリーダー部門に「ある種の革命の指導者となった。事実上の一党支配から機能する民主主義に変える手助けをした。それだけで称賛するに十分」として鳩山首相を選んだのは、妥当であろう。
だが、残念なことに、鳩山由紀夫氏は首相としての資質に大きな疑問符が付く。
政治的な課題解決と方程式の解探しを混同しているのか、政治にはプロセスが大事ということが理解できず、学者時代さながらに思いつきでしゃべり、無用な反発と混乱を引き起こして民主党の足を引っ張っている。
普天間移設問題では自ら期限を切っておきながら、迷走に迷走を重ね、土壇場になって公約違反の桟橋案を「腹案」として、元自民党議員の重病患者に仲介を求める醜態を晒している。高校無償化でも朝鮮高校を差別する愚行を行った。
「普天間問題は5月までに決着」は自ら言い出したことであり、出来なければ鳩山氏の言葉は全く信憑性を失い、混乱を拡大させるだけである。総辞職か、百歩譲って、論功行賞ではなく実力派を配した内閣の大幅改造が求められよう。
しかし、小沢幹事長の場合は、次元が異なる。ふらふらする鳩山内閣を支え、予算案成立で指導力を発揮した。寄せ集めの党内をまとめる要でもある。
守旧勢力が検察官僚を動かしながら執拗に小沢氏に攻撃の的を絞るのも、民主党を瓦解させる上で最も効果的と考えているからと思われる。
そのような企みに乗せられてしまうと、政権交代は雲散霧消し、日本の政治は液状化に陥り、冒頭の危機は加速しよう。
無論、小沢氏のカネの問題はグレーゾーンであり、しかるべき説明と透明化が求められる。
だが、それは自民党政治家の宿業であり、同じ問題を突きつけたら、俎上に乗らない自民党政治家はいないだろう。豪邸を構える自民党の歴代首相や派閥領袖のカネの出所が利権に姿を変えた税金であることは公然の秘密である。
自民党が小沢氏のカネを追求するのは天に唾する行為でしかない。自民党の支持率が落ち込むのは、それを有権者に読まれているからである。
『代議士の自決ー新井将敬の真実』(第十一章小沢流改革の虚と実 遅れてきた改革派)でもすでに指摘したことだが、自民党幹事長を務めた小沢氏の蓄財も本質的には旧自民党利権政治の産物であった。
その小沢氏が民主党のリーダーとして政権交代の主役となったところに、日本政治の歪んだ現実がある。
だが、それを承知で民主党に投票し、政権交代を果たしたのであるから、毒を喰らえば皿まで、の覚悟と責任がこの国の有権者には求められる。長年の自民党腐敗政治を許したのは、他ならぬ自分らなのである。
いまさら守旧勢力の紐付きとみられる「特定集団」に煽られ、旧悪がどうのこうのと熱に浮かれている場合ではなかろう。
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2010年04月30日
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