河信基の深読み

読者各位様:本「河信基の深読み」は順次、北朝鮮投資開発戦略研究所(2019年4月〜所長・河信基)の公式HPへ移行して参ります。

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 国連安保理は議長声明を採択したが、「強力な制裁決議」(李明博大統領)から拘束力のない議長声明に大幅ダウンしながら、「北朝鮮の犯行」と特定することにも成功しなかった。
 北国連大使は「外交的勝利」と語り、6か国協議再開を希望した。中国、ロシアも6か国協議早期再開を求めており、舞台は国連を離れ新たなステージに移ろうとしている。
 
 9日に討論なく10分で満場一致採択された議長声明は、前回の『ロシアが魚雷攻撃説正式否定』で「事態を政治外交的に収束させる妥協の産物として曖昧な議長声明が出される可能性があるが、北朝鮮非難が抜ければ李政権は事実上の敗北である。『文脈上、北非難は明らか』と強弁したところで、全く逆の解釈も可能であり、通じる話ではない」と書いたとおりの結果となった。
 実際、議長声明への評価は韓国、米国でも賛否両論大きく分かれ、米中ロによる地域の覇権的思惑絡みの“力の外交交渉”が舞台裏で熾烈化していくと読める。
 
 国連常任理事国と韓日の5+2の協議に基づいて採択された議長声明は11項目から成るが、その特徴は以下の4項目である。
 5  安保理は、韓国主導の下、5カ国が参加した「民間・軍合同調査団」が北朝鮮に「天安」沈没の責任がある    と結論付けた調査結果にかんがみ、深い懸念を表明する。
 6  安保理は、今回の事件と関連がないと主張する北朝鮮の反応、そしてその他関連国の反応に留意する。
 7  従って、安保理は「天安」沈没を招いた攻撃を非難する。
 10 安保理は朝鮮戦争休戦協定の完全な順守を促し、紛争の回避と状況悪化の防止を目的に、適切なルー    トを通じ直接対話と交渉を可能な限り速やかに再開するため、平和的手段として朝鮮半島の懸案解決を    奨励する。
 
 喧嘩両成敗のように南北双方に配慮した一種の和解文であり、文理上解釈の余地が極めて広く、政治的な思惑や立場によって180度分かれる。
 
 その意味で、韓米外交当局が「全体的な脈絡から北の責任は明確」として「歓迎」の談話を評するのは当然のことである。しかし、産経新聞が「日米韓の外交的勝利」と無邪気にはしゃぐほど事態は単純ではない。
 ホワイトハウスが声明で、「北朝鮮の攻撃であり、容認できない」とし、「韓国防衛への公約を果たす」と強調したが、強気の裏に、中ロ説得に失敗した無力感が漂っている。「政権内では中国への失望が広がっている」のはそれを示唆する。また、ヘリテージ財団などの保守派は「失望した。何の拘束力もない」とオバマ政権への批判の声を挙げている。
 
 李政権の場合、国内で「天安外交の失速」「墜落」との非難がネット上で轟々と湧き上がり、事態はより深刻である。
 一例として、ヤフーヘッドラインで伝えられたニューシスの「北が抜けた天安艦議長声明採択」との速報には「北がやったのかやらなかったのかわからないということか。でかい口をきいて・・・」「不幸な国民だ。まだ李明博を支持している連中は、反省しろ」「短気症患者が大統領になったのが問題だ。時間を掛け、十分な検討を重ねて対応することが出来ない」との書き込みが溢れている。
 李政権を支持する声もあるが、8対2、9対1と圧倒的に少数派である。
 
 他方の北朝鮮は、硬軟両様の対応だ。
 申善虎(シン・ソンホ)国連大使は9日、記者団に対して、「拙速な議論の結果、誤った結論に達してしまった。朝鮮半島はいつ暴発してもおかしくない局面に入った」と述べた。それについて日本のメディアは「北大使『いつ暴発してもおかしくない局面に』」(産経)、「北朝鮮 強く反発」(朝日)と報じるが、肝心なことが抜けている。
 ロイターは「北朝鮮国連大使は『(安保理声明の内容を)素晴らしい外交的勝利と見なしている。事件発生当初からわれわれは何ら関係がないとの立場を非常に明確に示してきた』と話した」と伝えている。
 
 北朝鮮の本音は後段にある。
 朝鮮中央通信も10日、北朝鮮外務省報道官が議長声明について「国連安保理の論議が明白な判断や結論もない議長声明を採択し、終了した。平等な6か国協議を通じ、平和協定締結と非核化を実現するための努力を一貫して傾ける」と述べたと伝えている。
 米国が主張したように「被告人」の立場で6か国協議に引きずり出されるわけにはいかないが、「平等」な立場の協議には幾らでも応じるということである。
 
 議長声明には北朝鮮の持論である「朝鮮戦争休戦協定を平和協定に替える」問題意識が投影されている。
 中国が北朝鮮との協議を重ねて盛り込んだと思われ、申大使が「素晴らしい外交的勝利」と自賛したのはそのことを意味するのであろう。
 
 今後、ジャブを交えながら6か国協議再開への動きが始まるであろうが、恐らく、早とちりして損な役割をしたのが日本である。
 「外務省幹部は『名指しされていないが、北朝鮮がやったとしか思えない』と述べ、高須国連大使も『攻撃を非難し、攻撃責任者を処置し、再発を防ぐという各点で納得できる内容だ』と評価した」(「朝日7・10)というが、このレベルの認識では今後の6か国協議での席はない。
 李政権からは感謝されるだろうが、韓国野党・在野からは胡散臭く思われ、北朝鮮からは「米国の犬」と憎まれ、中ロからは「米国の下請け」と蔑まれている。
 日本の外交は安倍首相=谷内外務次官ライン時から拉致だけしかなくなった。この無能ラインを削除する外科的な手術が必要である。
 
 国連安保理での外交戦は、第三者の目で見れば、6:4で韓米日の負けである。
 韓米日の敗因は軍民合同調査団のお粗末な「調査結果」に過度に依存したことにある。初動捜査が杜撰すぎたのである。
 
 それと関連して、昨日有楽町の外国人記者クラブで、「軍民合同調査団による、外部爆発とそれが北朝鮮の魚雷であったとの主張は立証できない」との独自の検証をしたソ・ジェジョン米ジョーンズホプキンス大国際政治学教授とイ・スンホン米バージニア大物理学教授の記者会見があった。
 記者会見は盛況で、私も参加したので、次回はその結果を報告する。

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