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今朝の朝日社説「安保理声明―北朝鮮への厳しい視線」は恐らく(32)「『撃沈』派の苦しい弁明」への反論であろうが、情報が相変わらず一方通行であり、偏っている。
韓国軍主導の調査団による杜撰な「結論」を金科玉条にしている限り、そうした偏頗的弱点を克服することは難しいだろう。
(32)で「『ジョンウン氏直々に攻撃の指示を出した』とのCIA発の情報を検証することもなく鵜呑みし、・・・、未確認情報を想像力逞しく連ねた、先に結論ありきの強引な論法である。韓国軍民合同調査団の『調査結果』を鵜呑みした思考から一歩も出ていない」と主筆の船橋洋一氏のコラム「権力継承期の危うさ」(『日本&世界』)を批判し、知る人ぞ知る人々の間で物議を醸したから、当人の耳にも入っていよう。
社説は主筆が責任を負うべきものであるから、今朝の社説は事実上の反論とみなしてよかろうが、一読して慨嘆に耐えないものであった。
国連安保理議長声明について、社説は「確かに、北朝鮮の犯行だと断じてはいない。だが事実上、北朝鮮を非難したと読める」と強がるが、それは一方の立場の主張であって、客観性があるものではない。
現に北朝鮮の申善虎(シン・ソンホ)国連大使は記者団に「素晴らしい外交的勝利」と語っている。
当の朝日も「『米韓の誤算を証明』 名指し回避の声明に北朝鮮満足感」と10日の夕刊で報じているが、どうやら編集部内では少数派でしかないようだ。
社説の認識上の欠点は、「韓国のほか米国やスウェーデンなども加わった調査団は、原因を北朝鮮製の魚雷と断定し、『北朝鮮による発射以外に説明がつかない』との結論を出している」に集約される。
5月20日に発表された同結論にはその後多くの矛盾や嘘があったことが韓国の野党・市民団体・研究者らから指摘され、韓国当局者も一部を認めているにもかかわらず、朝日新聞はそれを一言も報じていない。
知らないとしたら報道機関として怠慢であり、無視しているとしたら政治的なプロパガンダに意識的に与していることになるが、社説を読んだ限りでは後者のように思える。
我田引水的な独善的な論法にそれが如実にうかがえる。
「声明では、事件への関与を否定する北朝鮮の主張も記している。北朝鮮との摩擦を嫌う中国やロシアと折衝を重ねた末の妥協の産物だ」と書くが、そうではあるまい。中ロが北関与を否定するのは北朝鮮との摩擦を嫌ってではなく、証拠がないからである。
事実、ロシア調査団は「魚雷攻撃説」を否定する調査結果を韓国政府に通告し、メドベージェフ大統領が胡錦濤・中国主席に電話で説明している。アメリカ政府にもロシア政府から伝えらている。
朝日新聞はそうした重要な事実を一行も報じていないが、理由を明らかにすべきでないか。
日本の平和勢力の中では親米ネオコン的な朝日の論調への懸念が広がっている。
社説は「北朝鮮は軍事行動の可能性もにおわせて、日米韓の動きに激しく反発してきた。一方で、米国と韓国は北朝鮮に近い黄海で空母も動員する合同演習の計画を立てつつあり、それには今度、中国が反対を表明している。予断を許さない緊張が続いている」と書く。
緊張を引き起こしているのは北朝鮮であり、対抗上、米韓合同軍事演習は仕方がない、と読めるが、そうだとしたら地域の平和と安全を脅かす極めて危険な発想である。
船橋氏は読者に対して、米韓軍事演習に賛成なのか、反対なのか、立場を明確にする義務がある。
「南北はもちろん関係国も、偶発的な衝突を避け、緊張を解いていく努力をしなければならない」などとごまかしてはいけない。
社説は 「北朝鮮は、名指しで非難されなかったことで高をくくっているようだが、厳しく認識すべきは、自らに向けられた国際社会のきわめて冷たい視線だ」と開き直っているが、根拠薄弱な非難を浴びせて来た事に一言の陳謝もなく、非礼ではないか。
「核実験を受けて北朝鮮に科している制裁」「軍人も脱北しだした」「金正日総書記の後継体制の整備に本腰を入れ始めた」云々は天安艦沈没の件とは無関係であり、糞味噌の議論で逃げてはならない。
一昨日に外国人記者クラブで「軍民合同調査団による、外部爆発とそれが北朝鮮の魚雷であったとの主張は立証できない」との独自の検証をしたソ・ジェジョン米ジョーンズホプキンス大国際政治学教授とイ・スンホン米バージニア大物理学教授の記者会見があり、朝日の記者も何人か来ていたようだが、今に至るも紙面に報道はない。
同会見は英科学専門誌・ネイチャーも「Controversy over South Korea‘s sunken ship」と伝えており、朝日新聞が真実追求に重きを置くなら無視する理由はあるまい。
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2010年07月11日
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