河信基の深読み

読者各位様:本「河信基の深読み」は順次、北朝鮮投資開発戦略研究所(2019年4月〜所長・河信基)の公式HPへ移行して参ります。

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 中国船拿捕事件は図らずも民主党幹部の対中観の違いを浮き上がらせた。
 民主党が責任ある対中外交を進めることができるか、具体的に人物を見極める時期に来ているだけに、無視できない。
  
 菅首相は4日夜(日本時間5日未明)、ベルギーでのアジア欧州会議(ASEM)のワーキングディナーの際、廊下ですれ違った温家宝・中国首相と傍らの椅子に坐って25分間会談し、戦略的互恵関係を進展させる立場を確認した上で、尖閣について相互が自国領であることを主張しながらもハイレベル対話や民間交流の再開で合意した。
 双方が交渉の席に就いたことは評価されるが、大局に立って相互理解を深めることができるか、問題はこれからである。
 
 それと関連して、仙谷官房長官が4日の記者会見で披瀝した以下の対中観は注目される。
 「古くから中国から伝来した文化が基本となり日本の文化・文明を形成している。清朝末期から英米帝国主義に領土を割譲され、つらい思いをした」として、日本の戦争責任に触れ、「日本も後発帝国主義として戦略および侵略的行為によって迷惑をかけていることも、被害をもたらしていることも間違いない」
 
 ごく常識的なことであるが、近年の悪しきナショナリズム高揚の中で、それを故意に否定する風潮が出ている中でのことだけに、意味がある。
 出鱈目な「新しい歴史教科書」を制作、宣伝してきた産経新聞は早速、「中国を擁護」「中国の文化的優位性を強調」と噛み付いているが、そうした歪んだ歴史認識こそ日本を東アジアで孤立させ、転換期にあるこの国の将来を危うくすると知るべきである。
 
 仙石氏が対中観を披瀝したのは、与党・民主党の枝野幹事長代理が「中国は悪しき隣人」と非難した発言を否定するためであった。
 「衰退する日米同盟」でも指摘したように、枝野氏は2日の埼玉市内での講演で、「中国との戦略的互恵関係なんてありえない。悪しき隣人だ。そういう国と経済的パートナーシップを組む企業は、よほどのお人よしだ。中国に進出している企業、中国からの輸出に依存する企業はリスクを含めて自己責任でやってもらわないと困る」と述べていた。
 弁護士ではあるが、政治家としては無知蒙昧と言うしかない。民主党を離党し、親米ナショナリストの安倍晋三、麻生太郎両氏らと行動を共にした方がいい。
 
 枝野氏は反中意識を煽って存在感を誇示しようとしたのであろうが、過去の反省のない歴史観は中国だけでなく、韓国、北朝鮮の怒りをも引き起こすだろう。
 韓国各メディアは今朝から「旧日本軍食人・集団虐殺事件」をセンセーショナルに報じている。1942年から初頭に南太平洋のマーシャル諸島南東端にあるミリ環礁に朝鮮人800〜1000人が強制徴用され飛行場などの軍事施設建設にあたったが、敗戦間際の1945年初頭に米軍の包囲で食糧不足に陥った日本軍が朝鮮人を殺して食糧にし、抵抗した朝鮮人100人余りを虐殺した事件が韓国政府の調査団により明らかになったという衝撃的なものである。
 
 この種の虐殺事件は日本軍が侵略した中国、朝鮮、東南アジア各地で目撃者から告発されている。
 過去のことであり、今の日本人に直接的な責任があるとは思わないが、枝野氏のように過去を否定するとその時点で精神的な同罪とみなされ、反発されるだろう。
 過去の犯罪に対しては日本は、ドイツがそうしているように、相手が忘れるまでひたすら繰り返し謝罪するしかない。産経のように「いつまで謝らなければならないのか」と開き直り、「侵略ではなかった」と強弁すると周囲の国全てを敵にしかねないのである。
 

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