河信基の深読み

読者各位様:本「河信基の深読み」は順次、北朝鮮投資開発戦略研究所(2019年4月〜所長・河信基)の公式HPへ移行して参ります。

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頭部に全治6週間の重傷を負って病院に担ぎ込まれたた海老蔵は当初、被害者として同情を集めていた。
海老蔵は「因縁をつけられ、一方的に殴られた」と語っていたが、海老蔵が酒に酔って、暴走族のリーダーの髪を引っ張り、酒をかけ、灰皿にテキーラを入れて飲ませようとし、怒った相手側から暴行を受けたとの証言が複数出始めた。

個人と国家の違いはあるが、喧嘩の経緯は南北砲撃戦と似ているではないか。
日本人の多くは今でも北朝鮮が一方的に無差別砲撃し、民間人に死傷者を出したと怒っている。
だが、これはマスコミが韓国政府の発表を現場取材もなく垂れ流したからで、肝心な事が抜けている。
韓国の野党や報道によると、北朝鮮の砲撃前に韓国側が約四千発の実弾射撃訓練 を北朝鮮領海目前で行っていたという。
しかも、北朝鮮側の中止要求を無視しての事である。
こういう状況に置かれたら誰でも怒るのではないか。

北朝鮮が腹いせではあれ過剰反応し、民間人に危害を加えたことは非難されるべきである。

しかし、海老蔵同様に韓国側にも責任の一端があろう。
一方的に非難しあうのではなく、冷静に話し合いで解決するしかなかろう。
愚かな権力同士の争いで被害を被るのはいつも一般庶民である。
 予想した通り、米韓軍事演習は北朝鮮領海から180キロ離れた韓国中部の平沢沖合いの海域に限定された大規模パフォーマンスとなり、産経新聞など右派系メディアが吹聴した「第2次朝鮮戦争」は誇大妄想となった。
 頭を冷やして冷静に、関係国の中間収支を弾いてみよう。
 
 中国は明らかに黒字である。米原子力空母・ジョージワシントンの黄海進出を許してしまったのは誤算であったが、中国経済水域への侵入を阻止して最低限のラインは守った。
 それ以上に、興奮している韓国、北朝鮮、日本、米国をなだめ、冷静な姿勢を終始堅持したことで、地域の調停者として存在感を高めた。
 軍事的緊張が峠を越し、外交的解決の段階に移行している中、中国が提示した6か国協議首席代表会合案をベースに関係国の折衝が続いていこう。
 
 米国はやや黒字か。
 3月の韓国哨戒艦沈没事件を口実にジョージワシントンの黄海派遣を再三試みたが、中国の反対で頓挫した。今回ようやく面目を保ったが、作戦海域を限定され、限界を露呈した。
 さらに、「戦略的忍耐」の破綻と、それに代わる効果的な対抗策を持っていないことが明らかになり、中国と反比例して地域での存在感は相対的に低下した。
 北朝鮮との対話しか選択肢は残されていないが、「(ウラン濃縮など)北朝鮮の脅しに屈して対話に応じることは外交的敗北だ」と国内から批判され、手詰まり感は否めない。
 
 他方、経済的側面では、韓国には貸を作り、自動車や牛肉の非関税障壁撤廃で李明博政権から譲歩を引き出すカードを得た。また、最新兵器売却交渉も進展している。
 「第2次朝鮮戦争か」「朝鮮有事か」と興奮している日本に対しても、核装備原子力空母などの横須賀港自由使用権を事実上認めさせ、思いやり予算増額、普天間移設問題、MDなど兵器売却で有利な立場に立った。
 リーマンショック後の財政赤字急増と国際収支悪化に悩むオバマ政権としては、経済実利的な成果は外交的な損失を補うものがある。内心、北朝鮮の過剰反応にグッドタイミングと手を叩いていると読める。 
 

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