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先月28日からの騒々しい米韓軍事演習の期間、大延坪島の住民は本土に避難していたが、1日に演習が終わると戻り始めた。
日本のテレビ、新聞は「抑止」と演習目的を宣伝していたが、何のことはない、肝心の住民たちはきな臭い「北への挑発」の臭いを嗅ぎ取って行動していたわけである。
図らずも日本の「報道の自由」は敗戦で米国に与えられ、米国の意のままに操られる根の浅いものであったことを満天下に晒した。今に始まったことではなく、米国のイラク侵略時も「いけいけ、やれやれ」式の無批判な報道をしていたが、全く反省というものがない。
ネットで直に現地の動向を知ることができる今、そうした偏向報道は自ら信用を傷つける自殺行為であることを知るべきである。
米韓の軍事演習は逆に手詰まり感を残すパフォーマンスに終わり、限界を露呈した。
反比例して存在感を高めているのが中国である。ロシア外務省当局者は2日、「朝鮮半島での出来事をめぐる懸念は解消されていない。6か国協議首席代表緊急会合が開催されるならわれわれは参加する」と中国案を支持した。
クリントン長官もキルギスタンで3日、北朝鮮に対する新提案を準備しており、すでに中、ロと協議していることを認めた。6日の米韓日外相会合で対応を話し合うと見られる。
米韓の予測に反して、北朝鮮は終始冷静であった。
米韓軍事演習が北朝鮮領海から離れた海域で行われることを知った時点で、単なるパフォーマンスに過ぎないと判断したのであろう。
金正日総書記は28日にピョンヤン大劇場での国立交響楽団公演を後継者の金正恩らとともに観覧する余裕を見せ、その後、地方への現地視察に赴いている。1993年の第一次核危機時時には準戦時体制を敷いたが、今回はピョンヤンは平時と何ら変わらない。
北朝鮮メディアがわざわざ冷静さを流すのは、金正恩の情報戦略によるものと読める。
北の余裕の背景には、今年3月の韓国哨戒艦沈没事件以降の中国との同盟関係深化に自信を深めていることがある。
外交関連の北朝鮮高官が相次いで訪中しているのは、中国の6か国協議首席代表緊急会合案を煮詰めているからであろう。
また、「米国への抑止力」と位置付ける核ミサイル戦力への自信がある。ウィキリークスが暴露した米外交秘密公電にはU.S-Russia Joint ThreatAssessment Talks(2010年2月14日付 極秘文書No.017263)が含まれ、米ロが北朝鮮のテポドン・ミサイルについて弾頭重量500Kg、射程15,000kmと分析している。
さらに、中国の核専門家リ・ビン清華大学国際問題研究所副所長が昨年5月の北朝鮮の第2次核実験について「中国に爆発規模が4キロトンと事前通告した通りの実験結果が出ており、核爆弾の小型化実験と解釈される。北朝鮮は2キログラムのプルルトリュムで核爆弾を製造したと通告してきた」と明かしている。
すでに核ミサイル搭載潜水艦が作戦行動に入っているとの情報も韓国から出ている。
こうした情報は、北朝鮮が10月の軍事パレードで公開した潜水艦発射型多弾頭核ミサイル(米国コード名ムスダン)や対空ミサイルなど新型ミサイルを分析すればある程度裏付けられる。
つまり、北朝鮮はすでに核ミサイルを多様な形態で実戦配備している可能性があるということである。
米韓軍事演習がプレス報道は派手だが、実際には慎重な行動に終始したのは、そうした可能性を考慮した側面があろう。
NHKソウル支局長は「ジョージワシントンの艦載機は十分でピョンヤンに入り、壊滅的な打撃を与えることができる」と伝えたが、対空ミサイルの迎撃を受けなければの仮定の話でしかない。
事実は小説より、報道より奇である。
言うことをおとなしく聞けとばかりに、軍事的手段で圧迫して解決しようとする前世紀的な砲艦外交は、核戦争を覚悟しない限り不可能になった現実を直視するべきである。
無知な楽観論は大怪我のもとである。
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2010年12月03日
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