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石原東京都知事のオリンピック再挑戦を熱烈支持している産経が、それに水を差すことを平気で言っている。
今月14日に東京都内で開かれるアジア・オリンピック評議会(OCA)総会に北朝鮮国際オリンピック委員会委員が参加するが、8日の産経主張は「北IOC委員 入国は認めるべきでない」とオリンピック憲章に泥を塗る暴言を吐いている。
原発再開キャンペーンにみられるように利権に執着し、すり替え論議を平気で用いるメディアだからいまさら驚くこともないのかもしれないが、反省を自虐的と拒絶し同じ過ちを繰り返す傲慢さは度し難いものがある。
産経によると、「『政治とスポーツの分離』をうたう五輪憲章の精神」よりも、「制裁措置に例外をもうける」ことの方が重大であり、「入国禁止の原則を貫くべきである」という。
身勝手な言い分だが、産経によると「韓国哨戒艦撃沈事件を起こし、延坪島を砲撃した。拉致問題についても、平成20年8月に北は横田めぐみさんら日本人被害者の再調査を約束しておきながら、一方的に先送りしたまま」と得意のすり替え論を開陳するが、出しにされた韓国の方がいい迷惑である。ピョンチャン冬季オリンピックが決まった韓国が、オリンピック憲章を蹂躙する暴論に与するはずがなかろう。
拉致問題に関しては産経は麻薬違反で服役した安明進元北朝鮮工作員(実は韓国国家情報院要員)のデタラメ情報を率先して垂れ流し、拉致問題解決に障害を作ってきた。
そうした事実に頬かむりして、北朝鮮が約束を守らない、どうのこうのはなかろう。中曽根元首相らを後押ししてフクシマ原発建設に一役買った過去に頬かむりしているのと同じ屁理屈である。
笑止なのは、「自民党の拉致問題対策特別委員会で、『工作員がまぎれて入国する恐れがある。入国を申請する人物をしっかり特定すべきだ』(安倍元首相)との意見も出された」と、拉致問題で迷走したお友達の、相も変らぬ妄想を引き合いに出していることである。
「スポーツが必ずしも政治と無縁でない」と、使えるものは何でも使おうと言う卑しい魂胆が丸見えである。
「参院予算委員会で、菅直人首相の資金管理団体が拉致事件容疑者親族の周辺団体に6250万円の献金をしていた事実が改めて追及された。民主党政権の拉致問題に対する姿勢が問われている」は、産経的なすり替えの極地である。
「菅政権が拉致問題でなすべきは、北が3年前に約束した拉致被害者の再調査の履行を求めることだ」と大上段に構えているが、横田めぐみのDNA鑑定の嘘、「一時帰国の約束はなかった」の嘘などなど産経が国民を欺いてきた虚偽の報道についてまず襟を正すことが先ではないか。
ジャーナリズムを名乗るなら、不確かな情報を検証もせずに風評のごとく流し続け、拉致問題を必要以上に混乱させ、解決を遅らせてきた責任の一端が自己にあることを反省する謙虚さが求められる。
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