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債務危機、原発放射能危機等々保守が作った未曾有の国難を保守結集で解決?しようと八十の老人たちが立ち上がった。
韓国人が腹を抱えて笑う究極のお笑いの裏ネタは橋下だが、さあどうなる。
老骨に鞭打って立ち上がった石原慎太郎、亀井静香、平沼赳夫三氏は自民党福田派の残党で、口先は改革だが、出自も現住所もれっきとした保守。いずれも新井将敬と因縁があり、私が『代議士の自決』で散々批判した人物たちである。
保守改革派のホープであった新井が抹殺され、その原因を作った石原氏が現役であることに、現在の日本保守政治の病弊が見える。
彼らの狙いははっきりしている。先のない老人たちが人気絶頂の橋下氏を人寄せパンダにして最後の一花咲かそうとしているのである。
野田首相は「シロアリが橋下氏ににたかっている」と皮肉り、橋下も「シロアリに食われないように頑張る」と答えているから、見ている人は見ている。
問題は、日本の中に終わった老人たちにすがろうとする情緒がまだあるということである。
石原氏は「中曽根氏からグレート・マウスになれと言われた」と指南役が中曽根元首相であることを明かしているが、その中曽根氏はフクシマ原発を造った張本人。論理的にはこの類の人たちが支持されるのはありえないことなのだが、たとえ国民の一割、二割とはいえ、そうでない情緒を持った人たちがいるというのは、驚きを越え、もの悲しさすら覚える。
作家の丸山健二氏は「日本人は涙に流れる情緒で物事を曖昧にするから、いつまでも事を解決できない。疑問をぶつける勇気を持て」と苦言を呈しているが、全く同感である。
昨日の毎日夕刊で私も学生時代に著書を勉強させていただいた国際政治学者の坂本義和・東大名誉教授がフクシマの放射能汚染が日本一国の問題ではなく、東アジア、ひいては地球規模の存亡にかかわる災害であるとして、「震災を解決するのは日本一国だけでの再生は難しい。国家を超えた連帯が必要」と新ルネサンスを呼び掛けている。
これも同感である。
とは言え、変革の兆しが全くないわけではない。
日本の保守勢力は米国を真似た保守二大政党によるまやかしの政権交代でガス抜きをする小選挙区制を導入したが、民主党政権はその限界を示している。だからといって自民党回帰では脳がなく、この国は本当に終わる。
現下のかすかな希望は恐らく橋下氏である。彼が被差別部落出身の原点を忘れなければ、改革者、さらに、革命家にもなりうる。
だが、単なる体制内改革を目指すなら、野中広務元自民党幹事長で終わるだろう。
老人たちをどうあやし、取り込まれるのではなく、取り組むことが出来るか、政治手腕が問われる。
昨年の貿易収支が赤字に転落し、1000兆円に迫る日本の債務危機は破綻のカウントダウンが始まった。それは構造的なものであり、ケインズが債務危機を予測できなかった時点でマルクスの恐慌論に屈したと、私は考えている。
マルクスが予言したとおり、日米は革命で体制転換しない限り、現在の危機から脱出することは難しいだろう。
かつて左右のバネが適度に働いて日本の活力源となった。池田政権の所得倍増政策に左のバネが呑まれたことから日本の劣化が始まったと言えよう。
高度成長時代は永遠に終わったのにまだその幻影に浸り、老人たちにすがるのは笑えない喜劇である。
救世主は国民一人ひとりである。
他にすがる限り、あり地獄から脱することは出来ない。
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